25)要マ~要マ、 或者~或者~

「要末~要末~」とも書く
「~するかあるいは、~するか」
「或者」は、「ぼくか彼か」の意味で「我或者他」のように二つの単語の間に割って入ることがある(例文4)が、「要末」にはこの用法はない。
例文:
1 明日は万里の長城に行くか、故宮に行くか、とにかく一日楽しみましょう。
2 あなたが来るか、私が行くか、いずれにしても今日会わなくてはならない。
3 あなたが取りに来るか、私が届けるか。
4 用事があるときには、徐さんに言ってもいいし、李さんに言っても良い。

「~よりも~のほうがましだ」 「~するくらいなら、~したほうがよい」
比較条件を提示して、別のほうを選ぶ。
例文:
1 何もしないでぶらぶらしているくらいなら、本でも読んでいたほうがましだ。
2 試験前になってあわてて詰め込むくらいなら、ふだんから時間を有効に使いなさい。
3 君が行くよりも、ぼくが行ったほうがよい。
4 この言葉は、ぼくをほめているというよりも、皮肉っていると言ったほうがよい。

たとえ~しても、~である(でない)。むしろ~しても~である(でない)
二つの事柄の利害得失を比較して、選択することをあらわす。
例文:
1 たとえ少々高く払っても、私は品質の良い物を買いたい。
2 たとえ自分がよけいに働いても、私は仕事を他人に押し付けたくない。
3 自分はいくら苦労をなめても、子供は学校にやりたい。

たとえ~だとしても~である、仮に~でも~だ。
仮定条件と譲歩を表す。
例文:
1 たとえあなた自身が行ったとしても、おそらく問題を解決できないでしょう。
2 仮に私が留守でも、誰かきっと接待する人がいるだろう。
3 たとえ、もし思いがけない事態が発生したとしても、あわてふためいてはいけません。
4 たとえ、明日雨が降っても、私は行く。
本事典の読者の一人である、こうちゃんが、彼女と付き合い始めの頃に、
「お前はオレのもの」というつもりで、彼女をグッと抱き寄せて
『我的東西』といったところ、彼女が突然怒り出して、収拾するのが大変だったとのエピソードを紹介してくれている。
今時の女性は「オレのもの」なんて言われても喜ばないと、カンカンさんがコメントしていたが、「オレのもの」というからには、「他の女性は目に入らない」ことが前提であろう。
さて、女性の主観はともかく、どうして、彼女が突然怒り出したかというと、中国語で「もの」は何ていうのと聴くと、99%の人は
「東西」だと教えてくれるだろう。
そうと知ったこうちゃんは、中国語で愛を囁けばもっと親近感を持ってくれるに違いないとばかりに、
「オレのもの」 ⇒ 「オレの
東西」 ⇒ 「我的
東西」
となったようだ。
ところが、中国語で
「東西」というと物理的に存在する
「物体」を意味することが多く、日本語の
抽象的に所有権を表すというような用法がない。つまり、下卑な表現になるが
「お前はオレのおもちゃだ」と、あたかもダッチワイフ同然の物言いをしてしまったのだ。
(こうちゃん、失礼、汗;)物理的に存在する物を厳密に示すならば、中国語でも「物品」とか「物体」とか「物件」などの表現もあるのだが、口語的には殆どの場合
「東西」ですます。
逆に日本語の「もの」には、
・
ものすごくたくさんの用法がある。
・目は口ほどに
ものを言う。
・年寄りの言うことは聞く
ものだ。
・
ものにとり憑かれる。
・
もののついでに教えてやる。
・どんな抵抗も
ものともしないで突き進む。
・バカなことをした
ものだ。
・どうしても嫌だっだんだ
もの。
・北方領土は日本の
もの。
・おばあちゃんは
もの静かな人だった。
以上は、どれも物体である
ものを示していないのだから、ここに中国語の
「東西」を当てはめるとおかしなことになる。
中国語の「東西」を人に当てはめた用法もあるが、概して悪い用法である。
遼寧省営口市在住さんが紹介してくれた用法二つ
(1) 那個小子,真他媽不是個
東西!
あのクソガキ、本当にどうしようもねぇクズだ!
(2) 没用的老
東西!
役立たずの老いぼれめ!
その他に「壊
東西」が「ろくでなし」とか、辞書に出ている。
「東西」が、なぜ物品を意味するようになったのかについては、
以前の記事を参照して欲しい。
また、「物」に関して、サンディから、司馬遷の『史記』の中の一節を拝聴した。
「物有不可忘、或有不可不忘」これは、1959年の中国版センター試験に出題された文章で、古文として扱っている。つまりこの文章では「物」を「事情」とか「物事」とかの意味で使っているが、現代中国語では「物」一文字で、このような用法はない。
以下、中国版センター試験の紹介
四、用现代汉语把下面的文句翻译出来(本题6分): (下の文章を現代の中国語に書換なさい、配点は6点)
物有不可忘,或有不可不忘。
夫人有于公子,公子不可忘也;
公子有于人,愿公子忘之也。模範解答は
事情有的不应该忘掉,也有的不应该不忘掉。
别人对公子有好处,公子是不应该忘掉的;
公子对别人有好处,希望公子忘掉它。物事には忘れてはならないことがあるが、また忘れなければならないこともある
誰かが王子に恩恵を与えたなら、それを忘れてはならない
王子が誰かに恩恵を与えたなら、どうか忘れなさい
近代の中国人の名前については、中国語読みも時々耳にするのであまり違和感はない。
例えば、毛沢東は「マオザァドン」、胡錦濤は「フゥチンタオ」でも、なんとか理解できる。
だけど、歴史上の人物については、日本語読みが頭に染み付いているので、中国語で言われると、とても同じ人物とは思えないのだ。
歴史上の人物の名前を、無理にカタカナ中国語で書けば、次のようになる。
三国誌の登場人物
劉備玄徳(リュウベイ)「りゅうび げんとく」じゃないとピンと来ない。
関羽雲長(グアンユィ) 「かんう うんちょう」
張飛翼徳(ジャンフェイ) 「ちょうひ よくとく」
諸葛亮孔明(ジーグァリヤン) 「しょかつりょう こうめい」
曹操孟徳(ツァオツァオ) 「そうそう もうとく」
日本の戦国時代の代表武将
織田信長(ジーティエン・シンチャン)クレヨンしんちゃんとと間違えそうだ。
豊臣秀吉(フェンチェン・シュージ)
徳川家康(ドゥチュアン・ジャーカン)
分けが分からなくなる。
逆に言えば、中国人だって同じはずだ。
当たり前の話だが、一般の中国人に(しょかつこうめい)とか(しばいちゅうたつ)と言っても、絶対に分からない。
西安観光の一部として、武侯祠という諸葛孔明を祀った廟を訪れた時に、中国人ガイドが
「諸葛孔明(しょかつこうめい)が司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)と戦って、遂に五丈原(ごじょうげん)で病に倒れた」
と、名前を日本語読みで説明してくれた。
すごいな!と思う。
子供の頃、中国人の名前はみんな「陳さん」だと思っていた。
何かの番組の挨拶だったかか、手品の前振りだったか
「わたし中国人の陳さんあるよ」というセリフが頭に残っている。
でも、実際は「中国人の陳さん」は、1番多いわけではなく、5番目の姓だった。
また逆に「李さん」と言うのは、韓国人、朝鮮人だと思い込んでいた。
中国に来てはじめの頃は、「李さん」の名刺をもらう度に、この人は朝鮮系なんだと思っていた。ところが「李さん」は、朝鮮族どころか、「陳さん」を凌いで、中国で2番目に多い苗字だったのだ。
一番多い姓は「王さん」だけど。
中国では、1文字の姓に、1文字の名前の人が多い。
これらの姓に、女の子なら
華、雲、霞、娜、雪、艶、淑、恵、梅、紅、麗など、
男の子なら
軍、偉、健、傑、翔、強、東など、名付けに用いられる文字がかなり集中しており同姓同名になる確立が高い。
最近の産経ニュースサイト(SankeiWeb)では「
同姓同名多すぎて…中国、誤認逮捕などトラブル増加」と報じている。
この記事によると
中国では毎年、約2200万人が生まれているが、最近、同姓同名の“重複率”が高まっているという。「張偉」は全国に約29万人、「王偉」は約28万人もいる。(共同)(2007/09/03 10:26)もし、日本に同姓同名者がこんなにいたら、年金問題の解決は不可能だろう。
2007年4月24日発表の公安部治安管理局による全国戸籍人口統計分析によると、中国で一番多い姓(苗字)は
「
王」さんで、9288万人、総人口の7.25%
2番目は「
李」さん、9207万人、総人口の7.19%
3番目は「
張」さん、8750万人、総人口の6.83%
これだけで、2.7億人となり、アメリカの人口に匹敵する。
アメリカ人の名前が、王さん、李さん、張さんの3種類になったら面白いな。
以下、2000万人以上の姓が7個あり、順序は次の通り
劉、陳、楊、黄、趙、呉、周1000万人から2000万人の姓は12個
除、孫、馬、朱、胡、郭、何、高、林、羅、鄭、梁これらを含めて、100位までの姓は、次の通り。

この100個の姓で、中国全人口の84.77%を占めるそうだ。
と言うことは、これ以外の姓の人が、およそ2億人いることになる。
近年の中国指導者、毛沢東、蒋介石、江沢民、胡錦濤、周恩来、朱鎔基、銭其シン、唐家セン、夏徳仁大連市長は含まれているが、温家宝首相がない。
オレの回りには「于」さんがたくさんいるんだが、トップ100に入っていないのが不思議だ。9月11日追記:いくつかの誤記を訂正しました。
「于」さんの記述は、だた間違っていただけのことでした。「于」さんは、38位に入っています。
統計数値出典:
人民網(2007年04月25日10:17) ←中国語原文があります。
女性が、使う三つの単語についての、ジョークをみつけたので紹介する。
普段良く使う言葉なので、中国語に馴染んでいれば、滲み出てくる面白さが分かるんだけど、日本語訳でも十分意味は伝わると思う。

【隨便】(随意である⇒好きにしていいわ)
男:
今晩、なにを食べようか? 女:
【隨便】(好きにしていいわ)
男:
じゃあ、火鍋はどう?
女:
いやよ、火鍋を食べると顔になんか出来るんだもの。 男:
だったら、川菜はどう? 女:
昨日食べたばっかりでしょう、また今日も・・・・!
男:
それなら、海鮮はどうだい? 女:
海鮮はダメよ、お腹をこわすんだもの。 男:
じゃぁ、キミはなにを食べたいの? 女:
【隨便】(好きにしていいわ)【都行】(全てOK⇒何でもいいわ)
男:
ねぇ、これから何しようか? 女:
【都行】(何でもいいわ) 男:
映画はどうだい?しばらく見てないよね。 女:
いい映画あるの? それに時間も遅いし。 男:
なら、ボーリングに行こうか、スポーツ、スポーツ。 女:
こんなに暑いのにスポーツなんて、疲れちゃうでしょ。 男:
それじゃぁ、喫茶店でコーヒーでも飲もうか。 女:
コーヒーを飲むと眠れなくなっちゃうの。 男:
じゃあ、いったいキミは何をしたいの? 女:
【都行】(何でもいいわ)【看イ尓】(あなたを見る⇒あなたに従う⇒任せるわ)
男:
それじゃ、さっさと帰ろうか。
女:
【看イ尓】(任せるわ) 男:
バスに乗ろうよ、送っていくから。 女:
バスは汚いし混むし、止めましょう。 男:
じゃぁ、タクシーにしよう 。 女:
こんなに近いんだもの、考えられない。 男:
それなら、散歩しながら歩こうよ。 女:
お腹が空いているのに、どうして歩くの? 男:
それじゃ、キミはいったいどうしたいんだい? 女:
【看イ尓】(任せるわ) 男:
先に食事に行こうか? 女:
【隨便】(好きにしていいわ) 男:
何を食べる? 女:
【都行】(何でもいいわ)男にとって、最も厄介な女の三つの常套句。
【隨便】【都行】【看イ尓】
日本にもこういう女っているかな?
出典:
Meiさんのメモ帳 ←中国語の原文があります。
6月26日は、
「国際麻薬乱用撲滅デー」だったのだそうだ。
「麻薬撲滅」じゃないんだ。
医療用に使用するのは構わないが、乱用はいかんと言うことらしい。
長ったらしい名前だと思って、英文はどんなもんかと調べてみたら
"International Day against Drug Abuse and Illicit Trafficking"と更に長かった。
直訳すれば
「麻薬乱用と密売に抗する国際デー」となる。
ちょいと調べてみたら、1987年に開催された「国連麻薬閣僚会議」の終了日の6月26日を
「麻薬乱用と密売に抗する国際デー」とし、各国がこの宣言の趣旨を普及する日と国連が決めたそうだ。
勘違い中国語【毒品】で書いたように、麻薬のことを中国語で
「毒品」という。
「国際麻薬乱用撲滅デー」は、単純明瞭に
「禁毒日」と表現することを下のメールで知った。
本当は、もっと長い正式名称があるのだろうが、中国では簡略化されてしまうのが普通だ。例えば
「オリンピック大会」は、正式には
「奥林匹克国際運動会」が正式な名前だが、一般的には
「奥運会」と短縮されて新聞報道にも使用されている。
「管理委員会」は、「管委会」という具合だ。
26日朝、オレの携帯にこんなショートメールが届いた。

分かりやすい中国語なので、中国語の
「毒品」が日本語の
「麻薬」であることが分かれば、全体の意味はすぐ解読出るだろう。
6月26日是国際禁毒日、大連市禁毒委員会和遼寧省大連市通信管理局共同提示您:遠離毒品、珍愛生命!日本語にするとこうなる
6月26日は国際麻薬乱用撲滅デーです。大連市麻薬撲滅委員会と遼寧省大連市通信管理局は、共同であなたに提案します。麻薬を遠ざけましょう。命を大切に!でも、どうしてオレのところにこんなメールを送ってくるんだろうか?
麻薬常習者だってバレているのかな? 笑);
中国では、麻薬に関する取り締まりはとても厳しい。
麻薬を50グラム持っていたら死刑判決の可能性もある。大連空港から麻薬を持ち出そうとして捕まり、死刑判決を受けた日本人が実際にいるのだ。(控訴中であり、死刑は執行はされていない)
他人に頼まれたとか、知らなかったとか言っても通らない。
絶対に関わってはいけない。
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