大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

お前はオレのもの

本事典の読者の一人である、こうちゃんが、彼女と付き合い始めの頃に、
「お前はオレのもの」というつもりで、彼女をグッと抱き寄せて
『我的東西』
といったところ、彼女が突然怒り出して、収拾するのが大変だったとのエピソードを紹介してくれている。

今時の女性は「オレのもの」なんて言われても喜ばないと、カンカンさんがコメントしていたが、「オレのもの」というからには、「他の女性は目に入らない」ことが前提であろう。

さて、女性の主観はともかく、どうして、彼女が突然怒り出したかというと、中国語で「もの」は何ていうのと聴くと、99%の人は「東西」だと教えてくれるだろう。
そうと知ったこうちゃんは、中国語で愛を囁けばもっと親近感を持ってくれるに違いないとばかりに、
「オレのもの」 ⇒ 「オレの東西」 ⇒ 「我的東西
となったようだ。
ところが、中国語で「東西」というと物理的に存在する「物体」を意味することが多く、日本語の抽象的に所有権を表すというような用法がない。つまり、下卑な表現になるが
「お前はオレのおもちゃだ」と、あたかもダッチワイフ同然の物言いをしてしまったのだ。
(こうちゃん、失礼、汗;)

物理的に存在する物を厳密に示すならば、中国語でも「物品」とか「物体」とか「物件」などの表現もあるのだが、口語的には殆どの場合「東西」ですます。

逆に日本語の「もの」には、
 ・ものすごくたくさんの用法がある。
 ・目は口ほどにものを言う。
 ・年寄りの言うことは聞くものだ。
 ・ものにとり憑かれる。
 ・もののついでに教えてやる。
 ・どんな抵抗もものともしないで突き進む。
 ・バカなことをしたものだ。
 ・どうしても嫌だっだんだもの
 ・北方領土は日本のもの
 ・おばあちゃんはもの静かな人だった。

以上は、どれも物体であるものを示していないのだから、ここに中国語の「東西」を当てはめるとおかしなことになる。

中国語の「東西」を人に当てはめた用法もあるが、概して悪い用法である。
遼寧省営口市在住さんが紹介してくれた用法二つ
  (1) 那個小子,真他媽不是個東西
     あのクソガキ、本当にどうしようもねぇクズだ!
  (2) 没用的老東西
     役立たずの老いぼれめ!

その他に「壊東西」が「ろくでなし」とか、辞書に出ている。
「東西」が、なぜ物品を意味するようになったのかについては、以前の記事を参照して欲しい。

また、「物」に関して、サンディから、司馬遷の『史記』の中の一節を拝聴した。
    「物有不可忘、或有不可不忘」

これは、1959年の中国版センター試験に出題された文章で、古文として扱っている。つまりこの文章では「物」を「事情」とか「物事」とかの意味で使っているが、現代中国語では「物」一文字で、このような用法はない。

以下、中国版センター試験の紹介

四、用现代汉语把下面的文句翻译出来(本题6分):
   (下の文章を現代の中国語に書換なさい、配点は6点)
物有不可忘,或有不可不忘。
夫人有于公子,公子不可忘也;
公子有于人,愿公子忘之也。

模範解答は
事情有的不应该忘掉,也有的不应该不忘掉。
别人对公子有好处,公子是不应该忘掉的;
公子对别人有好处,希望公子忘掉它。

物事には忘れてはならないことがあるが、また忘れなければならないこともある
誰かが王子に恩恵を与えたなら、それを忘れてはならない
王子が誰かに恩恵を与えたなら、どうか忘れなさい

歴史上の人物の名前

近代の中国人の名前については、中国語読みも時々耳にするのであまり違和感はない。
例えば、毛沢東は「マオザァドン」、胡錦濤は「フゥチンタオ」でも、なんとか理解できる。
だけど、歴史上の人物については、日本語読みが頭に染み付いているので、中国語で言われると、とても同じ人物とは思えないのだ。

歴史上の人物の名前を、無理にカタカナ中国語で書けば、次のようになる。
三国誌の登場人物
 劉備玄徳(リュウベイ)「りゅうび げんとく」じゃないとピンと来ない。
 関羽雲長(グアンユィ) 「かんう うんちょう」
 張飛翼徳(ジャンフェイ) 「ちょうひ よくとく」
 諸葛亮孔明(ジーグァリヤン) 「しょかつりょう こうめい」
 曹操孟徳(ツァオツァオ) 「そうそう もうとく」

日本の戦国時代の代表武将
 織田信長(ジーティエン・シンチャン)クレヨンしんちゃんとと間違えそうだ。
 豊臣秀吉(フェンチェン・シュージ)
 徳川家康(ドゥチュアン・ジャーカン)

分けが分からなくなる。

逆に言えば、中国人だって同じはずだ。
当たり前の話だが、一般の中国人に(しょかつこうめい)とか(しばいちゅうたつ)と言っても、絶対に分からない。

西安観光の一部として、武侯祠という諸葛孔明を祀った廟を訪れた時に、中国人ガイドが
「諸葛孔明(しょかつこうめい)が司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)と戦って、遂に五丈原(ごじょうげん)で病に倒れた」
と、名前を日本語読みで説明してくれた。

すごいな!と思う。

中国人の姓、トップ100

子供の頃、中国人の名前はみんな「陳さん」だと思っていた。
何かの番組の挨拶だったかか、手品の前振りだったか
「わたし中国人の陳さんあるよ」
というセリフが頭に残っている。
でも、実際は「中国人の陳さん」は、1番多いわけではなく、5番目の姓だった。

また逆に「李さん」と言うのは、韓国人、朝鮮人だと思い込んでいた。
中国に来てはじめの頃は、「李さん」の名刺をもらう度に、この人は朝鮮系なんだと思っていた。ところが「李さん」は、朝鮮族どころか、「陳さん」を凌いで、中国で2番目に多い苗字だったのだ。
一番多い姓は「王さん」だけど。

中国では、1文字の姓に、1文字の名前の人が多い。
これらの姓に、女の子なら華、雲、霞、娜、雪、艶、淑、恵、梅、紅、麗など、
男の子なら軍、偉、健、傑、翔、強、東など、名付けに用いられる文字がかなり集中しており同姓同名になる確立が高い。
最近の産経ニュースサイト(SankeiWeb)では「同姓同名多すぎて…中国、誤認逮捕などトラブル増加」と報じている。
この記事によると
 中国では毎年、約2200万人が生まれているが、最近、同姓同名の“重複率”が高まっているという。「張偉」は全国に約29万人、「王偉」は約28万人もいる。(共同)(2007/09/03 10:26)
もし、日本に同姓同名者がこんなにいたら、年金問題の解決は不可能だろう。

2007年4月24日発表の公安部治安管理局による全国戸籍人口統計分析によると、中国で一番多い姓(苗字)は
」さんで、9288万人、総人口の7.25%
2番目は「」さん、9207万人、総人口の7.19%
3番目は「」さん、8750万人、総人口の6.83%
これだけで、2.7億人となり、アメリカの人口に匹敵する。
アメリカ人の名前が、王さん、李さん、張さんの3種類になったら面白いな。

以下、2000万人以上の姓が7個あり、順序は次の通り
劉、陳、楊、黄、趙、呉、周

1000万人から2000万人の姓は12個
除、孫、馬、朱、胡、郭、何、高、林、羅、鄭、梁

これらを含めて、100位までの姓は、次の通り。
china100mingzi.jpg
この100個の姓で、中国全人口の84.77%を占めるそうだ。

と言うことは、これ以外の姓の人が、およそ2億人いることになる。

近年の中国指導者、毛沢東、蒋介石、江沢民、胡錦濤、周恩来、朱鎔基、銭其シン、唐家セン、夏徳仁大連市長は含まれているが、温家宝首相がない。
オレの回りには「于」さんがたくさんいるんだが、トップ100に入っていないのが不思議だ。
9月11日追記:いくつかの誤記を訂正しました。
「于」さんの記述は、だた間違っていただけのことでした。「于」さんは、38位に入っています。

 統計数値出典:人民網(2007年04月25日10:17) ←中国語原文があります。

中国語版女性の常用語

女性が、使う三つの単語についての、ジョークをみつけたので紹介する。
普段良く使う言葉なので、中国語に馴染んでいれば、滲み出てくる面白さが分かるんだけど、日本語訳でも十分意味は伝わると思う。suibiandouxing.jpg


【隨便】(随意である⇒好きにしていいわ)
 男:今晩、なにを食べようか?
 女:【隨便】(好きにしていいわ)
 男:じゃあ、火鍋はどう? 
 女:いやよ、火鍋を食べると顔になんか出来るんだもの。
 男:だったら、川菜はどう?
 女:昨日食べたばっかりでしょう、また今日も・・・・!
 男:それなら、海鮮はどうだい?
 女:海鮮はダメよ、お腹をこわすんだもの。
 男:じゃぁ、キミはなにを食べたいの?
 女:【隨便】(好きにしていいわ)

【都行】(全てOK⇒何でもいいわ)
 男:ねぇ、これから何しようか?
 女:【都行】(何でもいいわ)
 男:映画はどうだい?しばらく見てないよね。
 女:いい映画あるの? それに時間も遅いし。
 男:なら、ボーリングに行こうか、スポーツ、スポーツ。
 女:こんなに暑いのにスポーツなんて、疲れちゃうでしょ。
 男:それじゃぁ、喫茶店でコーヒーでも飲もうか。
 女:コーヒーを飲むと眠れなくなっちゃうの。
 男:じゃあ、いったいキミは何をしたいの?
 女:【都行】(何でもいいわ)

【看イ尓】(あなたを見る⇒あなたに従う⇒任せるわ)
 男:それじゃ、さっさと帰ろうか。
 女:【看イ尓】(任せるわ)
 男:バスに乗ろうよ、送っていくから。
 女:バスは汚いし混むし、止めましょう。
 男:じゃぁ、タクシーにしよう 。
 女:こんなに近いんだもの、考えられない。
 男:それなら、散歩しながら歩こうよ。
 女:お腹が空いているのに、どうして歩くの?
 男:それじゃ、キミはいったいどうしたいんだい?
 女:【看イ尓】(任せるわ)
 男:先に食事に行こうか?
 女:【隨便】(好きにしていいわ)
 男:何を食べる?
 女:【都行】(何でもいいわ)

男にとって、最も厄介な女の三つの常套句。
【隨便】【都行】【看イ尓】

日本にもこういう女っているかな?


出典:Meiさんのメモ帳 ←中国語の原文があります。

ショートメールで麻薬撲滅

6月26日は、「国際麻薬乱用撲滅デー」だったのだそうだ。
「麻薬撲滅」じゃないんだ。
医療用に使用するのは構わないが、乱用はいかんと言うことらしい。

長ったらしい名前だと思って、英文はどんなもんかと調べてみたら
"International Day against Drug Abuse and Illicit Trafficking"
と更に長かった。
直訳すれば「麻薬乱用と密売に抗する国際デー」となる。
ちょいと調べてみたら、1987年に開催された「国連麻薬閣僚会議」の終了日の6月26日を「麻薬乱用と密売に抗する国際デー」とし、各国がこの宣言の趣旨を普及する日と国連が決めたそうだ。

勘違い中国語【毒品】で書いたように、麻薬のことを中国語で「毒品」という。
「国際麻薬乱用撲滅デー」は、単純明瞭に「禁毒日」と表現することを下のメールで知った。
本当は、もっと長い正式名称があるのだろうが、中国では簡略化されてしまうのが普通だ。例えば「オリンピック大会」は、正式には「奥林匹克国際運動会」が正式な名前だが、一般的には「奥運会」と短縮されて新聞報道にも使用されている。
「管理委員会」は、「管委会」という具合だ。

26日朝、オレの携帯にこんなショートメールが届いた。
070626duping.jpg
分かりやすい中国語なので、中国語の「毒品」が日本語の「麻薬」であることが分かれば、全体の意味はすぐ解読出るだろう。

6月26日是国際禁毒日、大連市禁毒委員会和遼寧省大連市通信管理局共同提示您:遠離毒品、珍愛生命!

日本語にするとこうなる
6月26日は国際麻薬乱用撲滅デーです。大連市麻薬撲滅委員会と遼寧省大連市通信管理局は、共同であなたに提案します。麻薬を遠ざけましょう。命を大切に!


でも、どうしてオレのところにこんなメールを送ってくるんだろうか?
麻薬常習者だってバレているのかな? 笑);

中国では、麻薬に関する取り締まりはとても厳しい。
麻薬を50グラム持っていたら死刑判決の可能性もある。大連空港から麻薬を持ち出そうとして捕まり、死刑判決を受けた日本人が実際にいるのだ。(控訴中であり、死刑は執行はされていない)
他人に頼まれたとか、知らなかったとか言っても通らない。
絶対に関わってはいけない。

中国簡体字筆順のルール

中国では、筆順をあまり気にしないのではないかとの議論があったので、調べてみたら、ほぼ日本と同じルールが存在していた。
「新華写字字典」によれば、次のように記載されている。

七つの基本ルール
1、横が先、縦は後。「十」
2、左払いが先、右は後。「人」
3、上から下へ。「三」
4、左から右へ。「仁」
5、周りが先、中は後。「問」
6、周囲を閉じるのは最後。「国」
7、中央が先、両側は後。「小」

七つの補助ルール
1、点が上部あるいは左にある場合は先に書く。「衣」「為」
2、点が右あるいは内部にある場合は後で書く。「犬」「瓦」
3、上から右へあるいは上から左に囲う場合は先に書く。「司」「暦」
4、左下から包む場合は、内部が先で外側は後。「道」
5、左下から右を囲う場合は、内部を先に書き外側は後。「凶」
6、左上から右側を囲う場合は先に書き、内部は後。「同」
7、上と左から下を囲う形は、まず上を書き、次に内部、最後に左と下を書く。「区」

ここまでは、日本と同じだが、どうも納得がいかない字がいくつかある。
まずは、「左」と「右」だ。
下の図は、[漢字筆順字典]から借用したアニメだが。
hidari3j0202.gif
migi310201.gif

日本では、このように「左」は横棒が先で払いを後から書くが、「右」と「有」は払いが先だと教わったはずだ。ある推理小説では、筆順を鑑定して右か左を推理するネタがあったが、この筆順がそれほど徹底されているとも思えない。実際オレは、「左」と「右」で筆順のルールが変わることについて、小学生のときに悩んだ結果、「右」も「左」も一貫して横棒から書いている。
(実は、不勉強で気が付いた時にはそういう癖が付いていただけのことだが)
で、中国はと言うとhidari060921.jpg

migi060921.jpg

「左」も「右」も横棒から書き始める。図を省略するが「有」も同じだ。

ここから先はオレの推測なのだが、元来漢字の元は同じなのだから、日中で違いがあるはずがない。中国では近年になって改革合理化の流れとして、上記の筆順のルールを定めたときに、例外を認めると収拾が付かなくなるからと強引に矯正したのではないだろうか?
「右」の字を払いから先に書くことは、基本ルールの1に反するから、今後は横棒から先に書くべし!

次に面白くない字は「生」だ。
「払い→横棒→土」の順だと思っていたのが、中国基準では、牛を書いてから最後に横棒で止める。
umare060921.jpg

最後の順番は違うだろうと思うのだが!!どうですかねぇ?

中国独特の簡体字で筆順が分かりにくい字がいくつかある。その一つは「長」の字だが、これについては、虎の筆順の記事で解説済だ。

「鳥」「島」の簡体字も筆順が分かりにくい。「鳥」の例を示そう。tori060921.jpg

「島」も同じなのだが、ついつい旧体字の癖で、払いの次に縦棒に進んでしまう。

読めるけどなんかちょっと違うぞ!

世界中にニュースが飛び交っていますが、紀子さまの親王ご出産おめでとうございます。
前の記事で、「虎」の字を良くみると、下部のパーツが、日本の漢字は「儿」だが中国の漢字では、左右がつながっていて「几」の形になっていることを説明した。
大連には「老虎灘」という有名な公園があって、何回も人を連れて行ったのに「虎」の秘密には気が付かないでいた。

こりゃ面白いとばかりに、辞書をめくって他にも似たような違いを探してみたら結構いろいろなパターンがあるんだなぁ。

まったく違う形の「簡体字」は除外して、日本字と同じように読めるんだけどなんかちょっと違うぞと感じる文字を40個並べてみた。
左の青い文字が日本の漢字、右の赤い文字が中国の漢字。
さぁ、間違い探しの始まりだ!左右の違いが分かるかな?

ちなみに、オレが4年間気付かずに日本字を書き続けていたのは「虎」の他に「帯」「舎」「既」「融」くらいかなぁ。
引っ掛けクイズとしては、「帯」が一番気が付かないんじゃないかな? 二番目は「既」 分かる?
nitaji0906.jpg


違いは次の通り:
最初のグループは、似ているけどなんとなく形が違う字だ。
「骨」の上部の中身は左側にくっついて「¬」こんなふうになっている。
「舎」は、縦棒が上に伸びているか下に伸びているかの違い。
「効」は、何気なく見ていると気が付かないかも知れない。
「瓜」は、爪のところがちょっと違うんだよ。「以」でも同じような違いが見られる。
強」の「ム」のところは「ロ」になっている。
「黒」の中身が、顔の中の目のような格好になっている。面白いね。
「低」「融」はご覧の通りちょっと違う。

次の6つは、点とか棒とか余計なものがくっついている字だ。
「器」「臭」は点が付くか付かないかだが、日本では「大」、中国では「犬」。
「圧」にも点が付いてる。
「徳」「苺」「恵」どれも読めるんだけど、なんかちょっと違うんだな。
日本では「草冠+母」で「苺」だけど、中国では「草冠」+「毎」なんだね。
「収」の旁は「又」ではなくて「夂」だ。
「兎」なんかも、言われないと気が付かないだろう。中国では「免」に点を付ければウサギになるわけだ。

次は、1画足りたい漢字。
「決」は「サンズイ」ではなく、「ニスイ」だったりするし。このパターンは他にも沢山ある。
「歩」は点がない。
「変」の下部は「夂」ではなくて「又」なのだ。
「残」も旁が1本足りない。他にも「銭」「浅」などがある。

次のグループは、日本字では止まるところが突き抜けている中国字。
「角」の真ん中の縦棒は「用」のように下まで突き抜ける。
「辺」の内部は「刀」ではなく「力」に変わる。
「化」の旁は「ヒ」ではなく「匕」のように突き抜ける、これは「花」などの部品としても共通の特徴だ。
「別」の下半分も「万」ではなく「力」の様に、左に突き抜ける。これをパーツとした「捌」なども同じだ。

次は、日本字ではつながっているところが中国文字では離れている。
「画」「宮」「汚」はどれも、一箇所が離れている。これは簡単だ。
「冒」の日の部分は、中国文字では微妙に離れている。「帽」も同じだ。
間違い探しとしては「既」が、一番難しかったんじゃないかな。ちょっと分かりにくいが、旁の一部が離れている。「概」も同じだ。
「写」は簡単だ、見てすぐ分かる。
「査」は、「日」と「一」に分かれている。(読者hexueさんの情報により9月8日追加)
「帯」は難しいぞ。オレは、4年間気が付かないで、ずっと日本字を書いていた。

逆に、日本字では離れているところがくっついている漢字。
「具」の「目」の下の方は「且」の様に、くっついている。
「真」「唐」「才」はご覧の通り。

ここから先は、重箱の隅を突っつくような話になってくるが、
「空」の「穴冠」の跳ね方が違う。
「切」の偏の部分の跳ね方が違う。
「没」の「几」の部分の最後が跳ねない。
「偏」の最上部の「一」が中国では「、」になっている。この方式は「戸」「編」「遍」など皆同じだ。

他にも、
「団」の中身は「寸」ではなく「才」である。
「図」は、中身が「冬」に変わっている。
「梅」「海」は「母」のように点々になっているとか、こんな字を眺めていると、日本の字が思い出せなくなってしまいそうだ。

細かいところを突っ込んだら、他にも沢山あるんだろうな。
今日の記事は、正に、役に立たない「雑学」の本領発揮だな!

「虎」の筆順

以前の記事のコメントで中国では筆順(書き順)の教育にあまり力を入れていないんじゃないか?と言う、議論があった。
会社の幹部の筆順を見ていても「あれれ!!」と思うことがしばしばある。例えば「山」の真ん中の縦棒を最後に書くとか、「健」の人偏を最後に付け足すとか。

そんな議論をした後で、ある日、オレの家庭教師が、「虎」と言う字を、考えられないような筆順で書き始めたのだ。

「虎」の筆順

オレが正しいと信じているのはこうだ。
1、まず「上」を書く
2、左側に払いの
「ノ」を付ける
3、
「七」を書いて「虍」こんな格好になる
4、最後に
「儿」を書いて
5、
「虎」の出来上がり。

ところで、よく見ると、中国語の虎は「儿」の左右がつながって「几」になっているのだが、知っていたかな?
中国の漢字と日本の漢字って、明らかに違うものは別として、同じだと思っていたら、微妙に違うものがあるから気をつけないと見落としてしまう。次回の記事ではこんな漢字をいくつか紹介する。

意味合いは異なるが、「売」の「儿」を「几」に変えた字がある。一見すると「売」にしか見えないのだが、、、、。
なんと言う字でしょう。

実は「殻」の偏だけを取り出したもので「殻」の簡体字なのだ。
「貝売」という字面を見て、貝を売る人かと思ったら、実は「貝殻」だったと言うお話。


話が脱線してしまったが、家庭教師の大学生は「虎」を次のように書いた。
torahit.jpg

左がオレの主張右が青年の主張

「上」の縦棒と「七」の縦棒がくっついているから一筆で一気に書くと言うのだ。
確かにゴシック体のフォントでは、くっついているように見えるものがある。
だけど漢字の成り立ちを考えたら、「上」「七」は別のパーツだと容易に想像できるだろうよ。
面白がってまねをして書いてみたが、なんともバランスが悪くて形がとり難い。皆さんも試してごらん。
考慮の「慮」とか、「虚」とか「虞」(おそれ)とかも同じことだ。
ん!? とすると彼女は、これらの字も、「上」「七」がくっついていると思っているのかな?

そんなやり取りの後、ある成語(慣用句)を使って「文章を作りなさい」と指示されたのだが、よく聞き取れないで「えぇ?なに?」なんて言っていたら、文字を書いてくれた。
「造句」と。
この「造」なんだけど、なんとなんと、見ていたら「シンニュウ」から書き始めたのだった。

だめだこりゃ!
ハルビンの娘だから、発音はきれいな標準語なんだけどね。

誤解のないように付記しておくが、中国人がみんなこんな風に書くわけじゃない。むしろ13億の中国人の中で彼女一人だけかも知れない。だけどあまりにもオレの常識枠を超えていたので面白がって記事にしただけのことだ。
友人に聞いたら、中国でも筆順の教育はちゃんと受けているそうだ。
それにしては、、、、、、、、、、、!

【9月12日追記】
回答編:
読者のhexueさんからのご紹介で、「新華写字字典」を購入しました。日本で1480円とのことですが、こちらでは18元(260円)でした。
中国の小学校で教える正しい筆順が載っています。
まず「虎」ですが、hu0060912.jpg

青年の主張は論外ですが、オレの主張も間違っていました。
最初の「上」は、縦棒から書くんですね。

次は、コメントで話題になっていた「長」です。
chang0060912.jpg

遼寧省営口市在住さんのご指摘通り、「ノ」から書き始めるのが正解でした。

面白中国語−2

前回の「面白中国語ー1」に続いて、今日も10個紹介しよう。

「汽車」は「自動車」
これは今更言うまでもない有名な単語だが、中国語の「汽車」(qi4che1)は、自動車を意味する。レールの上を走る日本語で言うところの「汽車」は「火車」(huo3che1)になる。「電車」は日中共に「電車」(dian4che1)だ。

3本の書物
書物、即ち「本」のことは「書」と言う。面白いのは、書物の数量詞は「本」(ben3)であり、1本、2本と数える。日本語の「3冊の本」は「3本書」となる。日本風に直すと、「3本の書物」になる訳だ。 鉛筆じゃないっつーの。じゃぁ鉛筆どう数えるかと言うと「1枝鉛筆」と言う。数量詞については、多彩な数量詞でも触れたことがある。

プレゼントに時計は禁物
中国語で時計のことを【金偏に中】ズォーン(zhong1)と言い、物事の終わり(ある場合には死をイメージ)を示す「終」と同じ発音なので、プレゼントすると忌み嫌われる。ただし【金偏に中】は、壁掛け時計や置時計だけなので、腕時計「手表」(shou3biao3)は関係ない。でも親しい間柄じゃないと腕時計なんか贈らないよね。

「花銭」ってお祝い金じゃないよ
「花銭」(hua1qian2)とか「花時間」って、なんか良いイメージだよね。
日本語で「花明り」とか「花筏」あるいは「花垣」「花霞」「花衣」など、花を使った言葉にはロマンチックなものが多い。
ところが、中国語で「花」を動詞に使うと「消費する」と言う意味になる。だから「花銭」は「お金を使う」と言う意味だし、「花時間」は時間を費やすことになる。「花心血」ではなんと「心血を注ぐ」という強烈な意味になる。
決して、古典的な使い方ではなく、日常的に使っている動詞だ。

電話は打つもの
日本語では、電話はかけるものだが、中国語では「打電話」(da3dian4hua4)と書いて、打つものだ。日本語でも「電報を打つ」と言う言葉があるので案外語源は近いのかも知れない。

オートバイはモーター車
なぜこうなったのか由来は知らないが、オートバイのことは、「モーター車」という。勿論漢字があって「摩托車」(mo2tuo1che1)と書く。「摩托」は、いわゆるモーター、電動機のこと。

車には座る、自転車には跨る
日本語では、自動車でも自転車でも何でも「乗る」と言うが、中国語では、自動車には座る「坐」(zuo4)と言い、自転車には跨る「騎」(qi2)と言う。
「坐」を使う乗り物は、自動車、バス、汽車、電車、飛行機、船など、「騎」を使う乗り物は、自転車、オートバイ、馬、らくだなど。 はて、タイでは像に乗ったのだが、さてどっちだろう?
日本の通勤電車は「座る」ものではなく「立つ」ものだが、エレベータに乗るのも「座」を使うので、電車に立って乗っても「坐」を使うのが正しいようだ。
「乗」(cheng2)と言う動詞もあるのだが、一般には「坐」か「騎」を使う。

パンツは内ズボン
ズボンは【衣編に庫】(ku4)と言う。以下「袴」の字で代用する。通常は「子」を付けて「袴子」(ku4zi)という。これに対して、下着のパンツは、「内袴」(nei4ku4)つまり「内ズボン」という訳だ。日本語では、外来語をそのままカタカナにして「パンツ」と呼んでいるが、カタカナがない中国語では、工夫しているんだ。
広辞苑によれば「パンツ:ズボン風の下ばき」とあり、中国語の意味付けそのものだ。

「野菜」と書くと、山菜になっちゃう
「野菜」は、文字通り「野」の菜なので、食用になる野生植物を意味するので、日本語で言えば「山菜」がピッタリだ。
畑で栽培する普通の「野菜」は、「蔬菜」(shu1cai4)という。

面白中国語−1

日本語と比較したときに、面白いと感じる中国語が沢山ある。今までにも時々紹介してきたが、それらも含めて、再度まとめてみた。
今回は10個紹介する。

「前後」と「左右」
日本語なら、「学校まで歩いていくと15分前後です」とか「小型車なら100万円前後で買える」というが、中国語では、「前後」の部分を「左右」(zuo3you4)に置き換えて言う。「3時左右に電話するよ」あるいは「大連にいる日本人は5000人左右だ」となる。

ナマズは「鮎」、アユは「香魚」

中国漢字で「鮎」(nian2)と書けば、ナマズのことだ。じゃぁ、アユはどう書くかと言うと「香魚」(xiang1yu2)になるのだ、香魚は日本でもアユを指す言葉として使われている。

「相撲」は「シャンプー」
単なる発音の問題だが、「相撲」は、シャンプー(xiang1pu1)と言う。日本語のシャンプーそのものだ。お相撲さんは髪が長いのでシャンプーをたくさん使うのだろう。

「ライブドア」は「ホリエモン」
ライブドアの中国名は「活力門」(huo2li4men2)だが、先入観を持って聞くと「ホリエモン」と聞こえるから面白い。

「走」は歩く、走るの意味はない

中国語で「走」(zou3)と言えば、歩くことを意味し、走るの意味はない。商店で店員が客を送るときに言う言葉で「慢走」(man4zou3)がある。直接的な意味は、「ゆっくり歩け」だが、「お気をつけて!」という感じだ。走るはパオ【足編に包】(pao3)と言う。

「九」は「ジュウ」

物の個数を数えるとき、イー、アル、サン、スーと進んでいくのだが、「九」は「ジュウ」(jiu3)と言うので、ついうっかり「十」と間違えてしまうことがある。

薬は「食べる」、お粥は「飲む」

日本では、薬は飲むと言うが、中国語では「喫薬」(chi1yao4)と書いて、「薬を食べる」と言う。一方お粥は「喝粥」(he1zhou1)と書いて「お粥を飲む」と言う

「入院」ではなく「住院」

病院の中に泊り込みで治療を受けることを日本語では「入院」というが、中国語では「住院」(zhu4yuan4)と言う。病院に入るよりも、病院に住むの方がぴったりのような気がする。

「手紙」はトイレットペーパー
これは有名な単語なので、多くの人が知っているだろう。中国語で「手紙」(shou3zhi3)と書けば、トイレットペーパーのことだ。日本で言うところの手紙はなんと言うかといえば、「信」または「書信」(shu1xin4)になる。

「結束」は終ること。
「地元住民が結束して、地域の子供たちを守らなければならない」のように、日本語の「結束」は「一致団結」の意味だが、中国語で「結束」(jie2shu4)は、終わる、終わらせる、けりをつけるの意味で普通に使われる。「団結」の意味はない。

今日の記事は、ここまでで結束了(ジエシュ−ラ)。
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