2005年8月に
歯の詰め物が取れた事件があった。
あれから丁度2年が経過して、同じところがまた取れた。
あの時は、会社の通訳さんに、歯医者までついて来てもらったが、また、同じ目に合うのかと、一瞬肝を冷やした。
いやいや、今回は違うよ。
日本人の歯医者さんの記事で紹介した澤野先生に見てもらうことにした。
早速、先生の個人携帯(131-4987-9854 )に電話をかけて、土曜日の△△時に予約をお願いした。
恐る恐る出かけてみると、近代的な設備が整ったとてもきれいな医院で、受付で日本語で
「さわのせんせい」と言うと、受付女性が「ウン」とうなずいて、先生を呼んで来てくれた。
早速こちらへどうぞと、治療台に座り口をあんぐり。
先生が言うには、歯の一部が欠けて詰め物の下に、ばい菌が入り込み、虫歯の穴が広がって、ポロっと取れたというのだ。
このままはめ込んでも、隙間があるから、またすぐ取れて、虫歯が広がるだけだ、と。
これを、中国語で言われたら、全然分からなくて、どうでも良いから同じものをもう一度詰めてくれ! と言っていたことだろう。
結局、局所麻酔をかけられ(中国の麻酔は良く効く)、歯の内側をチョイチョイと削られて、型をとって、また来週。
翌週で終わるかと思っていたら、奥歯の一部が欠けているとか、
「悪いところが見つかりました。放っておくと虫歯になり後々大変だから、治療しましょうね」
と言うことになり、まだ続くことになった。
知らなかったんだけど、中国で治療を受けても、
日本の健康保険が利くそうだ。
一旦全額を払うのだけれども、領収証と医者の証明書を添えて、2年以内に日本の社会保険事務所に申請すると、健康保険本人の場合、7割が戻ってくるのだ。
今回は、初日が400元程度、昨日は300元程度だった。あと1,2回続くので、1000元くらいになるだろう。日本円と交換できる金券を集めているみたいで楽しみだ。日本に帰ったら、1万以上もらえそうだ。
それにしても、日本語で治療を受けられることが、どれほど心強いか、改めて実感した。
ちょっと痺れますよ
歯に当たる感じがありますか
麻酔が効いているい間は、感覚がなく口の中を噛み易いので気をつけてください
歯が欠けて小さな穴があります、放っておくと広がって虫歯がひどくなります、この際、一緒に治療しましょうね
歯を軽く噛んでください、今度は強くギシギシと擦ってください
これらの微妙な表現でも、日本語なら理解して、すぐに身体が反応するが、もし中国語で言われたら、理解するのに時間がかかるし、聞きなおしていたら、治療が進まない。
外国で、日本人の先生の治療を受けられるとは、頼もしい限りだ。
澤野先生は、とても優しくて丁寧な治療をしてくれる。
開発区の皆さん、歯の問題があったら、澤野先生に相談してみよう。
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大きなパラソルの下で、二人の男がなんかやっているぞ。

ビールケースをひっくり返した台の上に立って、一人の男がマイク片手に演説をぶっている。
もう一人の男は、なにやら電気製品を観客の方にかざしている。
しばらく様子を見ていたら、分かった。
この二人の男は、街頭競り市をやっていたのだ。
かいつまんで書けばこんな感じだ。
さぁさぁ、今度の商品は電気カミソリだ。
電気カミソリったっていろいろあるが、こいつは品質保証のフィリップスだよ。
フィリップスと言えば、生まれは遠くヨーロッパのオランダだ。
品質管理発祥の地で生まれた産物は、心臓のモーターから刃先の研磨まで一切の妥協無しで検査を受けた優良製品だ。
10元、20元の安物と一緒にされちゃかなわねーや。
ちょいと電源を入れてみるよ。
(マイクを近づけて)「ブ~~ン」
さすがぁフィリップスだぁね、良い音させてらぁ。
ここから電気を取り入れる充電式だから、電池の心配は要らねぇよ。
中国がWTO加盟して5年目の特別セールのフィリップスだぁ。
さぁ、こいつは安くないよ、30元から行ってみようか!
30元、30元、さぁ、いないか。
「32元」
おっと、32元だってさ、しみったれた客だねぇ!
こんなもんじゃ決めるわけにはいかねぇよ。 さぁ他にいないか!
「35元」
35元と来たよ、このフィリップスに35元じゃ、失礼ってもんだ、
デパートではもともと220元で売っていた商品だ、さぁ、いらっしゃい。
「40元」
40元の声がかかったよ。フィリップスでひげを剃れば、剃り残し無し。
その日は、一日爽快、仕事もはかどるってもんだ。
「50元」
物の価値が分かる人がいるねぇ、さぁ、50、50いないか。
「65元」
おっと、65元ときたよ、65、65、65、さぁいないか。
買うなら、今のうちだぜぇ、家に帰ってから泣いて後悔したって遅いんだよ。
65、65、65。
いなきゃぁ、決めちゃうよ、ヨッシャー、決定65元。バーン。
このフィリップスが65元で手に入るたぁ、幸せもんだぁ。
お客さんやったね。書いたセリフは、オレが勝手に作ったでたらめだが、こんな感じで、マイク男の軽妙な話術に誘われて値段が決まり、横のおばさんが集金をする。
今日の客は見る目がないねぇ、そういう奴らにゃ売ってやるわけにはいかねぇや、さっさとしまって、次の商品にいってみようかぁ。てな具合に、最初の指値に誰も応答せず、商売が成り立たない場面もあった。
日本の「バナナの叩き売り」では、どんどん値下がりして、最後に
「もってけ! 泥棒!!」となるが、ここではパターンが逆だね。
年間を通しての大連独自の大きなイベントとしては、5月のアカシア祭り、7月のビール祭り、9月のファッション祭りがある。
さて、タイトルを良く見ていただきたい。
『大連ビール祭り』ではなく、『中国国際ビール祭り』なのだ。
このイベントは、China International Beer Festivalと題して、2001年までは、北京で開催されていたものを、2002年から大連に移したのだ。だから、大連ビール祭りではなく、中国ビール祭りなのだ。
大連に移ってきた2002年から5年間大連に住んでいるオレだが、まだビール祭りに行ったことがない。今年こそ、是非とも行かなくちゃと言うことで、28日に行ってきた。
今年は、7月26日から8月6日まで星海広場で開催される。
入り口が10箇所くらいあり、10元の入場券を買って会場に入ると、巨大なビール瓶が迎えてくれる。

中には、各ビール会社のテントが並んでいる。

上から、アサヒビール、ハルビンビール、珠江ビールのテントだが、このほかにもドイツやらイギリスやらアメリカやら沢山ある。
中は、大きなビヤガーデンになっていて、つまみを食べながらそれぞれのビールを楽しむことが出来る。

夜になると、各施設がライトアップされて、華やかさが増し、人も増えてくる。

新聞報道によれば、一晩の人出は30万人だとか。
感想を一言で言うと、とにかく騒音でうるさい!
隣の人と話をするにも、耳に近づいて大声を出さないと聞こえないほど、音楽の音量が大きい。にぎやかさを演出しているつもりなのだろうが、あれ程大きくしなくても良いだろうと思う。
ビールと食べものを少し紹介しよう。
これは、緑色のビール。
ドイツのメーカーだが、クロムバッカーと読むのだろうか?緑色のビールなんて気味が悪いが、味は普通のビールだった。

取っ手のところに付いているカードを見て欲しい。
縮小しすぎたのではっきり見えないが「押金20元」と書いてある。
つまり、このジョッキの保証金として20元を預かっていますと言う証拠だ。
人を信用していない中国なればこそ、何でも保証金を取る。

こちらは、アサヒビールの3リットルの樽型のピッチャーだが、中身のビールが100元なのに対して、樽の保証金として200元を取られた。
200元の保証金を放棄する代わりに、この樽を持って帰りたいと言ったら、ダメだと言われた。それじゃ、保証金の意味が無いじゃないか。

こんな風に、色々なビールの味を比較するのも面白い。
国際ビール祭りと言うが、食べ物に関しては、とても国際とは言いがたい。
こんな看板があった。

「昆虫宴」として、色々な名前が書かれているが、どんなものか全部は分からない。
並んでいたパンの写真を示そう。

まあ、どれもこれもゲテモノの類と言って良いだろう。
一番下のムカデを買ってみた。1本20元もしたので決して安くはない。カリカリに揚げているので、特有の味はなく、川エビの唐揚といった感じかな。
最後に、この干物にされた動物はなんでしょうか?

干物といえば、魚介類が一般的だが、これは4つ足の動物だ。
大きさは猫くらいなのだが、猫ではない。
朝鮮族は、犬を食うので犬かなと思ったが、犬でもない。
SARSの原因とされたハクビシンとかいたちの仲間か?
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実は、兎だった。
タイトルの数字は、日本円から人民元に両替する(円売り元買い)昨日のレートだ。
つまり、1万円札を差し出しても、603.3元しかもらえない。別の表現をすれば、1元が16.57円ということだ。
今、日本円は、人民元に対して歴史的な安値をつけている。

このグラフは、2004年7月から2007年6月までの3年間の円/元のレートだが、2004年年末から2005年にかけては円高で、1元が12.3円だったのが、今や16.5円に迫ろうという勢いで円安になっている。
タクシーの初乗り運賃は、8元で変わらないのだが、2004年末には100円で乗れたのが、今では132円に値上げされたと同じことだ。
直近3ヶ月の動きはこうだ。

円安が収まりかけているようみも見えるが、なんともいえない。
人民元の本当の価値はもっと高いはずだから是正するように求める動きが、世界から、特に米国からあるので、長期的に見れば、今後はもっと円安に振れるのだろう。
これらのグラフは、中間値と言って、基準になるレートだが、日本円を売って元を買う場合には、銀行や両替商の手数料が加算されるので、更に料率が悪くなり、タイトルに上げた数字のように、16.6円/元となるのだ。
日本で普通に生活してる分には、為替レートの変動なんて、あまり感じることが無いだろう。
しかし、外国にいると、その影響を感じる機会がある。
大連の日本人の中にも、日本円の収入に頼って生活している人たちがいる。
代表的なのは、留学生だろう。
日本でバイトして貯めたお金で留学してきた人、親からの仕送りで生活している留学生、また、定年後退職金や年金で留学している人たち。駐在員の中にも少数派だが、給料の全額を日本円で支給されている人もいる。
日本円では中国で生活できないので、これらの人たちは、両替をしなければならない。出来るだけ円高のときに両替しようと狙っているはずだが、このところの円安は留まるところを知らず、もうすぐ、1万円を出しても600元に満たないことも予想される。2年半前は、800元近く手に出来たのだから、大変な違いである。
オレの調査によれば、多くの駐在員は、メインの給料は日本の銀行口座に振り込まれ、当面必要な生活費分を現地で人民元あるいは外貨で支給されている。もっとも一般的なのは、米ドルで支給されている会社だろう。
昨年、ドル/元のレートが、緩やかな変動相場制に移行して数パーセントの変動があったが、まぁまぁ小さな範囲に収まっている。
それに対して、日本円/元のレートは、大きく変動する。
日本円で給料をもらい、人民元で生活して人にとっては、この円安のトレンドは辛い。
勘違い中国語シリーズ057【美人局】
短期出張者、旅行者の男供に警告!!
ここでは、下ネタは、書かないことにしているのだが、あまりに無知な噂が聞こえてくるので、ちょっとだけ怖い仕掛けを説明しようとおもう。
世界経済は、鉄は国家なりと謳われた「重厚長大」の時代から、「軽薄短小」の時代へと移り、今や実態が不明確な「IT産業」の時代を迎えている。
「IT」って何? 意外と即答できない人が多いと思う。
Information Technology つまり、「情報技術」である。
つまり、21世紀は、情報を金に換えようとする連中がのし上がっていく時代なのだ。
今日の記事は、言いえて妙だが、ITの一つの形かもしれない。情報を金に換えるという意味では。
大連に遊びに(いや、仕事を終えた後のことで)来た男供は、殆ど例外なく、カラオケ店に行きたがる。
無理もない。
四十、五十の声を聞いて、日本じゃ若い子は誰も相手にしてくれない。
会社帰りに、
「今日は課長がご馳走するぞ」と言っても、
「どうせ『村さ来』か『養老乃瀧』、『白木屋』でしょう。オヤジ連中で勝手に行けば!」
なんて、全く相手にされないし、若い子が相手にしてくれそうな店は、「万」の金がかかるので、月々の小遣いじゃとても通えない。
そんなオヤジ連中が、鼻の下を伸ばして、デレデレするところが大連のカラオケ・クラブだ。
200元、300元程度の費用で、20歳そこそこの若い娘にちやほやされて、昔を思い出してフォークソングなんかを歌ってみたら、
「あら~、とても上手なのね、私にも教えて」
なんておだてられて、ひょっとしたら、実は、俺はモテるんじゃないかと、大いなる勘違いをしてしまう。
握手くらいしてニコニコ帰るのなら、国際親善にも役立って大いに結構なのだが、更に勘違いして、
「ベッドの中で教えてあげるから、一緒に帰ろうよ!」
と燃え上がってしまうと、問題なのだよ。
更には居丈高になって、
「わしは、日本でも有名な△△会社の部長だぞ!」と名刺をばら撒き、
「今夜は、わしと付き合え!!」
どうせここは外国だ。旅の恥は掻き捨てとばかりに、やりたい放題を尽くそうとする。日中の経済格差のおかげで、ちょっとばかり小銭持ちの気分になったオヤジがばら撒く金に逆らえない子が少なからずいるのも確かだ。
だけど、ちょっと待て!そこのスケベオヤジ!!
遣隋使、遣唐使の時代とは違うんだよ。
成田、関空、名古屋からは、毎日飛行機が飛んでいるし、仙台、富山、広島、福岡からも週何便かの飛行機が飛んでいる。日本人なら、ノービザで来れるんだし、毎日数百人の人が、日本と大連を行き来しているんだ。ここは外国だから、やりたい放題でも、誰にも知られない、と言う考えは間違っていることに気付かなくちゃ。
ボーダーレスの流れに乗り遅れちゃいけないよ!
ここで突然解説モードに入って、「美人局」について説明しよう。
「美人局」と書いて「つつもたせ」と読む。
夫婦あるいは交友のある男女が組んで、女が色香を振りまいて男を誘う。男がふらふらとついて行き、密室でことに及ぼうと言うとき(場合によってはことに及んじゃうこともあるのだが)、突然亭主が乱入してくる。
「兄さん、その女ァ、俺の女房なんだ、傷物にしてくれていったいどういう了見だぁ!」と凄む。
密室で、パンツも脱いでしまって素っ裸の男は反撃も出来ず、おろおろするばかり。有り金を全部剥がれて、放り出される。
ってのが、美人局の典型的な犯罪パターンだ。
「美人局」を日中辞典で引くと中国語では「美人計」となっている。
「美人計」は、中国兵法の一つとして、兵法第三十一計にあげられている戦略で、上述のようなちんけな犯罪とはレベルが違うと思うのだがなぁ。
第三十一計 美人計「美人の計(びじんのけい)」
呉越同舟の言葉で有名な、呉と越の国。 呉王「夫差」に敗れた越王「句践」は、呉王に打ち勝つ為、美人を探し出し呉王に贈った。
呉王が彼女に溺れている間に国力を整え、油断させて、やがて越は呉を滅ぼしてしまった。
と言う逸話から来ている兵法の一つである。
三国志では、董卓と呂布が貂蝉という一人の美人を巡って、王允の策略にのせられ、呂布が義父の契りを結んだ董卓を殺してしまうのである。もっとも呂布が義父を殺すのは2回目なのだが。
ま、美人には、くれぐれもご注意を、と言うことで、話を戻そう。
大連出張で遊び呆けた△△社の部長さんが帰国してからしばらくすると、突然見知らぬ男から電話があった、
「◇◇産業の、鈴木と申しますが、初めての電話で失礼します」
「鈴木さん? いったいどんな御用ですか?」
「実は、先週のことなんですが」
「先週は、海外出張だったので日本にいなかったよ」
「そうなんです、出張先の大連でのことでちょっと相談がございまして」
「んんっ!? だ、だ、大連で何か?」
「部長さんに可愛がって頂いた、らんらんちゃんのことで」
「らんらんって何のことだ!」
「らんらんちゃんと、いい事したんだろうが、おい!」
「知らん、知らんそんなことは」
「おい、下手に出ているうちに、話を着けた方がおりこうさんってもんだぜ、こっちには写真があるんだ」
「な、何のことだ、おまえは、誰だ」
「だから◇◇産業の、鈴木だって言ってるだろうが、1本でいいよ」
「い、い、1本って、10万か?」
「△△社の大部長さんが、しけたこと言ってんじゃねぇよ、ずばり100万!」
「そ、そんな無理だ」
「そうかい? らんらんちゃんには、威勢のいいこと言ってたじゃないか、今度来たら、車買ってやるとか、えぇ!」
「ひゃ、百万でいいのか、ネガも返してくれるんだろうな!」
デジカメ時代のいまどき、ネガを返せなんて、意味も無いたわけた理屈が精一杯の反撃だったのだが、、、、、、。
先方もプロだから、こんなヒラ部長に1000万円を持ちかけても無理なことは承知の上で、頑張ればなんとかなりそうな100万円で手を打とうと。
まぁ、こういうのを名付けて「国際美人局」と呼ぶことにしよう。
これが、新しいビジネスとして、成長しようとしているんだ。
インターネットが整備されているから、濡れ場の写真だって、瞬時に送れるし、あのときの声だって録音されているかもしれないよ。情報が金に変る魔法の仕掛けと言うわけだ。
この新ビジネスを繁盛させるも失墜させるもあなた方次第だよ。
月、木の定期更新とは別に、日本人が勘違いしやすい中国語を、不定期に紹介している。
今年は、日中国交正常化35周年で、日中文化・スポーツ交流年とされている。
5月下旬には、大連ジャパンウィークと題して、いろいろなイベントが行われた。
例えば、日本の県知事を招いて日中地方都市サミット、生け花体験、茶道体験、東京マンドリンコンサート、日中のど自慢大会、その他展示会や各種交流会が実施された。
そんな活動の一つとして、大連市政府外事弁公室、大連市政府体育局主催の中日友好テニス大会が5月25日(土)に開催された。

会場入口には、「2007中国大連”日本週”中日友好テニス大会」と書かれた、赤いアーチが架けられ、雰囲気を盛り上げる。
会場に入ってみると

アドバルーンは上がっているは、

でかいポスターはあるは、で、大騒ぎだ。

ご覧の通り、テニスコートの周囲にも、紅い垂れ幕が張られている。
ホント、中国人は、こういうのが好きだねぇ。
幸い天候にも恵まれ、華やかな雰囲気の中、大会は大成功の様相で表彰式を終え、目出度く幕を閉じた。
のだが、、、、、
この大会、最初の企画では、日本の数ヶ所の都市(富山、神奈川、北九州他)から、代表選手団を集めて、大連の日本人チームと中国人チームを加えて、都市対抗戦の形にするはずだった。
聞いた瞬間に、オレは
「こりゃダメだ!」と思ったよ。
休暇をとって、自費で大連まで来る選手が何人いるだろうか?チームを作るほどの人数が集まるはずがないと。
案の定、選手が集まらない。
大会直前になって、オレが所属しているテニスクラブの会長に、出来るだけ多くの日本人選手を集めてくれって、泣きが入った。
集めてくれといわれても、
集合時間も決まっていない、
種目(ダブルス/シングルス/混合)も決まっていない、
試合形式(トーナメント/リーグ、チーム/個人)も決まっていない、
クラス分け(初級/上級、年齢別)も決まっていない、
参加費用(有料/無料)も分からないこれで、参加者を集めろといわれても、普通の人なら引いちゃうよね。
でも、主催者側としては、ジャパンウィークの公式行事の一つとして発表してしまったので、引くに引けない、なんとしても実施してカッコつけなくちゃ面子が潰れてしまうというわけだ。
中国人選手は、当局がその気になれば幾らでも集められるが、日本人選手は思い通りにならないので、うちのクラブで何とかしてくれというのだ。人数さえ集まれば、1日分の試合組合せを適当に決めて、活動実績を残すことが出来る。
このような日中テニスの催し物は、昨年から3度目だが、主催者は毎回違うがいつも必ず同じような格好になっている。
計画性がないというか、慎重さに欠けるというか、とにかく大会要綱を先に発表してから、直前になって辻褄合わせに翻弄する。
大連に住む日本人でテニスの大会に出ようなんてレベルの人は限られているのだから、大会企画を計画した段階でちょっと調べれば、参加人数の目安などわかるはずだ。
泣きつかれたので会長と相談して日本人参加者を22名集めた。
市内グループと連絡を取り合って、他に10名程度の参加者がいる。
参加者名簿を提出すると、月曜日に突然
「本日の4時から、組合せ抽選会をやるから出席せよ」なんて連絡があったが、平日に急に言われて行けるはずがないだろう。全く、他人の都合を考えない、ジコチュウだ。
結局主催者側で、時間配分を考えつつ、年齢分けや予選リーグと決勝トーナメントを組み合わせた方式に決めた。
ドタバタだ。
これが、中国のお役所の仕事なのだから、恐れ入谷の鬼子母神!
路上の物売りを見ていると、中国人は根気強いと思うことがある。
いつ売れるか分からないものを道端に並べて、日がな「ボォー」っとしている。
客が来ても来なくてもあまり気にしないで、かなり長い時間「ボォー」っとしているのだ。
写真のおばちゃんたちもその口だ。

左側の前二輪式三輪車は、胡桃やひまわりの種など、ナッツ類を並べている。
右側のおばさんは、苺とさくらんぼを自転車の籠に入れている。
売る気があるんだか、ないんだか?
目の前を通行人が通り過ぎるが、声をかける人は殆どいない。
「今日は良い天気だねぇ!」「そうだねぇ、子どもは学校にいったかい?」「なにゆってんだべか、今日は休みだよぉ。」「おやおや、そうだったかね。オラにゃ、曜日は関係ないからねぇ!」なんて話をしていたのかどうかは知らないが、その間に、ナッツを眺めていた左のおばあさんは、買わないでどっかに行っちゃったよ。
なんか、のんびりと時が流れている感じがするよ。
鳥インフルエンザは、中国語では
「禽流感」という。
中国では、この3月末までに24人の患者が発生し、15人が死亡している。
なんとなく耳慣れしてきた鳥インフルエンザだが、なんか良く分からないという人が殆どではないだろうか?
実は、恐れらているのは「鳥インフルエンザ」そのものではなく、ヒトからヒトへと感染する形に変異した新型ウイルスによる「パンデミック」と言われる、世界的な感染爆発の発生だ。
【感染爆発】「パンデミック」(pandemic)世界的な流行病に対する医学用語。
科学的に照明されているインフルエンザによるパンデミックは、過去3回記録されている。(19世紀以前は、医学未発達で証明できない)
(1918-1919年)スペインインフルエンザ(原因ウイルスはA/H1N1亜型)
医学の未発達も影響して、患者数は膨大で世界人口の25-30%(6億人)、死亡者数は全世界で4,000~5,000万人。日本の内務省統計では、大正7~9年、日本で約2300万人の患者と約38万人の死亡者が出たと報告されている。
(1957-1958年)アジアインフルエンザ(A/H2N2亜型)
世界での死亡数は200万人以上と推定されている。
(1968-1969年)香港インフルエンザ(A/H3N2亜型)
世界での死亡数は約100万人だった。
2003年のSARSはパンデミックとは認識されていないが、鳥インフルが人から人への感染に変異したら、SARSを超える騒ぎになるかもしれない。
【インフルエンザのABC】ABCといっても、インフルエンザの基本を意味しているわけではない。インフルエンザは原因となっているウイルスの抗原性の違いから、A型、B型、C型に分類される。A型インフルエンザウイルスは元来鳥類を中心に保有されていたウイルスで,少しずつその遺伝子を変化させ,現在流行している香港型やソ連型に変異してきた。
歴史的にA型が大きな流行を起しているが、B型もヒトに感染し流行を起こす。C型もヒトに感染するが、大きな流行は起こさないとされている。
人畜共通に感染するのはA型で、鳥インフルもA型だ。
【H5N1】A型はさらに、ウイルスの表面に棘状に突出している、赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という、2つの糖蛋白の抗原性の違いにより亜型に分類される。2005年11月末でHAがH1~H16の16種類、NAがN1~N9の9種類が報告されており、組み合わせは全部で144種類にもなる。
日本で毎年冬になると流行する通常のインフルエンザは、A型インフルエンザであるH1N1型、H3N2型とB型である。
亜型の種類によって、毒性や病原性に差があり、今、特に警戒されているのは、H5N1型だ。
【変異性】厄介なことに、HAとNAは毎年少しずつ棘の形を変えて、連続抗原変異を起こすので、昨年インフルエンザに罹ったとしても、今年のウイルスには免疫がないことも起こる。
【高病原性と低病原性】鳥インフルは、「高病原性」と「低病原性」に分けられる。低病原性の場合は、抜け羽、卵数低下など軽い症状で、感染に気が付かない場合も多い。一方、高病原性は、全ての鳥に広まり48時間以内にほぼ全てが死んでしまう。
高病原性を引き起こすウイルスの型は、
H5とH7のみであるとされている。ただし、H5とH7の全てが高病原性ではなくその中の一部であるが、最初は低病原性でも、数ヶ月で高病原性に変異するので、特に警戒が必要だ。
【今、世界は危険なのか?】上に書いた過去3回の世界的な感染爆発は、2年以内に収まっているが、現在の高病原性鳥インフルは、2003年に東南アジアで発見されてから3年以上経過し、史上最長で危険な状況である。
H5N1型ウイルスは、特に強いウイルスで、抑制するには数年かかり、ヒトへの感染も懸念されている。通常の季節的なインフルエンザと違い、肺炎を引起し、多臓器不全を発症して、感染者の約半数が死亡する凶暴なやつだ。
ヒトからヒトへ感染し易い形に変異したら、パンデミックを引起しかねない状況である。

WHOは、パンデミックに対する警戒段階6段階のうち、2006年12月時点で、世界は3段階だとしている。言いかえると、「新ウイルスにより感染して症状があるヒトの患者がいるが、ヒトからヒトへの感染はみられていない」と。
パンデミックを防ぐようなワクチンは完成していないし、パンデミックが発生してから製造しても間に合わない。
怖いのは、鳥インフル自体ではなく、変異した新型ウイルスだ。
【予防手段】・生死に関わらず、鳥や鳥の糞との接触を避ける。特に病死した鳥は危険。
・鶏肉は、ピンクの部分がなくなるまで、良く加熱(70℃以上)してから食べる。
・玉子は、黄身まで固まるように加熱(70℃以上)する。
・他の食物と生肉、玉子との接触を避ける。
・冷凍してもウイルスの活性は失わないので、冷凍食品も生肉に準じて扱う。
・調理の前後の手洗いを励行する
・調理器具等を良く洗う
・外出から帰ったら、手洗い、うがいを励行する。
・生水を飲まない。
【パンデミックはいつ起こるのか?】こいつは、誰にも分からない。
参考サイト:
国立感染症研究所 高病原性鳥インフルエンザ国立感染症研究所 インフルエンザパンデミック外務省広域情報 鳥インフルエンザ流行地域の拡大(その21)外務省 海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A東京都健康安全研究センター 日本におけるスペインかぜの精密分析
大連開発区の北側に、大黒山という山がある。
海抜600メートル強で、大連では一番高い山だ。
ふと見ると、右の峰に雲がかかっている、珍しいな!

と思ったら、実は山火事の煙だった。

昨晩から燃えていたそうだ。
険しい峰の上だし、何もない場所なので、消火活動などしているのかどうか?
でも、火元はなんだろう?
追記:
午後には、鎮火していました。
中国では、都市部と農村部の格差が、日本人には想像も出来ないほど大きく、農村部では、満足な初等教育を受けられない子どもが信じられないほど沢山いる。
農村の貧しい農家を訪れたことがある。テレビは無くカセット部分が壊れたラジカセが唯一の娯楽のようだ。狭い板の間に布団が敷いてあり、ここが寝室なのだろう。父親は視力を失い仕事が出来ず、小柄な母親が農業で家計を支えているのだが、食を確保するのが精一杯で現金収入など殆ど無い。
その日は小学校の運動会だったが、2年生の女の子は、家の農作業を手伝わなければならず、運動会に参加できなかった。
小学生の1年間の自己負担学習費用が400元だと聞いた。それが払えずに就学を諦めざるを得ない子どもが沢山いるとも聞いた。400元って、オレ達が2、3人で連れ立って食事をすれば1食で使うかもしれないし、カラオケクラブに行けば1晩で使ってしまうかもしれない程度の金額だ。
オレは、今後も日中友好を期待するし、更に推進して欲しいとも思うが、一個人では大したことは出来ない。そこで考えたことは、個人で出来ることは個人に影響を与えることだと。
大人は考えが固まっているから、今更何を言ってもダメだろう。
それなら子どもだ、教育だ。一人の日本人が、中国の子どもの教育に関心を持って、正に、あんたのためにお金を出してくれたと聞いたら、その子どもは、多少なりとも日本人に、いや日本に関心を持ってくれることだろう。その結果、将来日中友好の働きをしてくれるかもしれないし、更には、日本のみならず世界に目を向けるきっかけになるかもしれない。
訳が分からないながらも、先生から
「あなたの学費は、一人の日本人が出してくれたんだよ」
と言われたら、国際感覚の教育になるだろうと。
そんな風に思ってから、大連市の地方三市の一つ「庄河市」の更に田舎の、ある「鎮」の小学校に毎月寄付を続けて来た。僅かな金額だけどもう2年になる。延べ120人以上の小学生に援助をした計算になる。
そんなことで、今回、庄河市教育局から「名誉校長」の栄誉を頂いた。

「聘書」とは、任命書とか辞令のことだ。なお名前と鎮は書き換えたので悪しからず。
大連には、企業の大きな資金を動かして希望小学校を建築し、名誉校長の栄誉を受けた人が何人もいる。オレにもっと力があれば、会社を動かし、政府を動かし、もっと大きな教育基金を使うことが出来たのだろうが、逆に個人で出来ることは何かと考えた結果がこれだ。
金額的には「名誉校長」の基準に満たないそうだが、純粋に個人が2年間毎月継続していることが評価されたそうだ。金額は少ないけれども、個人が個人の金で続けてきた教育基金に意味があると思っている。
今では、国の制度が変わって、農村部の小学生の自己負担は免除されているが、オレが大連にいる限り、続けていくつもりだ。
これからは、オレのことを「校長」って呼んでくれ!
ハハハ!
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