大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

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毛布のドア

大連の冬は寒い。
とは言っても、黒龍江省とや吉林省比べればかなりマシだという話だが。

さて、寒い大連なればこそという物を紹介しよう。
maodoa061126.jpg

ここは、開発区銀座の中心街、新マートがあるビルの入り口だが、出入り口に黒っぽいカーテンがあるのが見えるだろうか?
外の冷気を遮断する毛布のドアだ。毛布というのは正確な表現ではない。テント生地で作った綿入れみたいな、重くてごわごわしたくぐり戸だ。
高級なホテルやしゃれたレストランでは使われないが、地元市民が多く行く庶民的な市場や商店で使っているところが多い。少々風が吹いても揺れることも無く、一般のドアよりも開閉が早く、開くスペースも最小の空間で済むので保温性は抜群で、布地だから危険性も少ない優れものだが、二つほど難点を言えば、
1、あまりにも味気ないデザイン。
デザインなどという言葉は適応しないな。ただ、たまたまそこにある生地を使ってみたという感じ。タータンチェックや花柄にしろとまでは言わないが、もうちょっと明るい色にはならないのだろうか?
2、重い。
このくぐり戸を通るのが、結構重いんだ。ついつい、どっこいしょって感じになる。

ホテルなんかでは、ドアからの風を防ぐために、日本では安全性で問題になった回転ドアが多用されている。

読者のコメントから抜粋
遼寧省営口市在住さん
これ、中国語では
nuanlian2.jpg
と言います。
辞書には「日本の暖簾(のれん)の源流と言われるが、日本とは異なり大きく厚くできている」と書いてあります。日本の「のれん」はどうやら本来の機能を失って、目隠しや装飾に変化したようですが、「暖簾」という字から見ると本来は保温用のものだったことが判ります。

でも中国東北で見かけるのは、確かに厚ぼったく、色も黒やオリーブグリーン(国防色)の味気無いものばかりですね。
中には上の方に透明ビニール製の窓が付いているのもあります。
最近は室内が暗くなるのを嫌がるせいか、入り口の中間に1m程の保温スペースが取れる建物では、透明ビニール製のカーテンを外側と内側に二重にしているところもあります。
この保温スペース方式は、日本でも北海道のビルやスーパーの入り口などでは大抵そういう構造になっています。もっとも透明ビニールのカーテンなんかじゃなく、がっちりした強化ガラスのドアですが。
それから、北海道の民家では通称「玄関フード」と言う、玄関ドアの外側にさらに温室風の強化ガラス製の保温・防雪スペースを付けている家がよく見られます。

この「暖帘」、もちろん中国でも北国に限られ、北京でも見たことがありますが、南限がどの辺なのかはよく判りません。上海あたりじゃ多分無いでしょうね。



ついでに、二つ。
ドアの前で電話をしている女性がいる。携帯電話の普及は日本に負けていないよ。
更に、左側の女性が持っている串は、大連方言では「リゴ」と言う飴菓子だ。普通語では「糖葫芦(タンフールー)」と言い、サンザシの実を突き刺して、表面をべっこう飴で包む。
こんな風に、大連では日本よりも食べ歩きが多いような気がする。
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味噌汁にスプーン

前回(23日)は、七面倒臭いことを題材にしたので、コメントを書き難かったのか、反応がなかったので、今日は軽いネタで行こう。
味噌汁にスプーン!

そりゃ無いだろう、って。

当社の工員を日本の工場に実習に連れて行ったときのことだ。

昼食は、日本人工員と一緒に工場食を食べることになっている。
まずお盆を持って、調理口に並ぶ。
普通は、ご飯を取って、味噌汁を取って、好みのおかずを取って、逐次カード清算をして任意の席に着くシステムになっている。好みによって、うどん、そばラーメンなどの麺類や、カレーライスも選べる。

引率した初日のこと。
「総経理、どうしたらいいのか分かりません」
「取り敢えず、まず、ご飯と味噌汁を取れ」

と言うことで、ご飯と味噌汁を取らせた。

ふと見ると、全員が味噌汁を取るついでに、カレー用のスプーンも取っている。
「ちょっと待て、そのスプーンは何だ?」

「ええ、スープを飲むから」

「スープって、味噌汁だろ!味噌汁は、お椀から直接飲むんだ、スプーンを返せ!」


と言うやり取りがあって、スプーンは戻したのだが、お椀の味噌汁をスプーンですくって飲むなんて到底想像も出来なかったから事前の注意もしなかった。
中国では、スープはスプーンで飲むものだ。こぼれるのを気にする場合は、口をテーブルの上の椀に近づける、いわゆる「犬食い」の姿勢になり、日本人的には大変見苦しい。

その反面、中国人から見ると、中国料理店で小椀を手に持って直接食器からスープを飲んでいる日本人の姿(オレだけかな)を見苦しいと感じているのかも知れない。

食文化って、細かいところで気になるよな。

【娘】

勘違い中国語シリーズ017【娘】

「娘」と言う字が、お母さんを意味することは、結構知られているが、熟語では若い娘さんからおばあちゃんまで幅広く女性を指す。

「大娘」はおばさん、「老娘」はおばあさん。

一方「姑娘」となれば若い娘さんだし、「新娘」となれば花嫁を意味する。
結婚式の挨拶では、「新郎新婦」の意味で「新郎新娘」という言葉が、飛び交うのだ。

日本語の「むすめ」つまり親子関係の女の子の意味は無い。
月、木の定期更新とは別に、日本人が勘違いしやすい中国語を、不定期に紹介している。

【老公】と【老婆】

勘違い中国語シリーズ016【老公】と【老婆】

「老公」「老婆」と呼び合う二人がいる。
水戸のご老公と百姓婆あの罵りあいではない。

「老公」〔ラオゴォン〕は、妻が「あなたぁ」と呼びかける甘いささやき。
「老婆」〔ラオポォ〕は、夫が優しく「なんだい、おまえ」と応える。

「老公」「老婆」「老公」「老婆」「老公」「老婆」、、、、、、、。
「ダーリン」「ハニー」「ダァリン」「ハニィ」「ダァリン」「ハニィ」

実は、むつまじい新婚さんの愛のささやきなのだった。

「老公」は、一般に「夫」を指すくだけた表現で会話の中では良く使う。
結婚前でも「本命の彼」のことを「老公」と呼ぶことも普通だ。
一方「老婆」は、「妻」の事を指すくだけた表現だ。おばあさんのことではない。
他人に対しては「今日は家のヤツの誕生日だから先に失礼するよ」見たいな感じで、「老婆」を使う。


月、木の定期更新とは別に、日本人が勘違いしやすい中国語を、不定期に紹介している。

暖房費に見る社会主義的公平と不公平

大連の冬は寒い。今朝もマイナス2℃だったし、これからもっと寒くなる。
寒さ対策として寒い地方ほどポカポカ生活で紹介したように、暖気というスチーム暖房のような暖房器が各部屋に取り付けられており、熱力会社から温水を24時間供給されるので、夜でも朝でもポカポカ生活と言うわけだ。温水供給の料金は、部屋の面積に応じて支払うことになっている。

さて、この暖房費に対する補助手当てについては、昨年までは、各会社ごとに対応が異なっていた。ある会社では、熱力会社の領収書を提出すれば全額支給してくれたり、半額支給だったり、領収書に関係なく定額だったりしていたのだと思う。(よく分かりません)

中国の東北地方の冬には暖房費が不可欠であり、企業毎に対応が異なるのは好ましくなく、年金と同じように公的な取り決めによる補助が社会基盤の一つとして必要であると考えた大連市政府は、昨年から暖房費補助手当ての条例を発布した。この暖房費補助手当ては個人の収入とは捉えず、年金の計算や所得税の計算には含めない。
しかし開発区では、早急過ぎる決定には各企業が対応できないからと昨年は実施せず1年間先送りにしてきたが、2007年から実施すると発表した。

この社会理念は大変に素晴らしいもので、さすがは社会主義国の発想だと感心したものだが、その実態はと言うと。

役職の呼称に多少混乱があるが、まぁ、分かりやすく例示してみれば、こんな感じだ。
  局長クラス:140平方メートル(2254元)
  部長クラス:120平方メートル(1932元)
  課長クラス:110平方メートル(1771元)
  係長クラス:95平方メートル(1530元)
  一般社員、作業職:60平方メートル(966元)
       ただし25年以上の勤務者は95平方メートル

実際の年間支給額は、次の式で算出する。
  年間支給額=面積×基準単価(今年は23元)×70%
これを12ヶ月で割って、毎月均等に支給することになっている。

例えば、局長クラスの人でも、55平方メートルの小さな家に住んでいたら、暖房費で利益が出てしまうし、更に、夫婦で働いていたら、双方の会社から暖房費補助手当てが支給されるので、一人分丸儲けと言うわけだ。
逆に、作業職の人でも夫婦で頑張って120平方メートルの家に住んでいる人がいる。この人たちは、半額しかもらえないことになる。

さぁ、どうだ。これが公平な分配と言えるか?

これに関してある中国人とディスカッションする機会があった。
「こんな不公平な制度は無いよな」

「どこがですか」

「偉い奴は暖房費補助手当てで利益がが出るほどもらうのに、作業職は安月給で只でさえ生活が苦しいのに少ししかもらえない。かわいそうじゃないか」
「いや、その考え方はおかしい、偉くなる為には、勉強して苦労して相当努力をしたはずだ、それに報いるべきです」

「だって、目的は暖房費補助だよ、実際に発生する費用を勘案すべきだろう」
「違います、作業職が大きい家に住むのは、身分に合わない生活をしているのです」

「作業職だって、会社にとっては大事な人だし貢献もしている」
「作業職は大学を出ていない。幹部になる人は、全国統一試験に合格して大学を出るのに苦労をしているのです。それを無視したら、大学に行く人がいなくなってしまう」

「そんなに人格を否定するような話じゃないだろう。生活の基盤となる暖房費補助手当てでそれほど格差をつけたら不公平だ」
「いいえ、中国における公平とは、そういうことなのです」

この後、彼と意見の一致を見ることは無かったが、そういう考えもあるのかなぁ!と。
勿論、彼が中国の考え方を代表している訳ではないのだが、発表された数字は、彼の考え方を物語っている。

こんな考え方では、弱者救済なんかとても出来ないだろう。
オレには、どうしても公平な制度とは思えないのだが。

皆さんは、どう感じますか?

【対象】

今朝の気温は、マイナス2℃でした。
遂に本格的な冬到来か!

勘違い中国語シリーズ015【対象】

日本語の「対象」と同じだが、中国語ではもう一つ別の意味がある。

「先月、オレ、素晴らしい対象をみつけたよ」
何を言いたいのか良く分からない言葉だが、中国語では
「先月、オレ、素晴らしい結婚相手をみつけたよ」

となる。

「対象」は「恋人」を意味するのだが、もう少し進んだ関係で「婚約者」の方が適切かも知れない。
恋人を意味する言葉として「情人」「男朋友」(男友達)あるいは「女朋友」(女友達)があるが、「対象」はそれらの中で、結婚に一番近い関係と言えそうだ。duixiang061212.jpg


月、木の定期更新とは別に、日本人が勘違いしやすい中国語を、不定期に紹介している。

日本料理について

3回に渡って、中国の代表的な香辛料を紹介してきたが、これを書きながら、日本料理に使う香辛料って少ないなと感じた。それをきっかけに日本料理と中国料理について思うところがあった。

日中の料理について考えてみたら次の3点の違いに気が付いた。
どちらが良いとか悪いとか言うつもりはないが、日本人だから日本流を好むのは仕方が無いだろう。

1、香辛料
2、料理の正面
3、ガラが残る

1、香辛料
極論だけど、日本料理は素材の味、中国料理は香辛料の味!!
素材の味の代表が「刺身」だろう。
加熱も味付けもしていない生の魚を、ワサビと醤油だけで食べる。
こんなんでどこが料理やねん!

と思う人がいるかも知れない。
でも、素人がうまい刺身を作れるかと言われれば、答えはNO!だ。魚を見て美味いところを選び、骨や血筋を取って、食べやすい大きさに切り、綺麗な形に盛り付ける。包丁捌きで食感が変わるとも聞くし、もっと言えば、素材にこだわる本当の調理人は魚選び(目利き)こそ一番大事だと言うから、素人の出番はない。

加熱も味付けもしない刺身は極端な例としても、焼き魚だって調味料は塩だけで、大根おろしと醤油で食べる。野菜の浅漬けだって味を加えるのは最小限だ。まさに素材の味と言って良いだろう。

これに対して、中国料理では香辛料を使いまくるので、素材の味がどっかに飛んでいってしまう。羊肉のように癖の強い素材には、香辛料が良く合う、と言うより必需品と言うべきだろう。
中国では
「空を飛ぶものはヘリコプター以外なんでも食べる、四脚のものは椅子と机以外なんでも食べる」
と言われるほど、食材の幅が広い。中には、そのままでは臭味(くさみ)が強すぎて食べ難いものもあるのだろう、そういうものを食うために香辛料が発達したのではないだろうか?と勝手に想像している。
空を飛ぶものって、鳩は鳥だからまだ分かるが、蝙蝠や虫まで食ってしまうのだから凄い。四脚と言えば、ウサギは日本でも食べるから良いとして、驚くのは、犬と亀、どちらもスーパーの食材売り場で売っている。

日本では、江戸時代までは、ウサギ、イノシシなど極一部の例外を除けば、一般には動物の肉は食わなかったので、臭味(くさみ)の強い肉の処理など必要なかったのだろう。
日本料理で使う香辛料と言えば、ワサビ、(七味)唐辛子、生姜くらいで、鰻には山椒、他に香り付けに、ゆず、三つ葉、セリ。明治以降になってから胡椒も多用されるようになったが、中国の香辛料の多彩さと比較してなんと少ないことか。

でも、これが、素材の味を大切にする日本料理を作り出したのだろう。

2、料理の正面
大連の日本料理店で、まだ慣れていない女性店員が、料理の向きを間違えて置いたので注意をしたのだが、彼女にとっては、何を言われているのか理解できなかったようだ。
日本料理には、向きを考慮した盛り付けが結構多い。刺身だったらツマのある方が後ろで、刺身が並んでいる方が正面だ。天婦羅だって一流どころなら前の方から食べるように盛り付けるものだ。小鉢や椀でも、食器の模様も含めて、正面を意識している場合がある。

中国の料理は一般的に大皿にドカっと盛り付けて、ぐるぐる回して各人が勝手に銘々皿に取るのだから、正面も後ろもない。だから、上の女性店員にとっては何を言われているのか分からなかったのだろう。

そもそも、中国料理で個別の客への盛り付けって無いんじゃないだろうか?
焼き海老なんかを頼んでも大皿に持って来て、一人一人に取り分けてくれるし、スープだって同じだ。

3、中国料理はガラが残る
日本料理って、ガラが残る食べ物が少ないと思う。
刺身に骨が残っていたりしたら、食感を損ねてだいなしだ。
魚の骨だって、秋刀魚とか鯵とか一部のお約束の魚を除けば、三枚に下ろすなどして骨が残らないように処理してくれる。
カニはしょうがないけれどそれでも食べやすいように切れ目を入れてくれたりするよね。あと貝殻もしょうがないか。

中国料理では食べられないものが一緒に入っていることが結構多い。
調味料や香辛料が一緒に盛り付けられている。八角は食べられないが煮込み料理には入っているし、辛い唐辛子もそのままの形で料理に入っている。間違えてを口に入れてヒイヒイ言いってたら、
「あれは食べちゃいけないよ」

と笑われた。
食べちゃいけないものを盛り付けるな!
日本料理なら、出汁取りに煮干を使ったら取り除くだろうし、鰹節の粉だって除去する程だ。

調味料に限らず、中国料理ではガラが出るものが多いと思う。
どこまでしゃぶったら良いのか分からない骨付き肉とか、小骨が気になってゆっくり食べられない川魚、海の魚だって三枚に下ろすようなことはせずに青龍刀でぶつ切りみたいなものが多い。農村の鶏鍋なんか食った日にゃ下手をすると口の中を傷付けないように気をつけなくちゃならない。何しろ鶏冠がついた頭から頸、爪の先まで骨ごとぶった切りになって煮込まれているんだから。
またこれを中国人は、口からペッペと吐き出すんだ。日本人なら一旦手のひらで受けるとか、箸でつまんで口から出すとかするんだが、テーブルの上に直接ペッペとやるのには馴染めない。吐き出されたガラは当然テーブルの上に残されたままだ。

日本人が音を立てて蕎麦をすすることに欧米人は馴染めないというが、そういう感覚なのかも知れない。

食文化って、音楽や絵画、書道などの芸術文化と違って、数ある文化の中でも一番生活に密着しているので、簡単には変えられないだろうし、そこで生活しているなら変える必要など無いし、むしろ伝統として残すべきなのかも知れない。

歴史にに基づいて連綿と継承された文化だから非難するつもりは無い。服務員も慣れているのでさっさと掃除をすれば済むことだ。だけど、もし自分の家ではやらず、外のレストランだけでペッペとするなら考え直して欲しいと思う。
また、オレに同じようにやれと言われても出来ないし、根本的に馴染めないものは仕方が無い。
オレの拙い中国香辛料考察に対して、遼寧省営口市在住さんがデータに基づく解説と訂正をしてくれました。興味深い内容なので是非ご一読ください。
だんだん、他人の褌で相撲を取るようになってきたなぁ、オレ。


読者のコメントから抜粋
遼寧省営口市在住さん
「香辛料」にはちょっと異議あり

でっつさん、なかなか興味深い文化比較をしてくれていますね。
「言われてみれば確かにそうだなぁ」という点も多いですが、少々「異論」もありますので、書いて見ました。

特に「香辛料」のことですが、現代の中国料理の中ではかなり色んなものを使いますが、それはそれほど昔からの事ではなく、この前のエントリーに出てきた「孜然」(クミン)なんていうのは、漢民族の中に広く知られるようになったのは、せいぜいこの20~30年の話でしかありません。まして、今でも江南の蘇州とか杭州あたりの伝統料理や、広東料理、四川料理などのコアな中国料理では全くと言って良いほど使いません。

清朝の時代に袁枚(えんばい、 1715~1797)という人の書いた『随園食単』という有名な本があります。この人は当時の役人でしたが、非常な文化人で、美食家でもありました。この本は現在でも中国のグルメ書の古典として、伝統的な中国料理を知るための「必読の書」となっており、日本でもかなり昔から岩波文庫で日本語訳が出版されています。

この本の冒頭で「予備知識」として挙げている最初が、「天性を知ること」で、先ず素材の大切さを強調してこう書いています。「人の性質が下愚ならば孔氏や孟子がこれを教育しても無益であり、物の品質が不良ならば料理の名人易牙がこれを割烹しても無味である。」
「大抵一席の佳肴は料理人の功が六分で、買出人の功が四分である。」
ですから、中国料理が素材を重視しないというのは全くの間違いです。

次に「調味料を知ること」として、代表的な調味料を挙げていますが、ここに出てくるのは、「醤」(味噌)、油、「酒娘」(諸味酒)、「醋」(米酢)、葱、山椒、生姜、肉桂(シナモン)、砂糖、塩ぐらいのもので、香辛料としては山椒と肉桂ぐらいのものです。
この本の後の方には、素材毎に調理法を含めて料理の解説がたくさん書かれているのですが、その中でも大部分は上記の調味料と香辛料しか出てきません。その他にはせいぜい胡椒と唐辛子ぐらいのものでしょう。

著者の袁枚先生は浙江省の杭州の人で、言わば江南地方の伝統料理を食べて育った人ですが、役人でしたから各地に出張する機会も多く、辺境の非漢民族地域の料理は別にしても、およそ当時の中国各地の料理を食べ歩いた経験からこの本を書きました。ですから、この本で今から200年余り前の中国料理を俯瞰できるわけですが、その中に出て来るいわゆる「香辛料」の類いというのは、意外にも上記のように少ない物しかないのです。
詰まる所、料理の味と言うのはやはり素材で出すべきものであって、調味料や、ましてや香辛料というのは、あくまで補助的なものでしかなく、それで無理やり香りや味を出すのは邪道だということです。
だから、最も正統的な中国料理はその「菜系」(地方の区別)に関わらず、特に香りの強すぎる香辛料は使わないのが王道だと言って良いでしょう。

【情人】

勘違い中国語シリーズ014【情人】

これまた面白いもので、日本語で「情人」といえば、なんか卑猥なイメージの女性を思い浮かべるが(オレだけの妄想かも知れない)、中国語で「情人」は恋人のことだ。
バレンタインデーは、情人節と言い、恋人の日を意味する。

一般に恋人のことは、男女別に、「男朋友」(男友達)あるいは「女朋友」(女友達)ということが多い。男同士の友人を「男朋友」とは言わないし、女同士で「女朋友」とも言わない。英語のboy friendgirl friendと同じように考えていいだろう。

「おまえ、恋人いる?」
と言うよりも
「おまえ、彼女いる?」
の方が普通だと思うが、「女朋友」はこんな感じだ。

月、木の定期更新とは別に、日本人が勘違いしやすい中国語を、不定期に紹介している。

【参加者募集中】大連アマチュアテニス大会

大連市<中日協力杯>アマチュアテニス大会が12月に開かれる。

tennis061117.jpgポスター画像をクリックすると大きくなります


大連市体育局主催、領事館大連事務所後援の日中テニス大会が開かれることになった。事務局は大連テレビ局(の下部組織)が担当する。

大連市体育局と言えば、大連市政府のことだよ。それと領事館大連事務所といえば、日本国外務省のことだよ。
つまり公式な市民テニス大会なのだ。

詳しくは、ポスター画像を拡大して見て頂くとして、概要を簡単に説明しておく。

日 時 :2006年12月23日(土)
会 場 :星海国際網球中心
種 目 :男子シングルス、女子シングルス、
     ダブルス(男・女・混合の区別無し)、
     参加は1種目に限り、シングルスとダブルス両方に参加することは出来ない。
会 費 :一人50元
申込締切:12月12日
試合形式:トーナメント方式
参加資格:大連で仕事をしているか、学習をしている日本人と中国人でテニスの好きな健康な人

参加資格をきちんと読むとヤバイよ。
仕事も学習もしてないママさんプレイヤーは参加できないし、ビール飲みすぎで、γーGTPやら血圧やら中性脂肪やらが高くおそらくメタボリックシンドロームであろう中年オヤジは参加できないことになる。

ま、冗談はともかく、
事務局側では、第1回大会なので勝手が分からず、参加者が集まるかどうか心配している。

これを見た方でテニスの試合をしてみようかという方は、是非参加申込をしてください。
「チーム」という表現がありますが、個人の単独参加でも問題ありません。
ポスターには書いてありませんが、開発区の方は、アカシアフロントで申込を受け付けてくれます。

花椒

中国には、「麻」「辣」の2種類の辛さがあるといわれている。
「辣」は、喉がひりひりする唐辛子の辛さだ。
一方、「麻」は、唇と舌がびりびり痺れる山椒の辛さだ。

と言うことで、中国料理の香辛料で忘れちゃいけないのが「山椒の実」だ。
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」
の山椒だが、中国の山椒は日本の山椒とは同属だが、より香りが強く、痺れるような辛みがある。中国語では「花椒」と呼ばれる。独特の痺れる辛さは中国料理、特に四川料理には欠かせないもので麻婆豆腐の味は花椒で決まるともいわれている。重慶火鍋の記事で紹介した火鍋の辛さは「麻」の痺れる辛さで「花椒」が多量に使われているのだろう。

写真のような小さな木の実だ。(中央の棒は爪楊枝)
sannsho061105.jpg

中国料理なら、煮物、炒め物、スープから焼き物にいたるまで花椒が使われる。
香辛料だから普通は食べない。小さな粒々だけど料理の中に入っているので、食べるときに邪魔に感じることもしばしばだ。
そこで、食べかすを気にしなくても良いように、花椒の粉末が販売されている。
sannsho061105025.jpg

ご覧の通り「純花椒粉 純度100%」とある。

こいつは振りかけるだけなので、簡単だけど、あんまり「麻」の痺れる辛さを感じなかったなぁ。
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