大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

中国特許事情トピックス

中国の知的財産権(特許、実用新案、商標など)については、中国特有の問題点の理解と対策が必要である。
過去の記事をインデックス風にまとめてみた。
大体このくらい知っていれば、トピック的な基礎知識としては十分だろう。
更に細かいことを言えば、明細書の書き方とか、補正の仕方、第三次特許法改訂で何が重要視されているかなど、注意すべき点は山ほどあるが、ネット上には情報があふれているので、かなりのことが分かるはずだ。中国語が読めれば更に良い。実務上、費用がいくらかかるかとか、どこの特許事務所が優秀かというような具体的な項目は自分の責任で調べてくれ。

問題の事例
クレヨンしんちゃんが負けた 
漫画キャラクターであるクレヨンしんちゃんの商標が中国の会社から出願されて登録になった。本家の双葉社の中国進出が難しい。
偽物被害(びっくり電機が中国から撤退)
商標対策をしていないと、こんな風に被害にあい、場合によっては撤退も余儀なくされる、フィクションだが、大きな教訓を示している。
偽商標事例(日本YAMAHA事件)
中国に商標を登録していたおかげで、適切に対応できた事例。中国の偽者会社は、ここまでやるかという印象が残る。
中国の特許裁判(中国では販売しないけど)
具体的な事例紹介ではないが、中国で生産、販売しないから中国出願は関係ないと判断する前に、こういう問題点を理解しておいてよ。

中国の知的財産訴訟件数
中国は訴訟大国(ダメもと訴訟)
特許出願件数に比較して、膨大な訴訟件数の実態をグラフで見ると、この国の国民性が見えてくる。

中国特許裁判の傾向と対策
中国の特許裁判(組織構造)
中国の裁判所は、行政組織の中に組み込まれていることを理解しておかないと、判断を間違うことになる。中国の国の構造は、司法・立法・行政の三権分立ではなく、中国共産党の一党独裁であり、司法も軍隊も立法も行政も、すべての機関は共産党の配下にあるのだ。
中国の特許裁判(地域保護特性)
裁判所が行政組織に組み込まれているので、純粋な法律判断を超えて、その地域に好ましい結論を導き出す判断を示すことがしばしばである。裁判所を選ぶことによって、判決が大きく変化する特性をよく理解しておこう。
中国の特許裁判(被告を大都市に引っ張り出す技)
外国企業(勿論日本を含む)が地方で知的財産権の裁判を提訴すると、地域保護政策(裁判で政策と言うのは奇妙だが)の壁に当たって、著しく不利である場合が多い。地方の偽者製造会社を大都市で提訴する方法とは。
中国の特許裁判(被告を無理やり大都市に引っ張り出す秘策)
上の記事で書いた内容では、解決できない中間製品(部品)の場合どうしたらよいか。それこそ、ここまでやるかと言う感じだが、被害額が億円を超えるようなら、徹底的に戦う姿勢を見せることだ。
中国の特許裁判(安易な警告書は墓穴を掘る)
上の二つに書いたように、大都市の裁判所に引っ張り出す技を台無しにするのが「警告書」だと言われて、ピンと来るかな。
中国の特許裁判(実用新案を侮るな)
実用新案を軽く見ると、その補償金額の大きさに驚くことになる。中国語でしか検索できないのだけれど、信頼できる代理店を通して、きちんと事前調査することが必要だ。
中国の特許裁判(商標を押さえろ)
上に書いた、びっくり電気撤退事件、日本YAMAHA事件を見ると、中国における商標登録が如何に重要であるかが理解できるが、近頃は「商標お化け」が出没しているので、更に警戒が必要だ。

特許庁技術懇話会誌より
特技懇誌から、中国関係の記事を紹介しておく
中国におけるエンフォースメントについて(PDF)
中国における企業の模倣品対策活動(PDF)
中国「国家知的財産権戦略綱要」の理念と第三次特許法改正(PDF)
SIPOの概況と中国専利実務の紹介(PDF)
SIPOの審査実務の紹介(PDF)
日中特許庁協力について(PDF)
日本貿易振興機構(JETRO)北京センターの活動について(PDF)
中国特許制度のエッセンス(PDF)

以上で「中国特許事情」関連記事を終了する。
なお、オレは特許の専門家ではないし、実務的な仕事をしたこともない、ただ中国の実情に興味があって調べたことを書いているだけなので、ここに書いた以上のことを質問されても答えられないので、悪しからず。
スポンサーサイト

中国の特許裁判(安易な警告書は墓穴を掘る)

日本で特許侵害製品を発見した場合の常套手段としては、相手の会社に警告書を送るのが普通だ。
その後、相手の会社が「警告書」の内容を判断して、(1)か(2)(3)の道をたどるのが普通だ。
 (1)素直に特許権侵害を認めて
    ・製造を中止するか
    ・クロスライセンスの協議をするか
    ・特許実施権の金額交渉をする    ⇒ 和解して解決
 (2)特許侵害を否定して
    ・警告を無視する
    ・反論を提示する
 (3)話し合いがまとまらなければ裁判に持ち込む。
警告なしに、いきなり訴訟に持ち込む例は少ない。

中国の特許侵害案件において、日本と同じような感覚で、安易に「警告書」を相手の会社に送りつけると墓穴を掘ることになるので注意が必要だ。

これまでに再三書いているように、中国の地方裁判所は(地方になるほど)地域保護政策に順応した判断をすることが多いので、外国企業の裁判は大都市に引っ張り出してやるように工夫しなければ勝目がない。
ところが、警告書を送りつけると、彼らはどうするかと言うと地元の裁判所に「特許不侵害確認請求訴訟」を起こすのだ。
こうなると、大都市に引っ張り出す作戦はその時点で使えなくなるので負け戦は見え見えだ。
と言うのは、製造場所の人民法院が管轄権を有するが、製造場所が何処であれ販売地の人民法院も管轄権を有し、先に訴訟案件を受理した人民法院が管轄することになっているからだ。
作戦を練るまもなく、相手の土俵に乗せられてしまう。

訴訟大国の中国においては、警告書など何の役にも立たないくらいに割り切るほうが良い。

偽商標事例(日本YAMAHA事件)

偽商標事件の話題として、ちょっと古いんだけど、偽物のオートバイに、堂々とYAMAHAのマークをつけて販売した事件があった。

2000年4月、偽オートバイ偽造グループが石川県の小松市に「レスポ株式会社」を登記した。
同年8月に一度社名を変更して、再度9月に社名を「日本雅馬哈株式会社」に変更した。
中国語で「日本ヤマハ」と読む。
この会社が「日本YAMAHA株式会社」と刻印された印鑑を日本の登記所に届出して受理された。
この事実を元に、「日本雅馬哈株式会社」は、中国のオートバイ会社に、「日本YAMAHA」の商標許諾の契約を締結した。偽オートバイ会社では、日本政府が認定した会社と契約したのだから、問題ないと「日本YAMAHA」なるオートバイを販売し始めたのだ。
nihonyamaha.png

当然、本物の「ヤマハ発動機」は怒った。
代理人を通して、国家工商行政管理局に取締りを要請し、これが認められた。
一方、2001年1月には金沢地裁小松支部に「日本雅馬哈株式会社」の商号抹消の訴訟を起こし、これも認められ、一連の騒ぎは、2001年3月に金型撤去でケリが付いた。

この事件は、「ヤマハ発動機」が、事前に 「YAMAHA」等の商標を中国に登録しておいたから解決出来たもので、何もしていなかったら、対応が非常に難しいところだった。
この吉利グループのリーダーは、農民の男4兄弟だが、事業欲が旺盛で、次々に事業を起こし、1994年からオートバイ事業に参画した。
売るためなら、ここまでやるかというくらい大掛かりである。後に吉利自動車として大成功を収めることになる。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。