
ワイングラスの中で飼っていたのだが、ある晩水を換えた時に、少しでも水が多い方が快適だろうと、優しさのあまり、グラスの縁近くまで水を入れてあげた。
翌朝、「おはよう」と覗き込んでみると、ヤツがいない。
野良猫にでもやられたか!? いや、大連で野良猫など一度も見かけたことがないし、どこからも入ることが出来ないはずだ。
周囲を探してみてもテーブルの上にはいない、ふと足元を見ると、カーペットの上になにやら黒い物体が転がっている、それが干からびたベタ君だった。
想像するに、元気一杯でジャンプしたときにグラスの縁を飛び越えちまったのだろう。一度飛び出したら二度と戻ることが出来ない死のジャンプを試みた。そんなに外の世界を見てみたかったのか!
・餌をやると、獲物に食いつく猛禽類のように、激しく襲い掛かるヤツの勇姿をもう一度みたい。
・いや、これほど手がかからないペットならもう一度飼っても良い。
・本音を言うと、8元で買ったベタだったが、日本で買った餌(乾燥糸ミミズ)は600円もしたから、もったいない。
という訳で、ベタを探しに出かけた。
以前は、路上販売で買ったので、この熱帯魚はどこで売っているのか分からない。
まず、金魚屋に行った。
「あの~、熱帯魚を探しているんだけど」
「食べるのか?」
バカか、お前は!金魚屋に来て食い物の魚を買う奴がどこにいるか!話にならん。
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2軒目のペットショップに行った。ネオンテトラなどの熱帯魚も売っている、期待できそうだ。
「あの~、ベタって言う熱帯魚を探しているんだけど」
「うちの魚は全部熱帯魚だよ、どれが良いんだい?」
「いや、こういう魚じゃなくて、水が少なくても呼吸できる魚って言うか、、、、、、、」
「これかい?」
バカなことを言うな、さっきから魚って言ってるだろう、これはカメじゃないか。
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3件目のペットショップ。さすがにここまで来ると表現方法にも知恵が付いて来た。
「小さなグラスの中でも飼える魚が欲しいんだけど」
「これかい?」

「おお、まさしくこれだよ、沢山いるね。」
一緒にすると喧嘩するから、小さなビンに詰められて、10匹くらい並んでいた。赤いのから青いのから、中間の紫っぽいのまでいろいろいる。
「この魚は、何て言うの?」
「闘魚だよ!」
そうか、ベタなんて言ってないで、「闘魚」って言えばよかったんだ。日本語でも、ベタのことを別名、闘魚って言うもんな。
で、餌の乾燥糸ミミズは十分にあるので、2匹買うことにした。選びに選んだ結果、我が家に来ることになったのは、下の写真の2匹だ。
「2匹で幾らですか?」
前に、1匹8元で買った実績があるのだから、20元とか30元とか言われたら、値切り倒してやるぞ!
さぁ幾らだ! 言ってみろ!
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「2匹で10元」
「えっ!あ、そう」 拍子抜け。
安い、路上販売より安い。
と言うことは、路上販売で、6割もボられていたってことじゃないか! でもなぁ、100匹買って、500元のところを800元にされたら腹立つけど、1匹5元が8元でも、まぁ良いか!って感じだよな。

名前を付けたら親しみも湧くだろうと思って、彼らに名前を付けた。
青い方が「藍太郎」(らんたろう)、赤い方が「紅次郎」(ほんじろう)。
読み方は、日中混交だ。
乾燥糸ミミズのある限り、長生きしておくれ。
キーワード:闘魚、熱帯魚
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