大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

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中国で浄水器を使う

中国では、身体健康のために水道水を生で飲まない方が良い、飲むな!と言われるが、一般の人にとっては、何故飲んではいけないのか?飲めるようにする方法は無いのか?理屈が分らなければ、対策も分らないと思う。
3年間の自分の実体験を背景に、理由を説明し一つの対策を紹介しよう。

まず、中国の水道水で、最も怖いのが、細菌による感染症で、主に下痢の症状が現れる。また、時々水が濁ったりする。中国に来た日本人は、みんな、飲料水、調理用水をどうするかで困っているはずだ。

中国では一般的でないが、その一つの解決策が、浄水器使用だと思う。
昨日書いたように、浄水器の原理は色々あるが、細菌とにごり(微粒子)を除去できるのは、中空糸膜方式逆浸透膜方式だ。

最も微小な物質まで除去できるのが、逆浸透膜方式なのだが、高水圧が必要なので装置が複雑になり、家庭用では処理水量が小さいので、夜中にタンクに作り溜めた水を日中使う形になる。蛇口からジャージャーというわけには行かない。カドミウムやクロムなどの重金属が取れるから安心だと思う人もいるかもしれないが、幾ら中国でも、水道水として供給する水に重金属は入っていない。心配なのは、水道配管中の汚染で混入する、細菌と鉄錆びなのだ。

細菌と微粒子(鉄錆び)を除去すれば問題なく飲める。
細菌を完全に除去するには、0.2μm以下の細かさでろ過しなければならないので、活性炭だけとか、磁化水、ろ紙など目の粗いフィルターではダメだ。必ず中空糸方式を選ばなければならない。
abo_a028.jpg
左の図は、東レのトレビーノのサイトからコピーした中空糸フィルター浄水器の原理図だが、2段目のろ材である中空糸フィルターは、非常に細かいので、細菌を通さないし、鉄錆も通さない。
つまり、科学的に、飲んでも安全であると説明出来るのだ。

そんなこと言ったって、中国の水道水なんか飲んだら病気になるに決まっていると言うあなた!
オレが3年半以上に渡って、中国の生水を飲み続け、病気一つせずに毎日元気に業務をこなし、週末はテニスで走り回っていることをどう評価するか?

中空糸型浄水器の大手は、三菱レイヨンと東レの2社だ。
中空糸型浄水器の基本的な構造と原理は、三菱レイヨンでも東レでも大差ないので、どちらを選んでも良いだろう。勿論、使っている材質や細かい構造はそれぞれが工夫しているので、全く同じわけではない。

大連で浄水器を使うに当たって、二つの機種を試してみた。一つは蛇口に直接取り付ける小型のもの。もう一つは比較的大型のものだ。オレは今までの経験で、三菱レイヨンのクリンスイについては詳しいが、東レのトレビーノは良く知らない。機種選定当たっては、自然と三菱レイヨンを選ぶことになる。

最初に試した蛇口に直接取り付ける小型のタイプは、2ヶ月ほどで水の出が悪くなったので交換した。水の出が悪くなっても水質が悪いわけではない、時間がかかるだけのことだが、待つ時間が煩わしい。日本なら、カートリッジを交換すれば済むことだが、大連では手に入らないので、2ヶ月ごとに日本から持ち込むことになり面倒だ。

その後、大型のものに代えた。
just_04.jpg
それが、左の写真の、三菱レイヨン製「クリンスイジャスト」だ。クリンスイのサイトでは、大容量浄水器として紹介されている。
最近の日本の傾向として、大型のものを流し台の上に置くと邪魔なので、流し台(シンク)の下に据付けるアンダーシンク型が普及している。だけどアンダーシンク型は、専門家による取り付け工事が必要になる。個人的に日本から持ち込んで自分で取り付けるのだから、工事が要らない簡単なものでなければならない。そういう点で、クリンスイジャストが最適なのだ。

使っているカートリッジは、アンダーシンクタイプと同じ大容量型だが、同梱の接続部品によって、蛇口からホースを分岐して簡単に取り付けできる。大型なので水量も豊富だから、飲料水、うがい、野菜洗い、米研ぎ水、煮物、ラーメン、うどん、蕎麦、茹で野菜、ゆで卵、食器のすすぎ洗いなど口に触れる可能性のある水は、全てこの水を使っている。まるで日本にいるように水道水をジャージャーと飲料に使うことが出来る。おかげで、中国に来てからも、水で苦労したことは無い。

こいつを取り付けてから3年間、水が原因と思われる下痢や腹痛は一度も無い。カートリッジは、一度だけ交換したが、我慢すればまだまだ使えたと思っている。オレは一人暮らしだから長持ちするが、家族持ちなら1年くらいで交換だろうな。マンションの配管やタンクの清浄度によっても浄水器の寿命は異なるので、なんとも言えないが。

最初の1年は本体を買うので3万円(1ヶ月160元)その後1年ごとに1万5千円(1ヶ月85元)、水代として高いか安いか、人によって感じ方はまちまちだろうが、安心して飲める水道水が使える便利さを買うと思えば、安いものだ。

決して宣伝するつもりの記事ではないので誤解しないように。「大連雑学事典を見ました」と言ってクリンスイジャストが売れても、オレにマージンが入る訳ではないし、水が不味かったと言われても、責任は持てない。

こういう特徴ある製品があり、うまく活用することによって快適な生活が出来ることを知って欲しかっただけだ。水処理に関わった者として、同じように困っている人たちへの参考のために、科学的な裏付による一つの経験論を紹介したものに過ぎない。

中空糸型の浄水器は、中国製品はないし、日本製品も大連では売っていないので、日本からハンドキャリーで持ち込むのが手っ取り早い。

最後に言い逃れをひとこと。
三菱レイヨンも東レも、中国での使用を保障している訳ではないので、万一問題が発生しても、取り合ってくれないだろう。また、オレに苦情をぶつけられても、相談にはのるが、「金を返せ!」とか、「なんかを補償しろ!」「話が違う」とか言われても、どうしようもない。

極端なことを考えれば、条件によっては3日で目詰まりして使えなくなるかも知れないし、水圧が高くて本体が壊れてしまうかも知れない。ここは中国だ、何が起こるかわからないし、誰も助けてくれない。最終的には自己責任で解決して欲しい。それが出来ない人は、止めて置いた方が無難だ。

コメント

素朴な質問

今回の記事は非常に参考になりました。中国でも今後家庭用浄水器が爆発的に普及していきそうな予感がありますが、いくつかムクムクと沸いてきた疑問。。。
①中国では日本のように浄水器を取り付けて使っている家庭は少ないのか?もしでっつさんのおっしゃるとおり科学的に「まず、安全」とわかっていても気分的に沸かさないと不安だと中国人は思っているのか?
②大連の水道水ではあまり感じないが、河南省に入った際、「白開水(水道水を沸かしたもの)」が塩辛く(ごく薄く、ですが)感じたことがあり、そのような「塩辛さ」の成分も除去できるのか?また、いわゆる「超硬水」といわれるような水でも飲料用になるくらい硬水度?を落とせるのか?
③今後中国国産の家庭用浄水器が開発されていくのか?

・・・以上、別にメーカーさんでもないのにでっつさんに質問してすみません。でっつさんの個人的な意見をお聞かせいただければ幸いです。

  • 2006/01/19(木) 14:26:03 |
  • URL |
  • BEO #-
  • [ 編集]

ムクムクと

>BEOさん
湧いてきた疑問に答えましょう。
1)口コミで身近な人にこの情報を伝えたところ、3人の日本人は浄水器を使って、生活が便利になったと感謝されましたが、中国人では一人もいません。それどころか、会社の水道に浄水器を取り付けたのですが、中国人社員は、やっぱり、煮沸したお湯を冷まして飲んでいます。
結局、生まれ育った生活文化は一朝一夕には変えられないんだと感じています。中国人が水道の蛇口の水を飲む時代が来るんでしょうか?
いや、水道水を安心して飲める国って、日本くらいのものなんですよね。日本独特の文化といっても良いかも知れません。

2)煮沸しても飲めないような水は、この浄水器では処理できません。塩分は取れません、硬度も変わりません。何でも出来るって、却って嘘っぽいですよね。スーパーマシンではないところに、信頼性を感じてください。

3)さぁ、それは分りません。中国人が水道の水を飲むようになれば、すごいマーケットになりますが、どうなんでしょうか?

  • 2006/01/19(木) 17:38:37 |
  • URL |
  • でっつ #m/aUcm4U
  • [ 編集]

中国でも

「浄水器」と称するものが売られているようですよ。多分、大連などにある大型家電量販店の「蘇寧電器」なんかでは、売ってるんじゃないでしょうか。2、3種類の物を見かけたことがあります。俺は素人なんでどういう方式のものか判りませんが、宣伝文句が振るっていて、「浄水」から、「イオン化」から、「節水」機能まであるそうで、どうやらでっつさんの言う「スーパーマシン」で、こうなると、あんまり信用できそうも無いですね(笑)。
何だか、中国で売っている物はウソ臭いものが多い(苦笑)。

ところで俺は歯を磨く時は、水道水で口をゆすいでますが、どうせ吐き出してしまうんだから、問題ないと思うんですがね。どうかな?
ちなみに、それで腹をこわしたことはありません。

何でもありの

>遼寧省営口市在住さん
浄水機を探してみましょう。
ところで、足浴器という製品があります。40℃くらいの温水に足を浸けて温まる小さな容器(フットバス)ですが、パンフレットを見ると、
新陳代謝を加速し、免疫力を増加し、全身の毛穴が開いて汗と共に病因物質を排出、疲労を取り除き、精神状態を改善し、腰痛・肩痛・関節炎・高血圧の予防と改善、がん細胞の成長抑制、脂肪燃焼によりダイエットにも効果ありと、言いたい放題です。
日本だったら、確実に薬事法違反であげられます。
中国では、こんな風に大げさな表記の製品が多すぎます、何が本当だか分からなくなる。

うがいの水の件ですが、遼寧省営口市在住さんの解釈でOKです。
水の中に雑菌がいたとして、10匹や20匹が体内に入ったとしても、人間には免疫力があるから、実は問題ないんです。100万匹や1億匹の雑菌が一気に入ったら問題です。つまり量的な因子を考えれば、大量に飲む水とうがいで口に残る少量の水を、同じように論じることは間違いなのです。実質的には、うがいで口に残る程度の量ならば、中国の水道でも川の水でもあまり問題はありません。
最近の日本は、潔癖すぎてむしろ問題です。ちょっと乱暴な言い方になりますが、多少の雑菌を口にして、普段から抵抗力をつけておいた方が、身体のためです。

  • 2006/01/20(金) 08:37:40 |
  • URL |
  • でっつ #m/aUcm4U
  • [ 編集]

なかなか読み応えのあるやり取りでした。でっつさんの解説によれば、中国では当面あまり浄水器の浸透はなさそうですね。逆にこれだけ日本のメーカーが高性能の浄水器を開発できたというのも、技術力の高さもさることながら、日本人にとって「水道水は飲める」という常識があってこそのものなのでしょうね。ただ、でっつさんがおっしゃる通り科学的に「まず安全」という証明がなされていくのであれば今後中国人の間でも「自来水不能喝」という常識が徐々に(主に都市部から)崩されていくのかも知れませんね。
ちなみに知人の中国人が小学生時代、学校をさぼりたいときは水道水をがぶ飲みしてわざとおなかを壊したそうです。ほんまかいな??

  • 2006/01/20(金) 11:04:33 |
  • URL |
  • BEO #-
  • [ 編集]

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