大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

20通りに使えるスーパー工具

今日は、これこそ、現代の中国製品だと自信を持って勧められるスーパー工具を紹介しよう。
(ウソです、思いっきりの皮肉です)

道端で、最新のスタイルつまり、ワイヤレスマイクのヘッドセットをつけて、スピーカーから解説するやり方で、おじさんが売っているのは、スーパー工具だ。
ossan060218.jpg

おじさんが盛んに見せているのは、ガラス切りの効能だ。直線切りは勿論、波型切りから、究極は円形を重ねてドーナツ型にに切り抜くことも出来る。その手際の良さは、見ていても惚れ惚れするほどだった。
ring060218.jpg

箱に書いてある能書きによれば、このスーパー工具は、何と20種類の使い方が出来ると言う。
書いてある通りに列挙してみると、
1、ガラス切り
2、タイル切り
3、コンパス
4、円形切断刀
5、超硬ドリル
6、彫刻刀
7、包丁研ぎ器
8、はさみ研ぎ器
9、のこぎり
10、栓抜き
11、カッターナイフ
12、果実切開刀
13、水平器
14、ガラスのバリ取
15、巻尺
16、円孔切抜き器
17、壁紙刀
18、果物ナイフ
19、ねじ回し
20、ガラス叩き
下の写真が、このスーパーツールだ。
zenkei060218.jpg

良く分からない機能もあるが、こんなに色々使えて、全国統一価格は28元だと。こりゃ買わずにいられない。早速、買おうかと思って財布を用意していると
「本日に限り、5元で販売する」
「えっ! 5元? ウソだろ」
10元出してお釣りがないとか言われると嫌なので、5元札を出したら、あっさりと商品をくれた。しかも、例によってちゃんと箱から出して、ガラスを切って、間違いなく使えることを見せたのだ。

ルンルン気分で家に帰って開けてみたら、見た瞬間にまずがっかり
プラスチック部分の仕上げは悪いし、バリはあるし、ヒケているし(熱収縮によるゆがみ:プラスチックの専門用語です)商品としての見てくれがどうしようもなく悪い。
kingyo.jpg 
程度の悪さを端的に示すなら、この商標を見てもらうのが良いだろう。
この工具は「金魚印」として売ってる。左は紙箱に印刷されている商標で、右は製品に掘り込まれている商標だが、全く似ていない。商標といえば、商品の顔だよ!それがこんなにいい加減なのだから、商品つくりの態度も底が知れているってことだ。

効能のダメさをいくつか紹介しよう!

まず、鋸の写真を見てくれ!
鋸の歯ってギザギザになっていれば良いというものではなく、切込みを入れるための鋭利な刃が付いていなくちゃならないんだ。
nokoba.jpg

写真の下はこの製品ではない、「まとも」な鋸の写真だが、ちょっと触れたら肉に食いつくような迫力があるのに対して、写真上がこの工具の鋸刃で、鋭さがなく、こんな鋸じゃ、豆腐くらいしか切れないよ。
はっきり言えば使い物にならないということだ。


次にだめだったのが栓抜きだ!
厚さが1mmしかない鉄板で作られているので、王冠を切り裂いてしまうのだ。丁寧に作業をしても、開栓する前に王冠がぼろぼろになってしまう。
はっきり言えば使い物にならないということだ。


次は水準器だよ!
ガラス管の中に小さな気泡と液体が入っている、水準器らしき部品が付いているが、如何せん、本体がゆがんでいるので、どこを水平面に合わせたら良いのか分からない。
はっきり言えば使い物にならないということだ。


ドライバーつまりねじ回しだが
これまた、ダメの代表みたいな工具だ。厚さが1mmの鋸の先っぽに付いているので、へにゃへにゃして力が伝わらない。これでどうやってネジを回せというのか?
はっきり言えば使い物にならないということだ。


こんな中で面白かったのははさみ研ぎ器だ!
こんな風に使うらしい。
hasami060218.jpg

これで切れるようななうのかどうか分からないが、ぼろいはさみで試してみるか。包丁研ぎ器も同じようなものかな?

カッターとスチール巻尺は、普通の部品が付いているから使えないことはないが、何も好き好んで、こんな使いずらい格好のツールを選ぶ必要はない。

このおじさんは、ガラス切りの効能を盛んにアピールしていた。割れやすい物質で、一般の人にとっては「ガラスを切る」など思いもよらない行為なので、見た目が派手でデモンストレーションとしてはとても目立ち、観客は一様に「すごいすごい」と感心させられるのだが、「ガラス切り」を使うチャンスなど、一生の内に、一度足りとも無いことを考えると、ガラス切りのデモ自体がインチキの洗脳作業だとは言い過ぎだろうか?

まぁ、その迫力にまんまと騙されて、つい買ってしまうオレのような客がいるのだから、「おじさんの勝ち」なのだろう。

それにしても、いかに粗悪品とはいえ、これだけの部品点数を組み合わせた物品を5元で販売できる物流の仕組みには驚嘆する。

コメント

買いましたか

私も何度かこの実演販売現場に立ち会いました。
でも、買いませんでした。
でっつさん、ありがとうございます。
身を挺しての話題取り。
5元でしたら、でっつさんの許容範囲でしょうか?

日本から帰ってきたばかりで、道路が恐い青云でした。

  • 2006/05/08(月) 11:39:36 |
  • URL |
  • 青云 #NtAfpdTw
  • [ 編集]

初めまして

最近でっつさんのブログ見始めました。
バックナンバーも見させていただきました。
まさに驚異のブログですね。
知的好奇心旺盛なでっつさんを尊敬します。

ところで中国のノコギリってなぜこんなに切れないのかと思いませんか。
刃に焼きが入ったノコギリに当たったことがありません。
釘抜きも見かけないし(ペンチで抜いている:山東省及び上海南部の話)。
チョット日曜大工するにも一苦労です。

これはこれは

でっつさんの技術屋魂をくすぐりそうな代物でしたね(笑)。
古臭い言い方だと「20徳ナイフ」とでも言うのかな。

ところで、しばらくご無沙汰してましたが、ゴールデン・ウィーク中もほとんど外にも出ず、パソコンの前に座って「英日漢機械工程辞典」とか、「英日漢化学化工辞典」なんていう辞典類と首っ引きで、専門外で訳の判らない「理工系」の翻訳に追いまくられてました。

ところで今回のネタですが、前にもどっかで書いたような気がするんだが、なぜか中国の金物って本当にダメなんですよね。俺なんか中国びいきのつもりで、中国で生活している間はできるだけ中国製品を使ってやろうと思うんだけど、信頼性の必要な金物だけはどうも…(苦笑)。
何だか「焼入れが甘い」というのか、ネジ山なんかすぐにナメてしまうし、精度が低いし、錆び易いし、刃物なんかすぐに鈍らになっちゃうし…。
で、「20徳…」で思い出して、愛用のスイスアーミー・ナイフを取り出してじっくり眺めてみると、もう10年も使ってるんだけど、さすがにこいつは出来が良いんですよね。俺が使ってるのは御馴染みの赤いハンドルのヤツじゃなくて、ナイフの刃渡りが8cmある大ぶりのやつです。いざ、なんかを切ろうと思うとこのぐらいの刃渡りが無いと使い難いです。それで鋸も付いていて、この鋸刃の形は良く見たらまさにでっつさんが紹介している下の写真と同じなんですよ。これで板厚5mmぐらいのベニヤ板なんかも切ったことがありますが、十分実用に耐えるんですね。栓抜きも一発で開けられるし、缶切りなんかも実に良く切れる。さすがに世界中で売れてるだけのことはあります。もう10年も旅行には欠かせない必携品になっています。
ってことで、これはスイス製ですが、金物はやっぱりヨーロッパ製、特にドイツ製には敵わないですね。日本の刃物も世界有数ですが、それは刀鍛治みたいな熟練した職人が手作りで作るような類いの、言わば「工芸品」でないと味わえません。ところがドイツ製の金物の優れたところは、規格物の量産品の品質の良さでしょうか。
こういう差ってどこから来るのかって考えて見ると、常に戦争をやってたヨーロッパで、短時間で質の良い武器を大量に揃えるという武器工業の伝統からじゃないかと思うんですよね。中国も古代から王朝交代で戦乱は何度も経験しているわけだが、相対的には太平の世の中の方が長いわけで、戦争経験からすればヨーロッパの比ではないわけです。だから古代の青銅器は優れた物をたくさん作った中国も、近代的な鋼の製造では残念ながら伝統を作れなかった。
これもどっかに書いた記憶がありますが、日本のヤクザ屋さんたちが密輸の「トカレフ」を買う時には、気の利いた連中は精度が悪く、鋼の甘い中国製のコピー製品には手を出さずに、旧ソ連製のオリジナルを買うという話しを聞いたことがあります。
近頃どっかで「中国脅威論」なんてのが流行ってるらしいですが、俺の感覚じゃ、中国製の戦車なんかは装甲が薄っぺらで、被弾したらすぐに穴だらけになるんじゃないかなんて考えちゃいますね。それで装甲を厚くしたら、重くなりすぎて今度はエンジンの方がパワー不足で音を上げるんじゃねぇかなんて、どうかな(笑)。

待ってました露天商ネタ

ひさびさに出ましたね、露天商ネタ。恐るべし露天商、ガラス切りの一点突破で、でっつさんをその気にさせて買わせるとは!
おもしろ商品だからどうでも良いのですが、20種類の効能書の中の1のガラス切と2のタイル切は質が同じだがまぁいいとして、12の果物切開刀と17の果物ナイフは同じでは・・・。4の円形切断刀と16の円孔切抜き器は違うのかしら。最後の20ガラス叩きってなんだろう。興味深い商品ですね、通販でも売っていたらオレも欲しいです(笑)
ところで別の話ですが、仙台に住んでいるオレはGWに暇だから松島海岸に遊びに行きました。何回も行っているし家に近いからいわゆる観光なんて興味はないんです。今回の目的のひとつは、観光客ウォッチ。おもしろかったですよ。台湾からのツアー客が撮っているカメラの方向を見ると、しゃくなげの花や桜、そうか台湾は暑いからしゃくなげや桜の花はないから珍しいのかななんて思ったり。大混雑している道路を横断歩道なんて関係なく車をぬって渡るカップルを見て「あれは中国人かな」なんて思ったり。
一番の目的は露天商探しでした。たった一軒だけありました。それは、ミドリガメ売りで、商品はミドリガメ800円、ゼニガメ600円、餌とプラ容器の4種類のみ。ペットショップの倍の値段かな。中国ほど厳しくはないかもしれないが、警察が来ると引き上げるのだとと思います。GW期間中20万人近い観光客が来るところで露天商が一軒とは寂しい限りでした。

  • 2006/05/10(水) 07:05:26 |
  • URL |
  • はくらくてん #-
  • [ 編集]

立山も。

霊峰立山も台湾観光客で大混雑でした。中国語が飛び交っていて、トイレにも中国語の注意書きが貼ってありましたよ。使用後は流してください、てなこと書いてありました。

  • 2006/05/10(水) 16:33:54 |
  • URL |
  • カンカン #J7gMWUUA
  • [ 編集]

中国のステンレスは錆びる

>青云さん
5元を費やしたけど、記事が一つ書けたのでOKです。

>郷下人さん、はじめまして。
これからも続けますのでよろしくお願いします。
中国の工具って、焼きが甘いものが多いですね。
会社で「スクレバー」という工具を使っています。製品の表面についた汚れをこそぎ取る工具ですが、中国製品は刃先が曲がってしまうんです。仕方なく、日本製品を買っています。

>遼寧省営口市在住さん
大論文をありがとうございます。
技術文書の翻訳をしているのですか?大変ですね。
中国工具の焼きが甘いことは、上のコメントにも書いたように、私も同感です。どうしてなのでしょうかねぇ?
中国工業製品でもう一つ不満があります。それは、ステンレスが錆びることです。日本のステンレス製品に中国のステンレス部品を取り付けて、水の中に浸けておいて、半年くらい経ってから引き上げてみたら、中国の部分だけ腐食して抜け落ちてしまいました。日本のステンは錆びていないのに中国ステンは、ボロボロです。どうしようもないです。

>はくらくてんさん
日本では露天商が極端に減っていますよね。中国では、田舎の小学校の運動会でも露天商が沢山集まりますよ。
露天で買ったひよことか、兎って、すぐ死ぬじゃないですか。ところが我が家では、長生きしちゃったんですよ。兎なんか10年以上も生きたのでひょっとしたらギネスものじゃないかと思います。

>カンカンさん
そうなんですよ。また記事を書いてみたいと思いますが、中国人って、トイレの水を流さない奴がいるんですよね。信じられない行為ですが、事実です。

  • 2006/05/10(水) 19:42:43 |
  • URL |
  • でっつ #m/aUcm4U
  • [ 編集]

日本人も

トイレで流さない人いますよ。といってもこれは忘れるのでしょうけれど。
自宅のトイレが「使用後、自動的に水が流れる」、という大変便利なシロモノだと、よそのトイレでうっかり流さずじまい、となるようです。
でも中国人の場合はそれとまた違うんですよね。
この件に関しての記事を楽しみにしています。

  • 2006/05/10(水) 20:16:28 |
  • URL |
  • カンカン #J7gMWUUA
  • [ 編集]

爪きりは?

以前、中国の爪切りは切れ味が良くないと聞いたことがあって、お土産に持って行こうと思いました。
でも中国の友人は、ちゃんと使えるよ、とのこと。お土産リストからはずしたことがあります。
実際はどうなんでしょうか?

  • 2006/05/10(水) 20:24:02 |
  • URL |
  • カンカン #J7gMWUUA
  • [ 編集]

爪切りは大丈夫

>カンカンさん
爪は体の中では硬い物質ですが、金属と比べれば、はるかに柔らかいのです。焼きが甘いと言われる中国工具でも、爪程度の硬さでは問題ありませんよ。私も中国製の爪切りを使っていますが、大丈夫です。

  • 2006/05/11(木) 06:34:14 |
  • URL |
  • でっつ #m/aUcm4U
  • [ 編集]

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://huaihua.blog5.fc2.com/tb.php/383-745bd72d
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。