大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

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窓ガラスが落ちた

ここは開発区銀座の中心街ともいえる、高級デパート、マイカルのビルだ。
下がマイカルの店舗で、上の方が高級アパート、日本式にいえばマンションになっている。
2年ほど前に建設された時から気になっていたんだけれど、ピラミッドを縦にして貼り付けたような奇抜なデザインのガラス窓が沢山並んでいる。落ちて来たら危ないなと思っていた。
実際に、大連に来てから、壁面のタイルが剥がれて落下する場面を2回目撃しているので、危機感を持っていた。
mykal060618.jpg

つい先日のことだ。
マイカルに行こうとしたら、周囲が警察のテープで囲まれ、立ち入り禁止になっていた。警察官が3名ほど張り付いていて、入ろうとする人に対して、呼子を吹いて警告していた。
はじめ何があったのか分からなかったが、事情通にいろいろ聞いて状況が理解できた。

先週のある日、ピラミッドのガラスが剥がれ落ちて、下の通行人に当たり、16名が負傷したそうだ。幸い死亡者はいなかったものの、一人の女性が惨いことに耳をそぎ落とされたそうだ。

写真の右上方に拡大図を載せているが、ピラミッド状のガラス窓が分かるだろうか?
中央のピラミッドの左側の窓に、白い天幕が張られているのが見えるよね。この部分のガラスが外れて落ちたのだ。同じように別の場所からも、全部で3枚のガラスが落ちた。

地震でもないので自然にガラスが落ちてくるなんて信じられない建物だ。そもそも、ガラスが壁の外側に張り出した設計って、どう考えたって危険だろう。
姉歯建築士の耐震強度偽装なんか問題にならないくらい危険な設計だと思う。よくこんな設計書が認可されたものだ。
震度1、2程度の軽い地震でもガラスの雨が降るに違いない。

事故を起こしたからには、全面改修が求められると思うのだが、誰の責任だろう?
施主か? 設計者か? 建築業者か? 認可した政府か?
言い訳させたら、みんな勝手なことを言うんだろうな。
施主は、かっこいい奇抜なデザインにしてくれと言っておきながら、自分は専門家じゃないから分らない、全て建築屋に任せていたと。
設計者は、設計通り施工すれば絶対に落ちないはずだ、これは手抜き工事だとか。


コメントから抜粋
遼寧省営口市在住さん

歴史的に考えて見ると、現存する中国の古典建築(大は故宮の宮殿建築から、小は北京あたりに残っている四合院まで)は、外壁は昔の灰色レンガ(「青磚」と言う)ですが、柱や梁の構造物は木製ですから、基本的には木造建築で、いずれも優れた技術の塊です。
また、近代の洋風建築も非常に真面目に造られたものが多く、今でも立派に残っていますね。
新中国建国以後も60年代前半まで(つまり「文革」以前)に造られた建築は、非常に真面目に造られていて、質の高い頑丈なものが多いです。その代表格は「人民大会堂」など「北京の十大建築物」と言われるものです。
但し大連の場合は、戦前の日本統治時代の大型近代建築が多く、それをそのまま使い続けて来ましたから、90年代に入るまで新中国建国以後に建設した大型建築物というのはほとんど無かったようです。

それが「文革」(1966~76、この時期は混乱期で、工場などを除けば大型建築はほとんど造られていない)を経て、「改革開放」の時期に入ると、建築では完全に「質より量」、「工期短縮」が至上命令になって、質的にはどんどん低下して行きます。デザイン的にもつまらないし、実用的にも耐久性でも、稚拙な設計と施工のため非常に質が悪くなって、80年代までこの傾向が続きます。
90年代に入って経済成長が目覚しくなると、今度はなぜか表面をゴテゴテと飾り立てた、「擬似洋風古典様式」だったり、妙に奇をてらった「未来志向」型のデザインの物が増えてきます。但し工法的には大して技術革新がされていないので、20~30年後には耐用年数オーバーになりそうな物ばかりで、現在もそういう傾向が続いています。

この開発区のマイカルの入っているビルの「危険なガラス装飾」も、言わば「奇をてらった」デザインの典型的なものですね。中国の建築基準や検査基準については素人なのでよく判りませんが、確かに安全性が非常に軽視されていると言えるでしょう。
「実用性や安全性と無関係に、表面だけを飾り立てる」、これって最近の中国社会の薄っぺらな虚栄心を反映しているんじゃないでしょうか。

そんなわけで、この記事を見ながら考えてみると、新中国の50数年間の建築だけ見ても、それぞれの時代の社会気風をことごとく映し出しているのがわかりますね。

コメント

教えて下さい。

いつもそうなんですが、写真やコメントの右側が、右の欄にかぶってしまって見えません。 パソコン音痴の小生には対処法が見つかりません。

  • 2006/06/22(木) 10:20:27 |
  • URL |
  • hexue #0gXy5ln6
  • [ 編集]

hexueさん
「お気に入り」とか「履歴」とか開いていませんか。

  • 2006/06/22(木) 11:59:37 |
  • URL |
  • Mark #-
  • [ 編集]

こんにちは。

足跡残していきます。v-522

  • 2006/06/22(木) 12:05:13 |
  • URL |
  • Super源さん #74TXw23c
  • [ 編集]

全面と政府などを

全面と政府などを理解しなかった。


  • 2006/06/22(木) 12:09:41 |
  • URL |
  • BlogPetのジョン #-
  • [ 編集]

Markさんへ

「お気に入り」開いていました。 こんな広い画面だったんですね。
ありがとうございました。 またの機会にもよろしく。
これでゆっくりと画面と対面できます。 パソコン音痴のオジサンより。

  • 2006/06/22(木) 12:33:21 |
  • URL |
  • hexue #0gXy5ln6
  • [ 編集]

責任を押し付ける、人のせいにする、包み隠してしまう、何もなかったように振舞う、搾取をする、挙句の果ては居直る。 これくらいの覚悟がなければ未曾有の国家発展は有り得ない。 いつも痛手を被るのはカネもコネもない弱者、これが中国の一面か。

新華社は、安徽省で輸送機が墜落したと伝えた。 香港の中国系新聞
「大公報」は、ロシア製をベースに開発中の国産初の電子空中早期警戒機が墜落し、搭乗していた軍の電子技術者40名が死亡。 空軍始まって以来の損失と被害だと伝えていた。 
窓ガラスも軍用機も、落ちる時は落ちるが、程度の差こそあれ、犠牲になった人は救われないことがある。 熱い心の救済が今の中国にどれほどあるのだろうか?

  • 2006/06/22(木) 13:25:54 |
  • URL |
  • hexue #0gXy5ln6
  • [ 編集]

こういうのを見聞きすると中国へ行く気が一気に失せますね…
交通事故ひとつとっても、日本にいるよりもリスクの高い生活。
大連ではヘルメットかぶって歩こうかしら…?

  • 2006/06/22(木) 17:07:36 |
  • URL |
  • lulu #-
  • [ 編集]

hexueさん
 小生は、瀋陽**信息技術というソフトウェアが本業ですが、日本では旅行業もやっています。ちゃんとした第1種の国土交通大臣登録です。
 この際ですから、URLも披露してしまいましょう。

Markさんへ

URL、メモしました。 今、イタリア-チェコ戦が始まりましたが、2-1でチェコに勝ってほしいところです。 ペシミストの小生は、朝のニュースでブラジルが勝ったことを知るでしょう。

  • 2006/06/22(木) 22:19:34 |
  • URL |
  • hexue #0gXy5ln6
  • [ 編集]

難しい

そろそろ、ブラジル戦開始ですね。
でも、見ないで寝たい。

でっつさん、今回の--窓ガラスが落ちた--は突っ込みどころ多すぎる話題ですので、コメント嫌中国ばかりでもなんですので、あえて、日本とそれ以外の国々の建築構想、様式についてと思いましたが、、、思っただけで、パス1です。
遼寧省営口市在住さんにお願いします。
寝ます。

  • 2006/06/23(金) 02:39:21 |
  • URL |
  • 青云 #VleQO62o
  • [ 編集]

俺は中国びいきなんだけど

ただ2つについては、中国の物はどうしても納得が行きません。
それは「金物」と「建築」です。

「金物」については、前にも書いたことがあるし、ここでのテーマでもないので割愛しますが、「建築」については、特に70年代以後の中国の建築は俺の概念の中では、ほとんどがNGです。

歴史的に考えて見ると、現存する中国の古典建築(大は故宮の宮殿建築から、小は北京あたりに残っている四合院まで)は、外壁は昔の灰色レンガ(「青磚」と言う)ですが、柱や梁の構造物は木製ですから、基本的には木造建築で、いずれも優れた技術の塊です。
また、近代の洋風建築も非常に真面目に造られたものが多く、今でも立派に残っていますね。
新中国建国以後も60年代前半まで(つまり「文革」以前)に造られた建築は、非常に真面目に造られていて、質の高い頑丈なものが多いです。その代表格は「人民大会堂」など「北京の十大建築物」と言われるものです。
但し大連の場合は、戦前の日本統治時代の大型近代建築が多く、それをそのまま使い続けて来ましたから、90年代に入るまで新中国建国以後に建設した大型建築物というのはほとんど無かったようです。

それが「文革」(1966~76、この時期は混乱期で、工場などを除けば大型建築はほとんど造られていない)を経て、「改革開放」の時期に入ると、建築では完全に「質より量」、「工期短縮」が至上命令になって、質的にはどんどん低下して行きます。デザイン的にもつまらないし、実用的にも耐久性でも、稚拙な設計と施工のため非常に質が悪くなって、80年代までこの傾向が続きます。
90年代に入って経済成長が目覚しくなると、今度はなぜか表面をゴテゴテと飾り立てた、「擬似洋風古典様式」だったり、妙に奇をてらった「未来志向」型のデザインの物が増えてきます。但し工法的には大して技術革新がされていないので、20~30年後には耐用年数オーバーになりそうな物ばかりで、現在もそういう傾向が続いています。

この開発区のマイカルの入っているビルの「危険なガラス装飾」も、言わば「奇をてらった」デザインの典型的なものですね。中国の建築基準や検査基準については素人なのでよく判りませんが、確かに安全性が非常に軽視されていると言えるでしょう。
「実用性や安全性と無関係に、表面だけを飾り立てる」、これって最近の中国社会の薄っぺらな虚栄心を反映しているんじゃないでしょうか。

そんなわけで、この記事を見ながら考えてみると、新中国の50数年間の建築だけ見ても、それぞれの時代の社会気風をことごとく映し出しているのがわかりますね。

hexueさん>
「責任を押し付ける、人のせいにする、包み隠してしまう、何もなかったように振舞う、搾取をする、挙句の果ては居直る。 これくらいの覚悟がなければ未曾有の国家発展は有り得ない。 いつも痛手を被るのはカネもコネもない弱者、…」
これって、最近の虚業金融スキャンダル続きで、「勝ち組」だの「負け組」だのという言葉が跋扈しているコイズミ政治下の日本のことじゃありませんかね?

遼寧省営口市在住さんへ

確かに日本のことでもありますネ。 

先日、中国人の友人M氏の切れ者の後輩J氏が深圳から遊びに来た時、 久しぶりに多岐にわたって話が弾み、 その時の会話の一部を引用しました。 中国に「狡兎三窟」の諺もあり。 
Pessimisticに言えば、「長いものには巻かれよ」か。

  • 2006/06/23(金) 22:13:16 |
  • URL |
  • hexue #0gXy5ln6
  • [ 編集]

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