大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

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禽流感

鳥インフルエンザは、中国語では「禽流感」という。
中国では、この3月末までに24人の患者が発生し、15人が死亡している。
なんとなく耳慣れしてきた鳥インフルエンザだが、なんか良く分からないという人が殆どではないだろうか?

実は、恐れらているのは「鳥インフルエンザ」そのものではなく、ヒトからヒトへと感染する形に変異した新型ウイルスによる「パンデミック」と言われる、世界的な感染爆発の発生だ。

【感染爆発】「パンデミック」(pandemic)
世界的な流行病に対する医学用語。
科学的に照明されているインフルエンザによるパンデミックは、過去3回記録されている。(19世紀以前は、医学未発達で証明できない)
(1918-1919年)スペインインフルエンザ(原因ウイルスはA/H1N1亜型)
医学の未発達も影響して、患者数は膨大で世界人口の25-30%(6億人)、死亡者数は全世界で4,000~5,000万人。日本の内務省統計では、大正7~9年、日本で約2300万人の患者と約38万人の死亡者が出たと報告されている。
(1957-1958年)アジアインフルエンザ(A/H2N2亜型)
世界での死亡数は200万人以上と推定されている。
(1968-1969年)香港インフルエンザ(A/H3N2亜型)
世界での死亡数は約100万人だった。

2003年のSARSはパンデミックとは認識されていないが、鳥インフルが人から人への感染に変異したら、SARSを超える騒ぎになるかもしれない。

【インフルエンザのABC】
ABCといっても、インフルエンザの基本を意味しているわけではない。インフルエンザは原因となっているウイルスの抗原性の違いから、A型、B型、C型に分類される。A型インフルエンザウイルスは元来鳥類を中心に保有されていたウイルスで,少しずつその遺伝子を変化させ,現在流行している香港型やソ連型に変異してきた。
歴史的にA型が大きな流行を起しているが、B型もヒトに感染し流行を起こす。C型もヒトに感染するが、大きな流行は起こさないとされている。
人畜共通に感染するのはA型で、鳥インフルもA型だ。

【H5N1】
A型はさらに、ウイルスの表面に棘状に突出している、赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という、2つの糖蛋白の抗原性の違いにより亜型に分類される。2005年11月末でHAがH1~H16の16種類、NAがN1~N9の9種類が報告されており、組み合わせは全部で144種類にもなる。
日本で毎年冬になると流行する通常のインフルエンザは、A型インフルエンザであるH1N1型、H3N2型とB型である。
亜型の種類によって、毒性や病原性に差があり、今、特に警戒されているのは、H5N1型だ。

【変異性】
厄介なことに、HAとNAは毎年少しずつ棘の形を変えて、連続抗原変異を起こすので、昨年インフルエンザに罹ったとしても、今年のウイルスには免疫がないことも起こる。

【高病原性と低病原性】
鳥インフルは、「高病原性」と「低病原性」に分けられる。低病原性の場合は、抜け羽、卵数低下など軽い症状で、感染に気が付かない場合も多い。一方、高病原性は、全ての鳥に広まり48時間以内にほぼ全てが死んでしまう。
高病原性を引き起こすウイルスの型は、H5とH7のみであるとされている。ただし、H5とH7の全てが高病原性ではなくその中の一部であるが、最初は低病原性でも、数ヶ月で高病原性に変異するので、特に警戒が必要だ。

【今、世界は危険なのか?】
上に書いた過去3回の世界的な感染爆発は、2年以内に収まっているが、現在の高病原性鳥インフルは、2003年に東南アジアで発見されてから3年以上経過し、史上最長で危険な状況である。
H5N1型ウイルスは、特に強いウイルスで、抑制するには数年かかり、ヒトへの感染も懸念されている。通常の季節的なインフルエンザと違い、肺炎を引起し、多臓器不全を発症して、感染者の約半数が死亡する凶暴なやつだ。
ヒトからヒトへ感染し易い形に変異したら、パンデミックを引起しかねない状況である。QA08.gif
WHOは、パンデミックに対する警戒段階6段階のうち、2006年12月時点で、世界は3段階だとしている。言いかえると、「新ウイルスにより感染して症状があるヒトの患者がいるが、ヒトからヒトへの感染はみられていない」と。
パンデミックを防ぐようなワクチンは完成していないし、パンデミックが発生してから製造しても間に合わない。
怖いのは、鳥インフル自体ではなく、変異した新型ウイルスだ。

【予防手段】
・生死に関わらず、鳥や鳥の糞との接触を避ける。特に病死した鳥は危険。
・鶏肉は、ピンクの部分がなくなるまで、良く加熱(70℃以上)してから食べる。
・玉子は、黄身まで固まるように加熱(70℃以上)する。
・他の食物と生肉、玉子との接触を避ける。
・冷凍してもウイルスの活性は失わないので、冷凍食品も生肉に準じて扱う。
・調理の前後の手洗いを励行する
・調理器具等を良く洗う
・外出から帰ったら、手洗い、うがいを励行する。
・生水を飲まない。

【パンデミックはいつ起こるのか?】
こいつは、誰にも分からない。


参考サイト:
国立感染症研究所 高病原性鳥インフルエンザ
国立感染症研究所 インフルエンザパンデミック

外務省広域情報 鳥インフルエンザ流行地域の拡大(その21)
外務省 海外渡航者のための鳥及び新型インフルエンザに関するQ&A
東京都健康安全研究センター 日本におけるスペインかぜの精密分析

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