大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

暖房費に見る社会主義的公平と不公平

大連の冬は寒い。今朝もマイナス2℃だったし、これからもっと寒くなる。
寒さ対策として寒い地方ほどポカポカ生活で紹介したように、暖気というスチーム暖房のような暖房器が各部屋に取り付けられており、熱力会社から温水を24時間供給されるので、夜でも朝でもポカポカ生活と言うわけだ。温水供給の料金は、部屋の面積に応じて支払うことになっている。

さて、この暖房費に対する補助手当てについては、昨年までは、各会社ごとに対応が異なっていた。ある会社では、熱力会社の領収書を提出すれば全額支給してくれたり、半額支給だったり、領収書に関係なく定額だったりしていたのだと思う。(よく分かりません)

中国の東北地方の冬には暖房費が不可欠であり、企業毎に対応が異なるのは好ましくなく、年金と同じように公的な取り決めによる補助が社会基盤の一つとして必要であると考えた大連市政府は、昨年から暖房費補助手当ての条例を発布した。この暖房費補助手当ては個人の収入とは捉えず、年金の計算や所得税の計算には含めない。
しかし開発区では、早急過ぎる決定には各企業が対応できないからと昨年は実施せず1年間先送りにしてきたが、2007年から実施すると発表した。

この社会理念は大変に素晴らしいもので、さすがは社会主義国の発想だと感心したものだが、その実態はと言うと。

役職の呼称に多少混乱があるが、まぁ、分かりやすく例示してみれば、こんな感じだ。
  局長クラス:140平方メートル(2254元)
  部長クラス:120平方メートル(1932元)
  課長クラス:110平方メートル(1771元)
  係長クラス:95平方メートル(1530元)
  一般社員、作業職:60平方メートル(966元)
       ただし25年以上の勤務者は95平方メートル

実際の年間支給額は、次の式で算出する。
  年間支給額=面積×基準単価(今年は23元)×70%
これを12ヶ月で割って、毎月均等に支給することになっている。

例えば、局長クラスの人でも、55平方メートルの小さな家に住んでいたら、暖房費で利益が出てしまうし、更に、夫婦で働いていたら、双方の会社から暖房費補助手当てが支給されるので、一人分丸儲けと言うわけだ。
逆に、作業職の人でも夫婦で頑張って120平方メートルの家に住んでいる人がいる。この人たちは、半額しかもらえないことになる。

さぁ、どうだ。これが公平な分配と言えるか?

これに関してある中国人とディスカッションする機会があった。
「こんな不公平な制度は無いよな」

「どこがですか」

「偉い奴は暖房費補助手当てで利益がが出るほどもらうのに、作業職は安月給で只でさえ生活が苦しいのに少ししかもらえない。かわいそうじゃないか」
「いや、その考え方はおかしい、偉くなる為には、勉強して苦労して相当努力をしたはずだ、それに報いるべきです」

「だって、目的は暖房費補助だよ、実際に発生する費用を勘案すべきだろう」
「違います、作業職が大きい家に住むのは、身分に合わない生活をしているのです」

「作業職だって、会社にとっては大事な人だし貢献もしている」
「作業職は大学を出ていない。幹部になる人は、全国統一試験に合格して大学を出るのに苦労をしているのです。それを無視したら、大学に行く人がいなくなってしまう」

「そんなに人格を否定するような話じゃないだろう。生活の基盤となる暖房費補助手当てでそれほど格差をつけたら不公平だ」
「いいえ、中国における公平とは、そういうことなのです」

この後、彼と意見の一致を見ることは無かったが、そういう考えもあるのかなぁ!と。
勿論、彼が中国の考え方を代表している訳ではないのだが、発表された数字は、彼の考え方を物語っている。

こんな考え方では、弱者救済なんかとても出来ないだろう。
オレには、どうしても公平な制度とは思えないのだが。

皆さんは、どう感じますか?

コメント

うーん、以前でっつさんが書いてた「階級意識」みたいなものなのかなぁ。
極端な言い方すると、えらい人は沢山貰う。えらい人は何してもOKみたいな。
暖房の補助金にも小さな格差が見え隠れするんですね。

  • 2006/11/27(月) 13:38:30 |
  • URL |
  • zhehong #-
  • [ 編集]

ちゃんとした日系会社は

この暖気代は、当たり前のように払うのでしょう。
自分の知り合いの日系会社で、払っていない所はありません。

でもね、私は、自分の部下から聞かれました、
部長、なんでうちの会社は暖気代が無いんですか?

とんでもないよな、この会社は。

  • 2006/11/27(月) 21:50:12 |
  • URL |
  • 青云 #-
  • [ 編集]

これも過渡的な措置

これは単に暖房費(中国語では「取暖費qu3nuan3fei4」)だけの問題ではなく、従来からの機関(役所)や国有企業などの住宅分配制度と連動した名残りですね。
現在では住宅の現物支給というのはほとんど無くなっているらしいですが、90年代の初めぐらいまでは役職によって面積が決まっていました。最近の10数年間で「持ち家」制度が普及して、以前の公宅や社宅の類いも払い下げ的に個人に売却され、新たに建設されたアパートやマンションはほとんどが「商品房」です。ですが、賃金による負担能力の差でしょうか、管理職はやはりそれなりに面積の大きな家に住み、平社員は小さな家という場合が多いようです。(もちろん例外はあるが)
ですから、でっつさんが調べてくれた役職と面積と支給額の関係は、現状では平均値としてそれなりの妥当性があるようです。

ところで話は中国から離れますが、俺の郷里の北海道でも「暖房手当」というのがあって、昔は石炭のトン数で、今は灯油のドラム缶本数で計算し、毎年末のボーナス時期に一緒に現金支給されます。ただ中国と違って「世帯主」と「独身者」(半分)の2本立てになっています。

因みに俺が今、営口で借りているアパートは、形式上は大家の息子が住んでいることになっていて、彼の勤め先の会社から暖房手当てが支給されるので、店子の俺としては実額との差額の300元ほどを払うだけで住んでいます。
ところが今年、近所にマンションを購入したので、まだ引っ越してませんが、そちらの暖房費を2,000元近く自腹で払うはめになりました。
俺、今は日本企業にも中国企業にも所属してないから、暖房手当もらえないんだよなぁー、トホホ。

階級に伴う差別

>zhehongさん
結局、階級意識なんでしょうね。
もともと給料が高いのだから、暖房費で稼がなくてもいいだろうと思うのですがねぇ。

>青云さん
ええっ!
取暖費を支給しないと当局から指導されませんか? 罰金だか営業停止だか。
当社も弱小企業だけど、払わないわけには行きませんよ。

>遼寧省営口市在住さん
やっぱり役職に伴う差別って、歴史的なものなんですね。
私の父は、東北地方の公務員でしたが、寒冷地手当てなるものを貰っていましたよ。金額は知りませんが。
遼寧省営口市在住さんが暖房手当てがもらえないって、事業主(?)だから仕方ないでしょう(笑)。

  • 2006/11/29(水) 20:54:35 |
  • URL |
  • でっつ #m/aUcm4U
  • [ 編集]

はじめまして。326です

私も大連に住んでいるのですが、この暖房費どの様に払うかまだわかりません。
タダではないですね。。。。
請求がくるんですね。また教えてください。

私の家は、ロスフで50平米です。

  • 2006/12/05(火) 03:36:11 |
  • URL |
  • 326 #-
  • [ 編集]

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://huaihua.blog5.fc2.com/tb.php/496-7d90f8e1
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。