大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

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靴べらが割れた

「お~い、頼まれてた棚を作ってやったぞ」
「あいよ、あら、あんたにしちゃぁきれいに作ったわね」
「おうよ! ちょっと汗かいたから、風呂に入ってくらぁ!」
「お疲れさん、温まっておいでよ」

「さてと、折角作ってくれたんだから、この辺の本でも片付けようかね、ヨイショっと」
    ・・・・・・・・・
「あんた、大変だよ。棚に本を載せたら、棚が落ちちゃったよぉ」
「バカヤロー! 棚に物を載せるやつがあるか、あの棚は、張子の棚ってんだ」
なんて落語があったかどうか知らないが、見掛け倒しのものを「張子のナントカ」って言う。

中国で買った靴ベラを使っていたら、ある日突然割れた。
多少の力は加わったかもしれないが、靴ベラとしての目的の範囲だと思う。それで割れたのだから「張子の靴ベラ」と言われても仕方がない。
0701020xiebazi.jpg

代わりの靴ベラが必要なので、市場に買いに行った。
プラスチック製品は、2元とか3元とかでいろいろあるが、どれも「張子の靴ベラ」に見えて仕方がない。
また、割れたら嫌だなぁなどと思いつつ探している時に、目に飛び込んできたのが、「竹製の靴ベラ」だった。
プラスチックと比べると、少し厚みがあるので使い難いのが難点だが、割れることはない。(ささくれ立つことはあるが) 天然素材の魅力が湧き上がってくる。再生品混入がないからだ。

中国のプラスチックには、とんでもなく脆い物がある。
中国の安いプラスチックでは、日本では考えられないような粗悪な品質の製品がある。
勿論良い物もあるのだが、悪いものは信じられないほど徹底的に悪い。

プラスチックって、バージン材料(女性蔑視かどうかはともかく、未使用の材料をバージンという)は、粗悪品は少ない。樹脂メーカーが厳しい品質検査をしているので、粗悪品はないのだ。

熱可塑性プラスチックは、成形したときのくずや失敗した不良品を細かく砕いて再利用することが出来る。熱を加えるとドロドロに柔らかくなるので金型に詰め込めば何度でも使えるのだ。ところが、何回も熱履歴を受けるとプラスチックの分子が分断されて脆くなり、柔軟性がなく伸びも少なくなる。つまり壊れやすくなる。

丈夫なポリ袋って、引っ張ってもなかなか切れずにドンドン伸びていくよね。それに対して、再生を繰り返した材料は、伸びがなくて切れ易くなる。つまり、引っ張ると伸びずにボロボロに裂けてしまう。

中国の個人商店が集まっている市場で物を買うと袋に入れてくれる。
野菜を少しだけ買うと、1元に満たないことも多いが、必ず袋に入れてくれる。0.5元の買い物におまけで付ける袋なのだから、100枚で1元くらいのものではないだろうか。
この袋がすごいんだ。モロさ100倍、強度100分の1みたいな代物で、野菜を入れて口を縛ろうとして引っ張ると千切れる。ネギの葉っぱが邪魔なので折り曲げて袋の中に押し込むと、ネギが袋を突き破る。こんな袋って想像できますか? 正に「張子の袋」だ。
誤解のないように付け加えておくが、まともなスーパーやデパートの袋ではこんなことはない。

オレが使っているクリーニング店にスーツやジャケットを洗濯に出すと、プラスチックのハンガーにかけて納品される。このハンガーがまた、脆い。日本なら針金のハンガーだがこちらでは、プラスチックのハンガーだ。
いくつかたまるもんだから、洗濯物干しに利用したりするんだが、洗濯物をかけて、手でパタパタ叩いてちょっと力が入ると、ポキンと折れる。
あれ! そんなに力を加えたっけ!?

先の袋といい、このハンガーといい、プラスチック工業に多少なりとも関わった者としては、信じられない物性だ。こんなものを製品として市場に出して良いのだろうかと良心の呵責に苛まされることだろう。

「それなりの値段なのだから、それなりの物性で良い」


とは、割り切れないところが、日本人なのかなぁ?

コメント

これも国民性でしょうか?
韓国も同じような袋を使ってる
ところがありますね~多分中国製です。
でもコンビニやスーパーは
必ずと言っていいほど
「袋要りますか?」
と聞かれW20(3円)くらい
お金を取られます。
この袋はかなり丈夫ですよ~

  • 2007/11/05(月) 20:28:02 |
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レジ袋

>ismさん
レジ袋廃止運動は、日本では盛んに展開されていますが、中国では全くその気無しです。極一部に布袋を持ち歩こうという運動があるようですが、一般には知られておらず、袋はもらった方が得だと思っているようですよ。

  • 2007/11/06(火) 07:17:06 |
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  • でっつ #-
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再生樹脂

中国には相当量の再生樹脂が日本から流れ込んでいます。あんまりひどいのはバーゼル条約にひっかかるんでしょうが、それこそ「えっ」というようなものまで買いあさっています。

日本も国内用再生PETとかは比較的再生技術がしっかりしているんですが、中国に輸出したりするものは小企業が適当に作った単純溶融して固めたブロックのようなインゴットというのが多いです。このインゴットがくせものでして「溶ければ良い」というような扱い(熱のかけ方)をするもので、本来の分子量の数分の一に落ちていたりします。おまけに異物の混入も多い。
それに加えて中国に入ると末端成形業者は樹脂の扱いをしらないもんで、ブローにしろインジェクションにしろ乾燥しないでバンバン成形してしまう。一見すると成形できていますが、樹脂によっては加水分解状態でボロボロ。それを見かけ補うために離型剤をふりかけまくるもんでさらに(内部は)ボロボロ、といいことありません。せめて社内で押し出し機で練り混ぜてもらえばましなんでしょうが、そんなこともしない。これでは良い物はできません。

中国国内の素原料(モノマー)の単価が国際水準より高いこと、再生樹脂がバージン材に比べて安いもんでこれになるんですが、なんでもかんでもやられるとそのうち問題になると思います。

ちなみにポリ袋は厚みも厚いしPEとすればおそらく厚みや物性制御はできていません。さらに加水分解しているんじゃ・・・と思われる脆さでした(
私の買った商店のポリ袋は。)

ismさん
韓国は確か使い捨ての品の無償配布を法律で禁止していたのでは?
少なくともホテルの剃刀や歯ブラシはそうなっていたはず。袋も
ひょっとして?それで有償なのでは?

  • 2007/11/06(火) 21:56:04 |
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  • papa_38 #-
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papa_38さん、すごい

>papa_38さん、こんにちは。
とても丁寧な詳しい解説をありがとうございます。
私も、プラスチック技術をかじったことのある元エンジニアなので、仰ること一つ一つなるほどと読ませていただきました。一般の人がとこまで理解出来たか分かりませんが、相当ひどいことになっていることは、文脈から容易に想像できるでしょう。
だけど、本当にひどいものがありますよ。極端な話が、一応材質はPEのようなのですが、ティッシュペーパーと比べてどっちが丈夫か?みたいな。
こういう再生材料が日本から出ていたとは知りませんでした。

  • 2007/11/06(火) 22:39:56 |
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  • でっつ #-
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papa_38さん

無料配布禁止なんですか~
知らなかった~。
確かにホテルは全て有料ですね~

  • 2007/11/07(水) 12:43:19 |
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  • ism #-
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PET

私は食品会社に勤務しているのですが、
未だに、「PET・PE・PP」の区別をハッキリ説明出来ません。
リサイクル法が施行されてから表示義務がありますので、
担当者は理解しているようですが・・・・・・・・・・・・・
お恥ずかしい限りですが教えてください。
(おおよそは知っています。でも、人前で言葉にして言う自信はありません)

  • 2007/11/07(水) 14:32:31 |
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  • こうちゃん #-
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PET・PE・PP

どの程度をご希望か分かりませんが。私も樹脂の専門ではないので。

PEはポリエチレン、PPはポリプロピレン、PETはポリエチレンテレフタレートの略号というのはご存じかと思います。エチレン、プロピレン、テレフタル酸(乱暴に言えば)が基本構造で、そもそも分子構造が違います(このあたりいうのは大変なまでWikipediaでもあたってください。)

特徴としてはそれぞれ耐薬品性に優れた樹脂で、容器によく使われています。

すごく乱暴に言うと、PE→PP→PETの順に耐熱性や硬さが高くなります。

PEあたりですとものにもよりますがかなり柔軟性にとんだ物もあります。
PPあたりはそれなりに硬いので箱物容器なんかにも使われています。
PETは耐熱性が極めて高く、加工性に富み、ガスバリア性があるなどの特徴のある樹脂です。PETボトルが有名です。

この中ではPEとPPが汎用樹脂とされているのに対し、PETだけは高耐熱など他と違う特徴があるという意味でエンジニアリングプラスチックとよばれる分類に入っています。

中国にはPE、PP、PETのいずれもリサイクルとしてでています。PEは知りませんが、PPは自動車部材や家電のケース破砕品、PETはPETボトルが主たるソースです。

PETはそのままでも繊維などにしてリサイクルできますが、ガラス短繊維を混ぜた入りすると寸法安定性や強度向上が望めることから(PPもそうですが)、そういう使い方をしているかもしれません。

こんなところでどうでしょうか。

  • 2007/11/07(水) 20:51:21 |
  • URL |
  • papa_38 #-
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ポリ袋

>でっつさん
私が大連でかいものをしたときに貰ったポリ袋は、なんというかこするとポロポと崩れていくような物でした。たぶん厚みが均一でないか、材質ムラで短冊を継ぎ合わせたような状態になっているんだと思います。
もちっと丁寧につくれば良いのに・・・。せっかくの商品が落ちてもだれも文句をいわないんでしょうか。

  • 2007/11/07(水) 20:55:01 |
  • URL |
  • papa_38 #-
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食品工業では

>こうちゃん
PE,PP,PETの解説は、papa_38さんの説明で十分でしょう。

食品工業でプラスチックと関わるのは、殆どは包装でしょうね。
食品工業の包装パッケージでは、単純材質のフィルムが使われることは、むしろ稀です。殆どの場合はラミネート(張り合わせ)フィルムです。(ブリスターでは塩ビ、PP、ポリカーボネートなどの単純材質が使われますが)

一般には、内側に低温で溶着(熱シール)可能なPEフィルムをおいて、外側に丈夫なPETという袋物が多いようですが、特に気体透過を嫌う場合には、塩化ビニリデンを使ったり、完全に通気性を遮断したい(レトルト食品など)場合にはアルミニウムをはさんだりします。
耐熱性の面ではナイロンも使われますが、見た目には分かりませんね。

いずれにしても、物を入れたら破れるような材質は、包装容器には適さないことは自明のことです。
中国でも、さすがに有名な食品メーカーでは、粗悪パッケージは使っていませんよ。

  • 2007/11/07(水) 23:10:31 |
  • URL |
  • でっつ #-
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ありがとうございました

>papa_38さん、でっつさん
大変参考になりました。ありがとうございました。
普段からPE・PP・PETという表示を目にしているのですけれど、
これがPEで、これがPPで、これがPETと区別できないでいるのが現状です。
食品業界では、トレイ・フィルム・シールなどをいつも使用していて、当り前のように
目の前を通り過ぎている。ところが実情はこんなもんなんです(汗)

巷では食品業界のコンプライアンス問題が取り沙汰されていいます。
特に今年になって不二家から始まり、ミートホープ、白い恋人、赤福、お福餅、吉兆
などがニュースで騒がれています。
(大連にこんなニュースが入っているかどうかは知りませんが)
本当に他人事ではありません。
もっとも、ミートホープは中国のダンボール入りの小龍包と変わりませんが(笑)
明日は我が身の状態が食品業界では何処も抱えている問題です。
私の会社では原材料を主に魚を使っていますが、
賞味期限が切れた商品を捨てるのを見るたびに
『勿体無い』と痛切に感じております。
お金を出して原料を買い
お金を出して保管し
お金を出して製造し
お金を出して商品を保管し
お金を出して捨てる
しかも、地球上の生物を人間が食べるために獲り・殺して、
まだまだ充分に美味しく食べられるのに捨ててしまう。
(私など、捨てられる商品を内緒で持って帰って食べています)
人間のエゴと傲慢が成せる技なのです。
何か何処か間違っていると痛感しています。
コンプライアンスとの狭間でどの食品会社も悩んでいるところです。
中国の食料品市場を見ると、ある意味中国の方が食品を有効に使って
いるのでは・・・・・・・と考え込んでしまいます。

  • 2007/11/08(木) 09:34:07 |
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  • こうちゃん #-
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