大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

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簡体字解体新書8(1画減らす工夫)

中国簡体字では、1画へ減らすことにも工夫を凝らしている。

今日は、日本の漢字と殆ど同じ字形なのだが、1画少ない字を紹介しよう。

まず、簡体字を作るときに、日本字よりも1画少なく設計された文字だ。
単の字は、もともと上に四角が二つ乗っかった形をしていた、つまり「單」だ。
2つの四角を、点々に置き換えるときに、日本では3つの点々にしたが、中国では2つの点々にしただけのこと。どちらでも同じようなものなら、二つで間に合わせた方が楽だな。
071210tansen.jpg
銭・浅・践の字は、「餞」の字で示した旁をどう簡略化するかで決まったのだが、横棒が2本でも3本でも大した変わりがない。識別可能なら、2本にした方が楽だ。「餞」の字は、中国では簡略化されたが、日本では旧体字のまま残されている。




次は、「縦棒」と「左払い」を一体化して、1画減らした字だ。
まず分かり易い2文字を示そう。
「着」と「差」だが、縦棒があり、これとは別に左払いがあるのだが、中国簡体字では、これを一体化して、一筆で書くことにより、1画減らしている。
これに伴って、当然のことながら筆順も変わる。
071212chakusa.jpg
「像」の字も同じで、よく見ると、中国簡体字は、斜めの線が一筆で書かれている。日本字は14画だが、簡体字は13画である。
勿論「象」でも同じことだ。

下の「鬼」グループ、「免」グループ、「卑」グループも同じ考え方だ。
071206oni.jpg



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2011年1月27日追記
コメントで指摘されて調べてみたら、「免」と「卑」のグループは、わざわざ一画減らすために作った文字ではなく、下の欄が元もとの旧字で、上の欄は、どういう理由か分からないが俗字を日本文字に採用した結果のようだ。
大修館の新漢和辞典三訂版にこのような記載がある。
100126menhi.jpg

ただし「鬼」グループは、同じような記載がないので、上の段が旧字らしい。
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これから説明する文字は、2画をくっつけて1画にしてしまった文字だ。
 | と _ の2画を、くっつけて L に変えてしまった。
叫・糾・収のグループは、「叫」の旁を、3画にするか2画で書いてしまうかの違いだ。
これは、字形が変ってしまうので、オレは違和感を感じる。
「収」の字は、せっかく、偏で1画減らしたのに、旁の方で2画多いので、日本字より1画多くなってしまった。
071210sakebu.jpg
次の降・舞・瞬・隣のグループも同じ考え方だ。
ヰの2画目と3画目をくっつけてしまうという荒っぽいやり方だ。
ここで「隣」の簡体字も同じように説明しようとしたが、簡体字では、全く異なる字になっているのだ。

続いて「牙」グループも同じ考え方で、「牙」の2画目と3画目をくっつけてしまったものだ。

「瓦」「印」「敢」も同じで角を曲げることによって1画減らしている。
071212kawara.jpg
「巨」の字は、日中で同じ形だが、日本では5画、中国では4画になる。中国簡体字では、「区」などと同じように L の形を一筆で書いてしまうからだ。

文字を示さなかったが、簡体字では、「修」の字も同様に上部「攵」の部分を「夂」の形にして、1画減らしている。


次の「骨」グループはすごいよ。
なんてったって、1画減らすために、左右を変えてしまったんだ。
「骨」の字の上中央部は、本来は、日本字のように右を向いていたのが、これだと2画必要だが、左側に向ければ1画で書ける。
中国の簡体字設計メンバーは、この現象を発見したときに感激したことだろう。
071211honehai.jpg
次は、例示としては、1文字しか探せなかったが「肺」の字だ。
見ただけでは分かり難いが、日本の「肺」の旁は5角だが、中国字の旁は4角なのだ。
日本字は、「市」と同じで、「点」と「縦棒」は別だが、中国簡体字では、縦棒が1画で上から下へ突き抜けるので、4画になる。
言っている意味が分かるかな?
同じような形だが、「柿」の字は、日中共通で、「市」を使っている。
「肺」の字が謎だ。

「変」の字は、下半分が中国簡体字では「又」になっているので、1画少ない。




最後のグループは、日本字が「さんずい」だが、中国簡体字では「にすい」になっている文字だ。中国にも「さんずい」の文字はたくさんあるのだが、どうしてこれらの文字が「にすい」になったのかは、オレの知識では分からなかった。
071211keturyou.jpg

コメント

画を減らす工夫

大変面白い発見ですね。
へんはグループを表し、つくりは発音を表すという原則に立つと
柿は市と同じ発音だから、肺Feiと同じにはできない。肺は草冠に市、
さんずいへんに市と記述してFei,Peiと同じ発音組みに入るからと思う。
決、涼などがにすいになるのは、液体状の水から離れた状態だからか、
氷も中国語ではニスイになる。
などなど思いつくままに書きましたが、中国書体辞典などにはいやというほどの、異字体が載っており、これは草書体とか石碑の中の文字を
拓本したものとかで、石碑を彫るときに、皇帝の名前やイミナと同じ文字は死んでも使えない(使ったが最後殺されてしまった)ので、書家や石碑の碑文を彫る職人たちが、点を加えたり、逆に缶さんの発見されたように、点と線をつなげたり(松本清張みたい、笑い)して工夫を凝らしたのでしょう。
かつて道を辺とし(Dao)渡邊の辺の旁を力にしたのですが、判じにくい
というクレームが出て、道はもとの道に戻されたとか、家はウ冠の
下に豕(豚)がいるのはおかしいとして、ウ冠の下に人を書いたのですが、これも人だけではないとして取り消されました。

  • 2007/12/14(金) 16:34:50 |
  • URL |
  • サンディ #-
  • [ 編集]

???

「次」という漢字は、偏旁の意符を構成要素とする漢字を収める「欠部 : けんぶ」に属し、冫部(ひょうぶ=日本語でにすい、中国語では兩点水)には属さないと「ウィキペディア」に書いてあるのだが、私の持っているどの辞書も「次」と言う漢字は「にすい」の欄に入っている。 どういうこと? 教えて下さい。

日本字の「塚」=中国字の「冢」には「ヽ」があり、
日本字の「家」=中国字の「家」には「ヽ」がない。
これは間違っていない。

  • 2007/12/14(金) 20:36:42 |
  • URL |
  • hexue #0gXy5ln6
  • [ 編集]

やっかいな

ああ~知らずに日本漢字を使っていたのがいくつもありましたわ。
「肺」とか「勉」とか。
そういえば、「収」はいつも、どちらがどちらか解からなくなるんですよ。
普段はまあいいや、で済ませているのですが。
間違えたまま覚えていると、辞書をひくとき困るんですよね。

「日本漢字と微妙に違っている」という漢字が一番曲者だわ。

  • 2007/12/17(月) 14:34:37 |
  • URL |
  • カンカン #J7gMWUUA
  • [ 編集]

知らなかった

像や免や鬼が一角少ないのは初めて知りました。
日本と同じと思い込んでいたものがこんなにたくさんあるとは。
ありがとうございます!

  • 2009/04/20(月) 13:17:21 |
  • URL |
  • iwataro #mQop/nM.
  • [ 編集]

卑や晚などはむしろ一画少ないほうが旧字体、繁体字らしいですね。
http://ja.wiktionary.org/wiki/%E5%8D%91
http://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%99%A9
新字体でなぜ画数が増えたのかは分かりませんが

  • 2011/01/26(水) 02:04:38 |
  • URL |
  • 名前の入力なし #ipqFVNis
  • [ 編集]

本文に追記しました

>2011年1月26日の書き込みさん
ご指摘ありがとうございます。
漢和辞典で調べてみたら、ご指摘の通りだったので、本文に追記しました。

  • 2011/01/27(木) 09:29:12 |
  • URL |
  • でっつ #-
  • [ 編集]

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