中国で、昨年の流行語にもなったほど注目されている単語だ。
中国語で「居民消費価格総水平」、日本で言えば「消費者物価指数」のことだ。なぜ注目されてるかというと、近年に無く値上がりが激しいからだ。
まず下のグラフを見ていただきたい。

新聞に掲載されたグラフだが、国家統計局の資料に基づいて、新華社が作ったというのだから、権威としては十分だ。
日本でも、小麦や原油価格の高騰のために、小売商品が値上がりしているとのことだが、消費者物価指数は大きく動いていはいない。
中国では、昨年比8.7%アップとは尋常ではない。
更に、食品類に限定すると、23.3%アップ。
生活レベルを示す指標の一つとして、エンゲル係数がある。
エンゲル係数(エンゲルけいすう、Engel's coefficient)は、家計の消費支出に占める飲食費のパーセントのこと。一般にこの係数が高いほど生活水準は低いとされる。ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲルが1857年の論文で発表した。(Wikipediaより)
日本のエンゲル係数は20%くらいだが、中国のエンゲル係数は40%程度と高く、日本なら昭和30年代中頃と同じくらいだ。エンゲル係数が高いので、食品類の高騰は庶民にとっては辛いところだ。
個別品目を見てみると、豚肉の値上がり率は何と、63.4%アップ。
中国人は豚肉が好きだ。形容詞が無くてただ「肉」といえば、豚肉を指すくらいだ。その豚肉の値上がり率は実感として数字以上に大きく感じる。昨年100円だった豚肉が164円になったということだから、ビックリだね。
生鮮野菜が46.0%アップ。中でもネギが高いそうだ。そんな中で、比較的安いのがジャガイモと白菜で、当社の社員食堂では、近頃はジャガイモか白菜はが必ず出るようになった。
中国料理には油を沢山使う。食品油脂類の値上げ率は41.0%なので、これも庶民には厳しい。
これらの数字は、政府が低めに取りまとめており、実際はもっと値上がりしているという声も聞こえてくる。
これだけ食品類の値上げが激しいと、料理屋でも安閑とはしていられない。中国料理の中でも安く食べられるのが「火鍋」だが、先日ある火鍋屋に行ったら、メニューの価格が訂正されていた。例えば16元の肉が19元とか。
毎年、毎年二桁の経済成長を遂げている中国だが、物価も上昇している。
一方衣類は1.4%値下げになった。他に交通や通信も1%程度の値下げになった。