大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

オリンピックメダル数の国別相対価値

北京オリンピックが閉幕した。
テロや環境、マナーなどいろいろな問題が懸念されていたが、大会を中止するようなことにはならず、無事に閉会式を迎えたことで安堵した。

オリンピックの事後談はこれから山のように出てくるだろうが、今日は、メダル数について論じてみたい。
獲得メダル数のランクとしては、金メダル数の順に並べるのが国際慣例であるのに対して、アメリカでは金銀銅を合わせた総メダル数の順に並べる方式を取っている。この順にするとアメリカが1位になるので、中国としては面白くない。アメリカは潔く負けを認めて金メダル順に改めるべきだと、言いがかりをつけているのも、中国らしい。
さて、hexueさんのコメントで、人口とメダル数との比較を書かれていたので、こういう相対評価についてまとめてみたい。

どういうことかというと、中国は51個の金メダルと取ったと威張っているが、人口が13億人もいるのだから、人数に比べたらまだまだ少ないと言う理屈だ。
確かに、中国とアメリカを比べると逆転するのだが、世界のレベルはどうなのだろうか? そして日本の位置はどの辺なのだろうか?
金メダルを4個以上獲得した18カ国について、いろいろな順に並べてみた。
なお、国別人口は、国際連合経済社会局人口部による『世界の人口推計2006年版』のデータから抜粋した。(日本語訳はウィキペディア「国の人口順リスト」)
また、GDPはウィキペディア「国の国内総生産順リスト」の2007年IMFデータを利用した。

【 1 】 人口比金メダル数(何人で1個の金メダルを獲得したか)
人口が多い国は、それに比例して運動能力が優れている人が出るのは当然(人種や生活の特性を無視した暴論ではあるが)で、人口を金メダル数で割ってみれば、何人で一個の金メダルを取ったかが分かる。
現在、世界の人口は67億人と言われており、北京オリンピックの金メダルは302個だったので、全世界平均を取れば、2200万人に1個の金メダルが発行された。実際のメダルの数は、たとえばソフトボールは15選手に与えられるので15個なのだが、ここでは種目数を1個と数える。
中国は2600万人で1個の金メダルを獲得したことになり世界平均よりも効率が悪い、一方、アメリカは850万人で1個ということになり、アメリカの方が少人数で金メダルを獲得したことになる。日本はと言うと、1400万人で1個と効率が悪く威張れる数字ではない。最も効率が良いのは、人口僅か270万人で6個の金メダルを獲得したジャマイカで、人口45万人で1個の金メダルを取ったことになる。もっともウサイン・ボルトという一人のスーパースターが100m、200m、400mリレーと3個の金メダルを稼いでいるので、統計処理には向かない。
リストアップした18カ国の中で、世界人口比よりも金メダル獲得数が少ないのは中国だけだった。
つまり、特定のスポーツエリート育成に集中して、農村・山村部に関係ない人が世界平均よりもたくさんいると言うことだ。
GoldMan.jpg


【 2 】GDP比金メダル数(金メダル1個当たりのGDPはいくらか)
いやいや人口だけじゃないよ、スポーツ教育には金がかかるものだ。国が豊かでなければスポーツ育成も十分にはできないだろう。と言うわけで、国内総生産を金メダル数で割ってみた。 
なんと驚いたことに、日本が4900億ドルでトップだった、次いでアメリカが3800億ドル。中国は640億ドルで金メダル1個獲得でロシアとオーストラリアに挟まれている。
ここでも、ダントツなのがジャマイカだ。僅かに18億ドルの稼ぎで金メダルを1個獲得している。これもボルト効果と言って良いだろう。
GoldGDP.jpg


【 3 】単人GDP比金メダル数(金メダル1個当たりの一人当たりGDP比)
国内総生産が大きくてもそれ以上に人口が多ければ豊かとはいえない、本当の豊かさは一人当たりGDPで論ずるべきだと言う考え方があるので、国民一人当たりのGDPを金メダル数で割ってみた。
一人当たりのGDPと言えば、ここ数年間、先進国の中では一人負け状態の日本だが、どうだろうか?
乱暴な表現だが、イメージとしては、国民一人一人がいくら稼いだら金メダルが手に入るかかと言うことになる。
このまとめでは、オランダとスペインの効率が悪い、国民ひとり一人が2~3000ドルを稼がなければ一個の金メダルが手に入らない。
中国の一人当たりGDPは2400ドルで国際レベルとしては決して高くはないが、ケニヤ、エチオピアと比べるとずいぶん高い。一人当たりGDPが1000ドルを超えるとマイカーを持つ人が現れ始め、3000ドルを超えると爆発的に増えるそうだが、中国はその途上にある。
一人当たり24ドルの稼ぎで金メダルを1個獲得しているのは、これら18カ国の中では、一番効率が良い。効率が良いと表現したが、表現を変えれば、実力以上に無理をして国民一人一人に負担を強いているのかもしれない。
日本では、1個の金メダルに対して国民ひとりが1400ドル出せる(稼いでいる)のに対して中国では24ドルしか出せないのだ。
日本の位置と中国の位置が大きく離れていることを眺めていると、日本が経済的に先進国であるのに対して、中国はまだまだ発展途上国であることの現実が浮かび上がっている気がする。
AllUGDP.jpg



以下、金銀銅メダルをまとめた総メダル数で、同様の集計をした表を掲げておくので、見てくれ。
金メダルだけの集計と比べて大きな変化はないものの、微妙に違う。
中国は他の国と比べて、金メダルへ集中しているのが特徴かな。
【 4 】 人口比総メダル数(何人で1個のメダルを獲得したか)
AllMan.jpg


【 5 】GDP比総メダル数(メダル1個当たりのGDPはいくらか)
AllGDP.jpg


【 6 】単人GDP比総メダル数(メダル1個当たりの一人当たりGDP比)
AllUGDP.jpg


大会終了後に慌てて集計したので、計算ミスがあるかもしれない。もしミスがあれば訂正します。

コメント

金メダルの数

そうなんですよね。
いつも家内が今日は中国の金メダルが○個、日本が×個と言うんです。
そこで私は、中国は人口が日本の10倍だから、
中国が金51個なら日本は90個と同じだよと、言い返しています(笑)

  • 2008/08/25(月) 17:36:31 |
  • URL |
  • こうちゃん #-
  • [ 編集]

メダル獲得大国

国家の威信を懸け、政治の影が見え隠れした北京五輪が終わった。 
中国指導部が「挙国総動員」体制で臨んだ北京五輪は、巨費を投じて諸施設を新設し、幼少時から選抜し、国家ぐるみで鍛え上げた選手たちの活躍と金メダルの量産、開会式での過剰演出や官製応援、あるいはメディアへの規制など、中国が見せたいものを強調すればするほど、一党支配の地金は透けて見えた。 また、巷間話題になった件をも含め、観戦マナー、過剰警備、人権問題、報道規制などに対する批判は顕在化した。
指導部は成功をアピールするが、世界に印象づけた異質性は「中国脅威論」再燃の素地も残した。
北京某大学の教授は匿名を条件に、「共産党が絶対正しく、批判は許さないという権威主義を象徴する五輪だった」とのコメントが興味深く、北京市内の競技場周辺には地対空ミサイルを配備し、北京・瀋陽・済南・南京の四軍区から3万4千人の人民解放軍兵士とボランティアガーディアンなどを含めて150万人での「戦時体制」でテロを封じ込めたと、一地方新聞が論評している記事を抜粋した。

全体としての大会運営はほぼスムーズだったし、ボランティア数は北京の人口の10%に当たる170万人の登録があり、「ボランティア元年」とも言われ、新しい中国?の一面かもしれない。 
大会に参加したアスリート、運営に従事した関係者たち、眼に見えない多くの人々に賛辞を呈上して止まない。

「人口とメダル数との比較」については、異論もあろうが、単純に、人口総数が多いほど優秀な人材も多いはずだ。 中国に優秀な人材を輩出して当然であり、加えて「国家百年の悲願」が加われば「鬼に金棒」になるが、ただ、「メダル獲得大国」と「真のスポーツ大国」とは全く別物である。
それよりも、GDPの低い某国にメダル数で負けている日本の体たらくの方が深刻だ。 「平和ボケ」はスポーツだけでなく亡国に繋がりかねない。
個々の種目や日本の状況についての論評は3000字以上を要するので割愛します。

  • 2008/08/25(月) 23:03:55 |
  • URL |
  • hexue #HdCTe9Y6
  • [ 編集]

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://huaihua.blog5.fc2.com/tb.php/773-d2df3a89
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。