大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

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謝らないのは

中国人はなぜ謝らないかについて、もう少し考えてみた。
中国人が謝らないことに腹を立てたり、逆に謝ってしまったために不当な要求をされたりと、悩む日本人のために、ひとつ解説してあげよう。


わざとやった場合は論外だが、過失の場合は、
 ・過失を認めれば許されるのが日本社会
 ・過失を認めると付け込まれるのが中国社会
と定義すれば分かりやすい。

とすると、日本人がすぐに謝るのも、中国人がなかなか謝らないのも、結局は、その方が各々の社会において、後の対応が楽になるだからだと思う。

日本では、自らを下げて相手を立てる、いわゆる謙譲の美徳が共通のマナーとして定着しているので、一旦身を引いてみせると、相手側も合わせて緊張を緩めてくれるので、温和な交渉環境が形成され、互いの意見を聞きながら協調によって結論を調整することができる。
謝ることによって、お詫びの意味とともにこれから気をつけますという反省の気持ちも含まれていることが暗黙のうちに共通のルールになっているのだ。

もちろん程度の問題はあるが、例えば歩行者同士がぶつかって、片方が転んだとしよう。
「あっ、すみません、ちょっと急いでいたものですから」
「いえ、こちらこそよそ見をしていまして」
「お怪我はありませんか、膝を打ったようですが」
「大丈夫です、大したことはありません」


逆に最初から突っぱらかると、相手側を硬直化させてしまい、できる相談もだめになってしまうことを恐れる。だから、謝るというか詫びるというか、一歩引き下がる交渉術が広まるのだ。もちろん相手の立場を心配して、余計な迷惑をかけてしまったとして「すみません」という言葉が自然に出てくることもあるだろう。

一方、中国ではどうかというと、謝ることは敗北宣言に等しく、相手側が付け込む隙を無防備にさらけ出すことになり、その後の交渉において圧倒的に不利になる。相手が弱みを見せたらそこを徹底的に突くのが交渉の基本になっているから、最初から謝る奴は馬鹿者だということになる。 
先の例が中国ではどうなるかというと
「いてっ、なにするんだ」
「ぼーっとしてる方が悪いんだ、気をつけろ」
「膝を打ったじゃないか、どうしてくれるんだ」
「知るか、自分で転んだんだろう」

ま、こんなところだろう。
が、この後、お互いに捨てぜりふを言って別れるので、あと味の悪いことこの上もない。

あるいはぶつかった後、お互いに何も言わないで立ち去るだけかもしれない。

逆に、最初に謝るとこんなことになる。
「あっ、すみません、ちょっと急いでいたものですから」
「痛てぇ、痛てぇ、膝打っちゃったよ」
「大丈夫ですか」
「大丈夫なわけねぇだろ、治療費出せよ」
「そんな、あんたもよそ見してたようだしお互い様でしょ」
「お前、急いでいたからぶつかった。自分が悪かったって認めたじゃないか!」
「そうは言ったけど」
「だったら、治療費払えよ、500元」
「じゃ払うけど、300元でいいだろ」

こんな風に、現場で現金のやりとりで解決することは、自動車同士の軽い追突事故などでは日常的に行われていることだ。

このような日中の行動の違いを「文化の違い」だから仕方がないとよく言われるが、オレはそうじゃないと思う。
弱みを見せた相手に食いついてやっつけてしまうなんてことは、動物の世界では当たり前のことだ。一方、相手のことを慮る行為は、人間でなければ見られないことだし、特に一定レベルの高等教育を受けた人や修行を積んだ徳の高い人達に多い思考パターンだ。

つまり、謝らないとか相手を気遣わないという態度は、言わば動物と同じで、人間性に欠ける行為であり、「文化の違い」などではなく、そのような社会は「文化レベルが低い」というべきなのだ。
こうして割り切ってしまえば、対応に妙に悩まなくても済むだろう。

動物の檻に入ったと思えば、常に警戒して、隙を見せないことが必然的に要求されることが理解できるはずだ。

ところが、中国人の中にも人間性にあふれ、徳の高い人達もいるので迷うことになるのだが。

コメント

私は華南地区におります。
こちらも出稼ぎが多いせいもあるかもしれませんが、非文明的行為をしょっちゅう見かけます。
特に自動車ですね!公安パトカー、政府役人車も交通ルールを守らないのですから、人民が守る訳無いですよね。。。。。。。
仕事でも、ほんとに凡ミスが多く、こちらに来た当初は謝らせようと導くのですが、言い訳ばかりで激怒しまくりでした。
ここ最近(2年になりました)は、彼らを小学生だと見て話しをしており、少しはストレスが無くなりました(感じないようにしている?)。
まあ、共産党独裁国家で個人の権利・人権の無いところなので、自分で自分を守るしかなく、また、自分以外のことにかまっている余裕も無いから仕方がないのでしょうが。。。
それにしても、裕福になった人達くらいはせめて人徳を持って生きてほしいと思うのですが、ただの成金にしか見えません。
いまだに徳の高い人に出会ったことがない私です。



  • 2009/03/20(金) 01:54:37 |
  • URL |
  • やむちゃ #-
  • [ 編集]

徳は弧ならず 必ず隣あり

でっつさんの文章の最後から拝察しますに、でっつご自身に徳が備わっている故、
隣に有徳の人が現れるのでしょう。
私はでっつさんのような徳は、悲しいかなありませんが、それでも長い年月の間に、振り返ってみて清清しい印象を残してくれた中国人たちが、何名かいます。
ただでっつさんと同様、これは途中まで素晴らしいと信頼していたのに、最後になって、裏切られたことも何回かあります。それはこちらの徳が足りなかったからでしょう。
確かに日本人は大会社の社長さんたちが、薄くなった髪の毛をテレビカメラの前に
晒して「ごめんなさい」を繰り返す映像が多すぎます。それを何回も見たことのある
アメリカの議員が、税金泥棒のAIGの役員をつかまえて「こんなことをしたら、日本人なら謝るのが当然で、自殺までする」云々との指摘が報道されてます。
当のAIGの役員は「政府の許可を得ている」として謝る気配はありませんようで。
どうも謝らない方が、A International のようですね。

  • 2009/03/20(金) 10:21:08 |
  • URL |
  • サンディ #-
  • [ 編集]

訂正

一行目の後半部分、でっつさんご自身と訂正します。””GOMEN NASAI””
日本人だなー。

  • 2009/03/20(金) 10:25:51 |
  • URL |
  • サンディ #-
  • [ 編集]

疑問なのが

でっつさんのUP内容にあるのは、本当に良くある日常ですね。
街中で路上の物売りと、客の喧嘩の末に物売りが地面に転げ回って、
さも自分が被害者である事を、アピールするのも頻繁に目撃します。

しかし、不思議なのが「あくまでも言い争い」を続ける点ですね。
昨今は日本ですら、問答無用で攻撃を開始するケースが多いのに、
100元程度の金でも、命を奪う中国なのに、何故かそこへ行かない。
ここいら辺が、やはり小・中学生の知的レベルなのでしょうね?
「相手を見て判断する」と言う、大人の常識が通用しない国ですからね。

  • 2009/03/20(金) 18:28:55 |
  • URL |
  • kaineko #-
  • [ 編集]

今頃の回答で恐縮ですが

やむちゃさん、こんにちは。
怒って謝らせようとしても本当にダメですね。
彼らの言い訳の内容には信じがたいことがよくあります。権力や地位など力技でねじ伏せるか、無視して次の指示を出すしかありません。
結局は、心に余裕がないのでしょうね。

サンディさん、いつも写真ありがとうございます。
謝ることについてネットを眺めていると、ご説の通り、誤らない国の方が多いようですね。
スペイン人男性と結婚した日本女性のコメント(ブログだったか?)で、夫は一度も謝ったことがなく自分ばかり謝っているような気がする。私ってそんなに悪い妻なのかしら?というのがありましたが、どこか変ですね。
AIGの役員は、90%課税に腹を立てて抗議の辞職をしたとか、素直に辞退すればいいのに。

kainekoさん、こんにちは。
彼らは、論争に疲れを感じないようですよ。
激しい言い争いをしても、翌日平気な顔をして談笑していますから不思議な人たちだと思います。
街中で、物売りの痩せた男と、裕福そうな客の女が口論になり、人が集まってきました。お互いに大きな声で罵り合っているところで、女の連れの男がいきなり、痩せた物売りを殴り飛ばしました。物売りは大げさに転げ回り、女は高笑いで物売りの籠を蹴飛ばし中身(果物だったかな?)を路上に四散させました。大衆の面前でこんな行為をするとは、本当に文化レベルが低いと思ったことがあります。
こんなのは小学生以下です。

  • 2009/03/28(土) 16:19:07 |
  • URL |
  • でっつ #m/aUcm4U
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