バイクの話ばかりでどこが大連だと言われそうだが、「大連と雑学の事典」と言うことでご勘弁をm(_ _)m
大きいバイクと言えば、誰しもまずハーレーダビッドソンを思い浮かべることだろう。
アメリカのハイウェイパトロールみたいな格好をしたおじさんたちがギンギラギンに飾り立てたハーレーで編隊を組んで走るのが有名だが、若い人の中では、エレクトラグライドよりももっと簡素なハーレー・スポーツスターやダイナなどでV型2気筒の鼓動を楽しむ人も多い。ハーレーのエンジン排気量は1200cc~1600ccがほとんどで、もっとも小さいスポーツスター883でも883ccだ。
昔、日本には、「陸王」と言う大型バイクがあった。
陸王は、日本オリジナルではなく、アメリカのハーレー社のライセンスを受けて作っていた正式なものだが、戦争を挟んで会社が数度倒産して今はなくなった。最初にハーレー社からライセンスを受けたのが、製薬会社の三共だというのも意表をついて面白い。旧日本陸軍のサイドカーに採用されていた。

写真は
(2009/8/22 SHIMOさんの指摘により訂正)
30年ほど前だろうか。
世界一大きいバイクとして有名になったのがブラジルのアマゾネスだった。
その当時は、フォルクスワーゲンの1600ccのエンジンを積んでバックギアがあると評判だったが、その後2000ccのものも作られたようだ。今はあまり聞かないが、まだ会社があるのだろうか。

この写真のボディには、2000と書いてあるからおそらく2000ccなのだろう。
当時は、フォルクスワーゲンの四輪車用エンジンを二輪に転用していたが、現在では、1600ccや1800ccなら、国産メーカーでも二輪専用設計のエンジンを積んで市販している。ロードスポーツで大きいのは1300ccくらいまで(中にはヤマハMT-01は1670ccなどもあるにはある)だが、クルーザーと呼ばれるアメリカンタイプが大型車の代名詞で1800ccクラスが普通にある。
たとえばヤマハXV1900A MIDNIGHT STARは1854ccだし、スズキBOULEVARD M109Rは1783ccだ。また、国内販売はしていないが、海外仕様のカワサキVULCAN2000は2053ccだと言う具合。
では、今、カタログ商品として世界で一番大きいバイクってどんなものだろう?
(高さが3mもあるようなギネス狙いの芸術品は別として、工業製品として販売されているものに限定して)
アメリカのボスホス(BOSSHOSS)と言うバイクメーカーの製品がすごい。
こいつらの前に来たら、ハーレーやアマゾネスといえども、お辞儀をして通るだろうってものだ。
何しろ、GEのシボレーV8エンジンをバイクに積んでいるのだからシャレにもならない大きさだ。

この写真は、2007年度カタログにあった8200cc、500馬力、重さ600kgの化け物だが、2009年度版カタログでは8200ccはなくなり、6100ccが最大になっている(それでも十分に大きいけどね)。
おそらくシボレーからのエンジン供給の都合によるのだろう。
昔、合格率がとても低く、厳しいと言われていた幻の「限定解除」試験の関門のひとつが、倒れた大型バイクを起こすことだとされていた。当時の対象バイクは750ccだった(例えばホンダCB750は235kg)が、これをクリアできない受験者が結構いたと聞いている。特に女性にとっては厳しかったはずだ。もしも試験車両がボスホスで、重量600kgの化け物バイクを起こすことが条件だったら、プロレスラーくらいしか合格できなかったことだろう。
値段も怪物並みで800万円もする。
エンジンの前に付いている扇風機で熱風を送られたら、蒸焼きになりそうな予感。
こんなでかいエンジンを積んでも実用的は役に立たないと、偉そうに言う奴もいるだろうが、ちょっと待った。
もともと実用性でバイクを選ぶなら、スーパーカブを頂点として、大きいところでも小回りの利く250ccくらいまでだろう。250ccなら実用速度も十分だし、高速道路も走れるが、さらに遠くまで行くのなら四輪車を選ぶのが正解だ。
とすると、250ccを超える大型バイクなんてものは、どれもこれも実用性よりも趣味性が強いもので、どこに特徴を求めるかは人それぞれの好みで良い。6000ccのバイクなんて役に立たないなどと言うのは野暮ってもんだ。
・とにかく排気量の大きいバイクに乗りたい(所有したいと同義語だが)、
そこに700万円使ったっていいじゃないか。
・ハーレーのエンジン音が好きなんだからほっといてくれ。
・バイクはBMWの水平対向じゃないと乗った気がしない。
・サーキットで一番速いのに乗りたいと、レーサーレプリカに乗るも良し。
・誰がなんと言ってもSR400のシングルがバイクの味だよ。
・おしゃれなべスパで街を軽く流すのがイキなのさ。(べスパでも300ccがある)
・古いと言われようと「陸王」の手入れをして、やっとこ走らせるのが最高。
オレの友達で、既にハーレーを1台持っているが、新たに60年前のハーレー中古車を買った奴がいる。レストア料金が車両価格よりも高いとぼやいていたが、こいつの音と振動は今の車では出ないんだと、悦に入っている。もちろん60年前の車だから性能は悪いよ。
彼が言うには、インジェクションのハーレーは嫌だ、ハーレーはキャブレターに限るそうだ。
ギアチェンジのないオートマチック(スクーター)なんかではバイクの魅力を感じないと言う人もいるだろう。でも高性能のオートマチック車に乗ってごらんなさい、バイクの本質的魅力は、実はギアチェンジなどという小賢しい技ではなく、自由に爽快に風を感じ、コーナリングで四輪車を置き去りにすることだと分かることだろう。
そのためには、250ccのスクーターでは性能不足だし、日本の市販バイクではこの条件を満たすのはオレのTMAXしかない。こういう自己満足もバイクの趣味性のなせる業か。
近頃では、デュアルパーパスとかアフリカンバイクとかいって、走路を選ばない大型のオフローダーも人気があるようだ。
♪♪人生いろいろ ♪バイクもいろいろ