大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

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中国の特許裁判(組織構造)

2008年12月に中国の特許訴訟をテーマにして、ダメもと訴訟の記事を書いたが、あれから半年以上が過ぎ中国の特許訴訟社会は更なる進歩(?)を遂げていた。

新しい事象を加えて、中国特許訴訟の実情を紹介しよう。

まず、共通の認識として理解していただきたいのが、中国の裁判所の組織構造だ。
日本など民主国家では、司法、行政、立法の三権分立が当たり前だよね。
つまり、裁判所の判決に対して、行政のトップである総理大臣といえども、口出しすることは出来ない。 しかし、中国では、三権の上に共産党という意思決定機関があるから、裁判所に対して、「その判決は止めろ」と言えるのだ。このような信じられない状態が、一党独裁なのだ。chinaguojia0910.jpg
中国共産党(国家主席)の下に全人代(立法組織・国会に相当)があり、その下に、法院(司法組織)、国務院(行政組織・内閣に相当)、軍組織、検察院が並んでいる。国家主席がNOといえば、いかなる組織も従わざるを得ない。超法規的処置という言葉があるが、国家主席は、法律にも縛られない権力がある。
市政府クラスでも同じことで、行政の長たる市長よりも、共産党書記のほうが偉いとされている。
つまり司法・行政・立法の三権分立ではないことを、良く理解しておかなければならない。
そもそも全人代を国会と書いたが、最高の立法機関という意味では国会に相当する組織だが、司法・行政・検察・軍事組織の上位に位置し、代表者は選挙で選ばれるわけではなく、共産党組織が指名するのだから、民意なんてものが入り込む隙はない。

裁判所の運営も日本とは違う。
最高裁判所に相当する「最高法院」に対して、全人代(国会)が人事権を持つ。
高等裁判所に相当する「高級法院」に対しては、省の人民代表大会(省議会)が人事権を持ち、給与や福祉等の待遇は省政府(行政・省長)が管理する。
地裁に相当する「中級法院」に対しては、市の人民代表大会(市議会)が人事権を持ち、給与や福祉等の待遇は市政府(行政・市長)が管理する。

日本では、最高裁判所を頂点として、地方に至る司法組織が構築されており、地裁、高裁の経験者が、その経験を基に最高裁判事へと成長していくのだが、中国の司法においては縦の人事的なつながりはない。

となると、必然的に地域カラーが強くなる。
人事権と給料を握っているのが市議会と市長だとしたら、その市に不利益になるような判決は出しにくいことは容易に想像できるが、それだけじゃない。
各省・市には、裁判委員会なるものが存在しており、重要な判決は裁判員会の承認を得なければ判決を言い渡せないのだ。
自ずから、地域保護的な判決になるのは、理解できるだろう。

地域保護的とは、例えば
浙江省 の会社が特許抵触製品を製造販売していると日本企業が訴訟を起こした場合、浙江省 の会社を護るような判決が出やすいということだ。 (続く)

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