大連雑学事典

2008年3月までは、大連在住の総経理が現地レポート、その後は日本からの回顧録や中国語トピックス。 過去の記事は右下太字の「大連雑学事典ハンドブック」を参照してください。

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中国の特許裁判(実用新案を侮るな)

中国では知的財産権を、専利権と言い、特許のほかに実用新案と意匠を含む。
中国の特許管理体制は、完全に先進国並みに整備されており、日本の特許庁を上回るほどだ。

中国は、知財権訴訟王国だ。年間2万件を超え、アメリカを追い抜いて世界一の裁判件数になっている。中でも、中国の実用新案を侮ってはいけない。こいつはヤバイ!!
どんな風にヤバイかと言うと
1、出願料が安いので、町の発明家(個人)出願が多く、企業名検索では引っかからない。
2、中国語のみなので、PCT出願のような英語検索が出来ない。
3、出願後無審査で登録され、権利が発生する。
4、無効審判を起こしても、そのものずばりの証拠でないとなかなか崩せない。
5、賠償金に制限がない。

シュナイダー事件(小型ブレーカー):
有名な事件としては、小型の電源ブレーカーを製造しているフランスのシュナイダー社が、正泰集団との訴訟合戦で、50億円の損害賠償を命じられ、最終的に20億円程度で和解した事件。
たかが実用新案と舐めてかかると、手痛いしっぺ返しをくうので、特許と同じように配慮しなければならない。シュナイダー事件に関して中国の裁判所が示した損害額は、この実用新案の貢献度合いなどまったく無視して、該当期間の製品の利益全額だった。それがおよそ50億円だ。通常、実用新案の貢献度は、せいぜい数%なのだが、この辺の被害認定金額査定にも大いに疑問がある。

株式会社ワコム事件(ペンタブレット):
ハンワン社がペンタブレットを中国で製造、中国、米国で販売
   中国特許3件、米国特許6件を侵害しているとワコムが中国と米国で差止請求(2006年11月)
   軽く済むだろうとタカを括っていたのだが、、、
   、、、、 ワコム社はハンワン社の実用新案を知らなかった
   ハンワン社がワコムの中国特許無効審判請求(戦う姿勢満々)
   ハンワン社の中国実用新案3件を中国ワコム社が侵害していると逆に提訴(2008年1月、河北省石家庄市中級人民法院)(戦う姿勢満々)
   ハンワン社の中国実用新案2件を中国ワコム社が侵害していると更に提訴(2008年1月、黒龍江省ハルビン市中級人民法院)(戦う姿勢満々)
   予想外に3件の訴訟を抱える泥沼化にワコムも愕然!  
   結局、2009年にハンワン社とワコムは、総合的に和解したのだが、和解条件は公表されていない。

モトローラ事件(携帯電話):
北京の朱占新さん(個人)が、モトローラから「回転式ディスプレイ携帯電話」(特許)で500万円勝訴が有名。これは、実用新案ではないが、個人が世界のモトローラに勝ったということで、個人発明に熱が入っており、約7万円で権利が取得できる実用新案が大流行だ。


シュナイダー事件に関して以下引用
北京にある連和連知識産権代理有限公司のシュナイダー事件に関するレポートである
http://www.lianandlien.com/jp/download/wgqyzzgdzscqbhcl.pdfの全文
中国人が書いた日本語(推定)なので、文章がおかしいところはあるが、主張はしっかりしているし、経緯も書かれているので、参考になるはずだ。
=====
シュナイダーエレクトリック侵害訴訟案からみる外国企業の中国における知的財産保護戦略

最近、「中国知的財産権侵害賠償の第一案」と呼ばれる、正泰集団(温州)が中国実用新案権被侵害について、シュナイダーエレクトリック(天津)公司を提訴した案件は、国内外における関連業界、知的財産界及び法律界などに幅広く注目されている。上記の案について、知的財産訴訟案(行政と司法)の動向、特にその中に反映された外国企業が中国における知的財産権保護問題や対策、そして建議について研究し、見解として依頼人の皆様にご報告申し上げるので、ご参考並びご注意ください。

一、案件
1、経緯
原告:正泰グループ控股有限公司(以下、正泰公司と称する)
被告:シュナイダーエエレクトリック低圧(天津)有限公司(SELV)(以下、シュナイダー(天津)と称する)
2、案件の背景
20 世紀90年代、シュナイダーエレクトリックはC60遮断器(ブリーカー)を開発しまして、該遮断器に接点快速閉合機構(FCCM)が初めて配置され、
且つ1991年からヨーロッパで製造した。1993年、シュナイダーエレクトリックは中国にC60系列製品を輸出した。
1996年12月23日、フランスでC60系列改良特許(特許番号FR9616151)を登録し、その中では明らかにFCCM の技術図面も含め、且つ該日付が優先権日として中国に特許出願を提出した。
1997年11月11日、正泰が中国に実用新案出願を提出し、
1999年6月2日に実用新案権を授与された。該実用新案の名称は高分断小型ブレーカーで、実用新案番号がZL97248479.5 である。
2000年、シュナイダーエレクトリックは中国におけるパートナーで天津で成立した合資公司―シュナイダー(天津)にC60製造技術を譲渡した。
2006年7月、正泰公司はシュナイダー(天津)のC65系列製品が正泰公司の持つ実用新案権を侵害したとして、温州市中級人民法院にシュナイダー(天津)を提訴した。
3、争議の焦点
シュナイダー(天津)のC65系列製品が正泰公司の持つ実用新案権を侵害するかどうかのことである。
4、案件の進展
2006年8月、シュナイダー(天津)は国家知識産権局専利覆審委員会へ正泰実用新案無効宣告の請求を提出した。
2007年4月、専利覆審委員会は正泰公司の実用新案が有効性を持つことと審決した。
2007年7月、シュナイダー(天津)は北京市第一中級人民法院へ審決取消し請求訴訟を提起した。
2007年9月、温州市中級人民法院はシュナイダー(天津)のC65系列製品が正泰公司の持つ実用新案を侵害すると一審判決した上、賠償金として3億3000万人民元の支払いを命じると言い渡した。
2007年10月、シュナイダー(天津)公司は浙江省高級人民法院に上訴した。

二、本案には外国企業の中国における知識産権保護問題の啓発
今まで、本案に対する結論がまだ出していないが、筆者は本案の進展を引き続き関心しながら、本案から引き起こした多くの問題について真剣に考えている。外国企業の中国における知的財産保護戦略と策略について、見解としてこの文で述べる。
経済グローバル化時代において、無形資産は、特に企業国際競争には知的財産の重要性がますます目立ってきて、企業が核心競争力の自主知的財産を持つかどうかということは、企業の国際競争における成敗に係る肝心な要素となっている。
中国は現在に世界経済活動においての最も活発な地域の一つとなり、中国と外国企業が避けることできない激しい市場競争に入り込んでいる。但し、中国の知的財産法律体系は、知的財産の法律執行体系を含み、健全になりつつある。このような経済と法制の大背景には、多くの中国企業は創造・革新を重視し始め、知的財産法律保護を重視し、尊重し始める。しかし、このような経済と法制の大背景にも、いろんな知的財産保護の濫用や市場競争秩序を妨害する行為も避けられないように生じてくる。
外国企業では、特に大手企業は、中国における知的財産保護を重視し、適時に中国へ特許・実用新案・意匠出願をし、競争ライバルの特許・実用新案・意匠を監視することが普通になっている。
しかし、中国知識産権局の年報により外国の出願人は実用新案と意匠より、特許のほうがもっと重視し、自社の特許・実用新案・意匠が中国企業に侵害されるかどうかを常に関心をもっているけど、自社の特許・実用新案・意匠は訴えられることになるかどうかは、あまり気づかないという傾向があると分かる。
また、中国の実用新案出願と意匠出願の監視には十分な注意を払っていないため、知らずうちに自社の発展に危険の種を埋めてしまい、トラブルが引き起こした場合大変不利で立場になってしまう。本文に関するシュナイダー(天津)の案は一つの実例である。
今は該案が訴訟の段階で、中国の司法機関は最終に該案に対して公正な判決を出すことを信じている。
一方、シュナイダー(天津)は、そのため、企業発展や企業名誉そして企業財力上の影響と損失は明らかなことと分かる。
このような現状によって、外国企業は中国における知的財産戦略を制定するとき、中国の背景を十分に考え、知的財産にトラブルが生ずる可能性に対して解決方案を制定するほうがいいと思う。
弊社は以下のように提案する。
1、今後の特許・実用新案・意匠侵害訴訟における不利な立場に落ちないように、保護する必要である技術(意匠を含む)に対して、全面的な権利化としたほうがいいである。
中国にその発明又は技術革新を特許・実用新案・意匠出願として適時に提出し、中国の知的財産制度を活用し、完全な知的財産保護体系を作ったほうがいいである。
「小発明」(実用新案)と意匠に対する保護を軽視することてはならない。
そうしさえすれば、災害を未然に防ぐことができ、後の憂いを除くことができる。
2、そして、「知己知彼、百戦不殆」の意味で、中国における全ての特許・実用新案・意匠の監視制度を改善した方がいいである。
一旦、自社の発明創造が他人に特許・実用新案・意匠出願として提出されたことと見つけたら、直ちに無効宣告などにより、自身の利益を保護し、損失を最低にする。
3、万一、上記の二つの手段により可能な危険を阻止できず、企業がまた侵害訴訟される場合には、企業は、有力な証拠を十分に備え、最終の勝訴のため積極的に応訴したほうがいいである。

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